それは小学校4年生の頃だったか、弟と二人で初めてバスに乗り、歯医者さんへ行った。そこには丁度帰るところの親戚のおじさんがいて、ランドセルを持って帰ってくれる事になった。しかし、悲劇はここから始まった…。

　治療が終わり、さあ帰ろうと思った瞬間気が付いた！「あっ、財布がない！」そうです。お祭りで買った、ビーズの付いたかわいいピンクのお財布は、ランドセルの中！おじさんが持って帰ってしまったのだ！

　治療費は後払いなので大丈夫だが、問題は帰りのバス賃。近くに親戚や知人もなく、家にかける電話賃さえ無い。幼い弟の手を引いて、途方に暮れてしまった。（そう、気分はまるで「母を訪ねて三千里」のマルコの様に…。）

　「そうだ！」
　私が向かった先は、近所の公立病院。この間まで祖母が入院していた部屋に、やさしいおばあさんがいたっけ。あの人にお金を借りよう！

　今となっては、何と言ってお金を借りたのか、きちんと返したのか、記憶が定かではないのだが、優しく笑顔で貸して下さったのを今でも覚えている。

　4日は��虫歯予防デー�＝B
この頃になるといつも思い出す、ほろ苦い出来事だ。
　みなさん歯磨きしましょうね。