みなさんは数珠を持っているでしょうか?
大体の人は、「一本持ってるけど、不幸事があった時しか使わないなぁ」とか、
「お遍路さんやお寺に行ったり、お墓参りをするから日常的に使ってるよ」
と言われる方もいらっしゃるでしょう。
でも、数珠って何のために使うのって疑問に思ったことはないですか?
数珠…私たちは念珠(ねんじゅ)といい、お釈迦様が教示(きょうじ=教え示すこと)されて持するようになったと言われております。
僧侶が持つ数珠の珠(たま)の数は108箇(こ)ついております。
一片の房の所から数えて7つ目を超えたところと21箇目を超えたところに小さい珠が付いており、正確には112箇という風に言われるかもしれませんが、この小さい珠は数を数えるための目安ですので、通常数えません。
お経や真言を唱えるとき、7遍や21遍唱えることが多いので、分かりやすく標(しるし)をつけているのです。108箇と書くとすぐに「煩悩の数だ!」と気づかれる方もいらっしゃるでしょう。
陀羅尼集経(だらにじっきょう)の中に、「百八煩悩を断じ五逆の罪を滅す」
と書いており、また片方に54箇の珠があることについては、「十地十信十住十行十回向四善根を表す」
と書かれております。
五逆とは五種類の罪悪で、例えば親族を殺めたりすること。
十地とは菩薩の修行の段階を十段階に整理したもの。
十信とは必ず悟りを得るための信の十義を解いたもの。
十住とは十種類の心の在り方。
十行とは十種類の行うべき在り方。
十回向とは十種類の施しを与えること。
四善根とは安楽な果報を招く為の良い行いのこと。
十地〜四善根を足すと54となり、それを持することにより一切の悪が身に付かず福徳が現れると言われています。
僧侶が持つ数珠は108箇の正式なもので、一般の方は半分の54箇や27箇の数珠を持つことが多いです。
仏様を拝む時や左腕にかける時は一匝(そう)
左手に持つ時は二匝、仏前に置くときは三匝にするという決まりごとは覚えておきましょう。
更に数珠は必ず左手で持つということも決まっております。これもお釈迦様の時代に遡りますが、
インドでは今でも行われている「左手は不浄の手」というのを清浄なる手に換えるために持つのです。
お寺に行く機会が多い方も少ない方も、数珠を持参して行くと違った気分を味わえるでしょう。
数珠は不幸事に使うためだけじゃないですよ。