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皆生松月のお知らせ・ブログ
【名所】安来の「和鋼博物館」たたら製鉄と日本刀3
更新 : 2011/12/31 20:04
こちらが炉に砂鉄と木炭を入れているジオラマ。
左右ではふいごで炉に送風しています。
宮崎駿監督のジブリ映画「もののけ姫」でこの送風シーンありましたね。
もののけ姫のテーマが森林保護にもありましたので、どの程度の山林を必要としたかといいますと、1回の操業で必要な12トンの木炭を生産するには1ヘクタールの山林が必要とされました。
江戸時代後期には年間60回たたら操業が行われ、かつ、木炭に適した木に育つには30年・・・。
つまり、1×60×30=1,800ヘクタールの山林面積が必要でした。東京ディズニーランドとディズニーシーをあわせた広さが100ヘクタールですので、ディズニーリゾート18個分と言えば広さがわかりやすいでしょうか。鉄山経営者が「山林王」であったのもうなずけます。
たたら製鉄は山内に170人内外の方が関わっておられたそうです。多くの方が携わった鉄山を簡単ですが紹介します。
(1)まずは、砂鉄採集の鉄穴(かんな)流し。
山を切り崩して水で流しながら砂鉄を採集します。この方法は大量の土砂が下流に流れるので農業灌漑用水に悪影響を与えることから、かんな流しは農閑期の秋から冬に限定されたそうです。これが逆に農民の冬場仕事としてよい収入減であるとともに、鉄山も季節労働者確保につながったそうです。
また、流された土砂が形成した粘土質の平地は田畑として耕作され、棚田として残っているのはこのようにして形成されたものも多いそうです。
(2)けらをつくるたたら場。
和鋼博物館では映像で紹介されていますので、展示室に入られるまでにご覧ください。
70時間ぶっつづけで作業をし1,600℃にもなるという炎を読む村下(むらげ)さんが指示しながら、30分おきに砂鉄と木炭を補充していきます。
けらの成長に合わせながら、風の量や角度を調整してノロ(鉄滓)をいかに上手に出すかで玉鋼の出来が決まったそうです。
(3)けらを加工する大鍛冶場。
たたらでできたけら塊を打ち砕いて玉鋼を選別します。玉鋼以外の残り物は大鍛治場で鍛錬されて錬鉄として刃物の心鉄や道具の素材となりました。この大鍛治はたたら経営できわめて重要でした。
和鋼博物館
〒692-0011
島根県安来市安来町1058
0854-23-2500
休館日:水曜日
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