宿番号:392184
朝夕個室料亭で<森の晩餐>をいただく美食宿 時音の宿湯主一條のお知らせ・ブログ
会席料理のメインは蓋物で季節を感じる料理です。
更新 : 2025/6/9 9:57
普通の人達は知らなくて当たり前ですが、
料亭の会席料理はレストランとは異なります。
会席料理のメインは煮物椀です。
AI による概要⇒会席料理の今月のウリとは、具体的な料理ではなく、月ごとの季節感や旬の食材を活かした料理の構成や、その時期に特に美味しい食材を使った料理を指します。
例:
6月:
6月は梅雨の時期であり、梅雨明けを待ち望むような、さっぱりとした味わいの料理が好まれます。梅雨をイメージした料理や、夏の食材を使った料理が提供される可能性があります。
煮物椀が、メインと言える理由
煮物椀は、「懐石料理の華」あるいは「懐石料理のハイライト」なんて言ったりします。この煮物椀で、その職人の実力がわかるからです。旬の食材を吟味し、季節感を表現する煮物椀はまさに、技術と知識の集大成ともいえます。ただ煮た物を入れるのではなく、鱧のように、葛でまぶし、素材に火を入れていく「葛叩き」、油で揚げ素材を盛り付ける、「卓袱仕立て」また、焼き身を盛り付けるたりもします。出汁にしてみても、細心の注意をはらってとった一番出汁や、魚のあら骨をうまく使った、すっぽん仕立て、はまぐり の潮汁や、「沢煮椀」のようなスープ仕立てがあります。こうした、高度な技法が生み出す、料理の観点から見ても、立派なメインです。そしてもう一つ大切なこと、それは懐石料理(おもてなし料理)のメインであることです。そこには、作り手がいかにお客様に喜んでもらえるか、思いを込められて作られているからです。
ここからは私の文章を書きます。
6月の一條の「お椀」は
「鱧葛打ち 順才 蓮芋 梅肉」試食しましたが、骨切りがとても上手で、素晴らしいお出しの味でした。鱧の葛打ちとは、鱧に葛粉をまぶして茹でる調理法のことです。鱧を骨切りし、葛粉をたっぷりつけて叩き込むようにして、身を開かせた後に熱湯で茹でます。すると鱧の身が牡丹の花のように開いて、美しい「牡丹鱧」になります。
骨切りは、鱧の身を皮ごと、細かく筋切りすることで、骨を断ち切り、美味しく食べられるようにする技法です。厨房で誰が骨切りしたの?と聞いて素晴らしかった。と褒めてあげようと