宿番号:382371
有馬温泉 陶泉 御所坊のお知らせ・ブログ
心が喜ぶ美味しさ・・・旬の瀬戸内の恵み
更新 : 2011/3/22 11:24
今だけ、ここだけ、これだけしかない・・・・手に入れたくても手に入らない食材があります。
決して高価なモノではありません。はっきり言って価格的には安い代物です。
だからこそかもしれませんが、どこにもないのです。
昨日買いに明石浦漁港まで調理長が買いに出かけましたが、ありませんでした。今日ならるという事で現在買いに行っています。
今回のような災害に見舞われると、人間と自然との関係について・・・つい考えてしまいます。
人間って地球の自然の恩恵を受けているのに、自然を壊しているのは人間じゃないのかな・・・
美味しい旬の食べ物も、私たちを癒してくれます。
瀬戸内の春の旬の便りは「イカナゴ」・・・この子供を「シンコ(新子)」。親は「フルセ(古瀬)」とよばれています。
明石から神戸にかけての家庭では、イカナゴ(シンコ)が市場に出回ると、買い求め佃煮にします。それぞれの家庭で独特の炊き方があり、手前味噌ならぬ釘煮(イカナゴを焚くと釘のような大きさと形状が似ている事から釘煮とよばれている)自慢がはじまります。春の関西の風物詩です。
そのイカナゴが減って来ているのと、瀬戸内の魚が減って来ているのです。
イカナゴのシンコを獲る時に他の魚の稚魚も獲ってしまう事が、瀬戸内の魚の減少につながっていると言われています。
6月〜7月頃になるとイカナゴは海底の砂の中に潜って活動を停止します。「夏眠」とよばれています。
11月〜12月中旬。水温が13℃を下回ると、イカナゴは砂の中から出てきて、満一歳になる頃には親となって成熟し、散乱します。
大きさは1歳で9〜10センチ 2歳で12〜13センチ、3歳で15〜16センチで、瀬戸内海では3歳ぐらいが寿命といわれています。
ところが「夏眠」に適した粒度分布の海砂がコンクリートの骨材に適していて、大量に採取される為に漁場が壊滅的被害を受けているのです。
以上の理由から年々漁獲量は減ってきます。
フルセも昨年は全く生が手に入りませんでした。他の地方で捕れたフルセは釜あげにされて流通しています。
今は漁師さん達が自分達が食べる為に生で持って帰っているだけのものです。
それをホテル花小宿の旬重でご用意しています。
小さいので炭火で焼いて、すぐにお召し上がり頂かないと良さが伝わりません。
だから残念ですが、御所坊では提供できないのです。
関連する周辺観光情報