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皆生松月のお知らせ・ブログ
■「ヨミ」の地〜皆生温泉ヨミガエリ伝説
更新 : 2013/5/20 8:37
魂が波によって運ばれ、海に湯が湧く「カイケ」の地で「ヨミガエ」ったという伝説を考察してみます。
■「ヨミ」の地
日野川の河口に位置する皆生温泉から境港まで伸びる、長さ16キロの浜は日本最大の砂州で「弓ヶ浜(ユミガハマ)」といいます。
古代出雲神話に出てくる国引きの際に、東の綱とされたのがこの弓ケ浜。
その昔は「夜見(ヨミ)が浜」と言われていました。
砂州が陸続きになる前は島であったとされ、『出雲国風土記』には「夜見嶋」と出ています。
そしてこの夜見の地名は「米子市夜見町」として現在まで残っています。
また、稲佐の浜から島根半島を通って美保湾までは対馬海流が流れています。
浜から海流に乗ると夜見が浜へ流れ着くというのは、しごく自然な現象です。
魂が泡となって流れ着き、「夜見」の地で生まれ変わる、
つまりこの地で「ヨミガエリ」、皆(ミナ)生まれかわったという伝承は地理的にも頷けます。
ヨミの意味は語源由来辞典によれば、(現在では古代中国思想の『死者が行く地下の世界を指す「地下の泉」の意味で「黄泉(こうせん)」の字義が使われていますが)日本では大和言葉の「ヨミ」を「ヨモツクニ(よみのくにの意」と言いました。
「ヨモ(よみ)」の語源には、「ヨミ(夜見)」から夜見る夢の意味があったり、「ヤミ(闇)」の意味があります。また「ヨモ(四方)」の意味や「ヤマ(山)」など諸説あると言われてます。
あの世が地下にあるとするならば「黄泉」の字義が妥当ですが、「古事記」では雷神が登場し、地上にある世界のように評されていることから、「山」の説も考えられます。つまり「火の神岳大山の方角にある場所」をヨミと言い、それに夜見の文字があてられたのではないでしょうか。
「その昔、出雲の稲佐(いなさ)の浜から泡となって流れ出た魂たちが、海岸に流れ着き、新しい身体と心がよみがえり皆、生まれ変わったことから、当地を皆生≠ニ呼ぶようになった」
皆生が古来から復活・再生を意味する「ヨミガエリ」の地であったというのは、とてもロマンチックなエピソードですね。
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