宿番号:347512
親父のひとり言 『おいしいものは残らない』
更新 : 2013/6/20 21:40
4月から6月にかけて、旅館業界は総会の季節、やたら宴会、パーティが多くなる。
立食パーティの場合、おいしい料理は、ほとんど残らない。おいしければ、料理を再度取りに行く人もいるし、まだ食べていない人に、おいしいことを教えたりもするから、その料理は売り切れになる。
寿司や蕎麦の屋台では、これが顕著に表れる。回転寿司と大差ない水準のものが出ると、寿司のまげには握りがたくさん残ってしまっている。蕎麦はコシが残っている状態で出ていれば、早い時間になくなるし、その逆の時は、最後まで残っていることがある。
予算を充分取ってもいないのに、批評がましいことは、小声でつぶやくしかないが、とにかく残りやすいものは極力避けて、別のメニューを用意した方が得策と思うのである
食べ物の好みは国柄、民族によって様々であるが、同じ料理を食べ比べた場合その軍配は万国共通に一致するようである。先月、台北市での旅行商談会に参加した。その後の昼食会は、私達、主催者側が台北市の旅行会社を招待して行われた。スタンダードな7、8品の中華料理が出てきたが、昼のせいもあってか、料理が大分残ってしまった。私も箸が進まなかった。味付けが雑な感じがして、美味しい料理とは思えなかったからである。
仕事がらみの食事は、自分の胃袋のペース通りにはならない。その日の夜も別のホテルで中華料理の夕食会が開催された。昼のメニューと同じ料理が3品ほど重なっていたが、これらも含め、ほとんどの料理が2回、3回と取り回しされ、各皿の料理は、ほとんど無くなっていた。夕食だからたくさん食べたのでなく、昼の料理と比べて、明らかにおいしかったのである。台湾人も日本人も、おいしさの感覚は、まったく同じなのであった。
パーティのオードブル、会席の料理、いずれにしても、たくさん残ってくる料理があれば、私たちは早急にメニュー変更を検討すべきと、改めて肝に銘じた。出した料理が大量の残飯になるようなことを続けていたら、いずれ神様のバチがあたると考えていた方がよい。