山陰の冬を代表する味覚の王者「松葉ガニ」。
カニは鮮度が命。活きたまま水揚げできる漁港は、越前から山陰のみといわれています。
当館では、活松葉ガニの美味しさにこだわり、
「その日水揚げ」「3日前予約」「解禁期間のみ」
にこだわります。
また当館は「11月6日から3月20日の解禁期間」でしか松葉ガニはお出ししません。それは「その日水揚げ」にこだわるからです。越前から山陰にかけては地物ズワイガニ(松葉ガニ・越前ガニ・間人ガ二)は3月20日までしか漁ができません。3月21日を過ぎて地物ズワイガニを提供している旅館は、その日水揚げではないカニを使用していることになります。
■生簀(いけす)の松葉ガニ
お正月期間に松葉ガニを出しているお店。禁漁期間に松葉ガニを出しているお店。また荒天時のその日にでも松葉ガニを出せるお店は「生簀(いけす)」に松葉ガニを入れている場合が多いようです。生簀に入れておくと、禁漁期間であろうと荒天時であろうと、いつでも松葉ガニをお客様に提供できます。
しかし、生簀ではエサやりをしませんし、活動していた海底とは水圧・水流・水温が異なることもあり、生簀にいる時間が長ければ長いほど、カニは身が細っていきます。生簀に長く入っていた松葉ガニではその日水揚げの松葉ガニと比べて味が変わってきます。
生簀に保存した松葉ガニをお客様に提供するのは「いつでも松葉ガニを売りたい」というお店側の都合のような気がします。お客様のためには「その日水揚げ」が一番新鮮で美味しい松葉ガニのはずです。
生簀保存のお店の場合は、生簀の中にどれくらいの期間松葉ガニが入っているか事前に確認したほうがよいと思います。期間が短ければ味はそれほど落ちないのですが、期間が長い場合は痩せて味の落ちた松葉ガニの可能性があります。松葉ガニは高額ですので、せっかくですから味の落ちていない松葉ガニがいいですね。
生簀保存のお店が謳う「生簀で活きたカニを食事直前に調理します」というキャッチコピーは、一見新鮮で美味しそうに感じます。しかし実は逆であることも場合によってはあるかもしれません。
当館の活松葉ガニは「その日水揚げ」にこだわり、「予約は3日前まで」、「カニ解禁期間のみ」である理由は、上述のとおり、お客様の「美味しい」のためです。