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松本浅間温泉 ホテル玉之湯のお知らせ・ブログ
春の森に咲く、小さな命の輝き 「カタクリの花」
更新 : 2025/5/11 7:48
信州の春がゆっくりと訪れる頃、森の奥にそっと顔を出す可憐な花があります。紫色のうつむき加減な姿が印象的な「カタクリ」の花です。
かつてこの花の地下にある鱗茎(りんけい)から粉を採り、「片栗粉」として使われていました。現在では、片栗粉はジャガイモのでんぷんが主流となり、カタクリから作られることはほとんどありません。それほどに、カタクリは貴重で、自然の中でひっそりと生きる存在なのです。
しかし、近年ではその数が減少しています。山林開発や鹿による食害、そして人の立ち入りによる環境への影響など、さまざまな要因がその背景にあります。ほんの短い早春の期間だけ咲くこの花は、自然のリズムの中で静かにその命を輝かせています。
だからこそ、森を訪れるときは、足元の小さな命にもそっと心を寄せていただけたら嬉しく思います。自然とともにある時間が、皆さまにとってやさしく豊かなものとなりますように。
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