宿番号:360828
尾上温泉 旅館紅鮎〜全室温泉半露天風呂付き客室の宿〜のお知らせ・ブログ
枝豆の親
更新 : 2010/11/2 17:50
台風一過、カラッと秋晴れと期待していたのですがずっと雨。そして今日、ようやく夕陽を見ることが出来ました。休前日にも関わらず、なんと今晩は○組様。リーマンショック後は皆様週末にご旅行される方が増えたようで、平日の合い間にある休前日はビックリするぐらいにのんびりしていただけます。是非どうぞ。(笑)
今回は枝豆の親。
親と言ってよいのかどうか表現に困りますが、大豆のお話です。夏ごろ高月駅から当館までの道のりで枝豆の畑を目にされますが、この辺りでは枝豆として食べず大豆になるまで畑で放置します。画像はカラカラに乾く途中の大豆畑。乾燥させた方が葉っぱがなくなり、収穫の際に豆の入った鞘と枝だけになるから楽チンです。刈り取り用の機械はあっという間に大豆の豆だけ取り出して、機械の後ろから粉々になった枝だけを排出します。ベンリな世の中です。でも、もちろん高価な機械なので全ての農家さんが持たれているわけではなく、機会がないところは昔ながらにござの上で枝を叩きつけて豆を取り出しています。こうして収穫された大豆は国産としてお豆腐や湯葉などに加工されていきます。
そうそう、この辺りには打ち豆という食べ物があります。
秋に収穫した大豆を調理前に水に漬け込んで、ふっくらしたところで石の上で小槌を使って一粒ずつ潰して料理に使います。有名なのは「お講汁」と言って、浄土真宗の寺々で行われる講(お勤め会のようなもの)の際に振舞われるお汁で、湖北の冬ならではの味覚です。村々で味が違い、家々でも異なります。旅館のある集落「尾上(おのえ)」では、この打ち豆は入れずに南瓜や大根の葉、蕪などがちょっとグズグズになるぐらいに煮込まれています。甘くてホクホク、温かいお汁。寒い寒いお寺の本堂でお経を上げた後には最高の食べ物です。
話が逸れましたが、大豆。
農家さん、国産は高いということで販売先が限られてしまうのが悩みの種なのだとか。美味しいもの、安全なものを国内で充分に賄えるのに、安いからとドンドン輸入を繰り返してしまう日本の農業の未来は本当に心配です。せっかく田舎にある旅館なので、これからももっと美味しいものを地元からお届けできるように精進していかないとですね。
鴨のシーズンが始まりました。
温かい温泉と鴨で皆様のお帰りをお待ちしております。寒い夜が増えました、お体にはくれぐれもご自愛くださいませ。
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