秋の行楽シーズンも終盤にさしかかりましたが、なんといっても盛り上がるのは『同窓会』です。久しぶりの再会に抱き合ったり、笑いあったり、語り合ったり。笑顔で喜びあっているお客様の姿を拝見いたしておりますと、そんな場をご提供できる事は『旅館冥利』につきるなぁと思います。

　幹事の方がまとめて代金を支払いに来られますが、手が切れそうな位のピンピンのお札があるかと思えば、シワシワのお札があったり、時々小銭なども混じっていたりします。金額が大きいので、もし間違えるとまた一から数えなおしになると思い、私は慎重に数えます。「一枚、二枚、三枚…。」しばらくするとお客様が言われます。「お姉ちゃん、日が暮れるで…。」

　同窓会といっても、還暦を迎えたばかりのお若い方々もいらっしゃれば、ビンゴゲームのナンバーを書くマジックの文字が、震えて書けなかったり、到着するなりお疲れになりソファーに座ったままで動けない方など、様々の方がいらっしゃいますが、それぞれの人生模様が描かれているようで、またそんな貴重な場面に一緒に出会うことができる事を嬉しく思います。

　特にご年配の方は「もう、これが最後かな。」とか「いつまで来られるかな。」と言われたりします。そんな事をおっしゃらず、また次回もお元気にお越し下さいと思いながら、少し寂しい気分になります。

　この下り坂は、当館正面玄関からお客様がお帰りになられる道です。
またいつかお会いしましょう。それまで、お元気で。いつまでもリゾートヴィラハチ北はお待ちしております。