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こぼらさんの奈良県の旅行記

大和高原〜神野山自然公園

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奈良県の北東部に位置する大和高原。奈良といえば、平城京周辺の盆地や、南部の深い山々のイメージが強いです。余り広く知られていませんが、高原もあるのです。高原の北端は月ヶ瀬・神野山自然公園と呼ばれ、梅やツツジの名所となっています。神野山(山添村)は、ゆるやかな山全体が森林公園として整備され、名阪国道からのアクセスも良く、気軽に訪れて楽しむことができます。なかなか見所が多く面白いエリアです。

三重ツウ こぼらさん 男性 / 60代

1日目2018年4月29日(日)

フォレストパーク神野山

山添村(山辺郡)

「フォレストパーク神野山」を   >

神野山全体をフォレストパーク神野山と呼びます。林間施設ゾーンにあるカフェレスト「茶の里・映山紅」からは大和高原の東側が眺望できます。写真は北東方向を望んでいますが、月ヶ瀬や伊賀盆地を見下ろしています。 高原といっても、なだらかな起伏がある丘陵地です。神野山も、山と言うよりは丘陵地で、大和高原の一部となっています。 絶好の五月晴れに恵まれて素晴らしい眺望が得られ、すがすがしい空気に触れられました。

フォレストパーク神野山は、主に4つのゾーンによって構成されています。「林間施設ゾーン」「鍋倉渓ゾーン」「山頂ゾーン」「めえめえ牧場ゾーン」です。それぞれに楽しめる施設やアトラクションが設けられています。4つのゾーンを歩いて巡るのが理想ですが、時間と体力が要ります。 山の麓には、神野寺や天神社という由緒ある神社仏閣もあります。

フォレストパーク神野山

山添村(山辺郡)

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林間施設ゾーンには、みやげ物やバーベキューを扱っている「みどり屋」や、森林の動植物や木材について学習ができる「森林科学館」が設けられています。無料で入館できる森林科学館のエントランスでは、大きな切り株がUFOみたいに浮いたような姿で出迎えてくれます。

森林科学館に展示してあった木製自動車。ナンバープレートは付いていませんが、本物のタイヤとホイールを履いていて自走できるようです。フロントにエンジンはなく、お年寄りから聞いたことがある、木炭を燃やして走る車(木炭車)でしょうか? さすがに足回りは金属製でしょうが、ボディーは全て板張りです。運転してみたいですね。

木製の球を高いところから転がり落とすと、自動的にメロディが奏でられる木琴。メロディは「とんぼのめがね」でした。不思議な魅力があり、年甲斐もなく4回演奏させました。隣には、森林学習用の双六もありました。

茶の里映山紅

山添村(山辺郡)

茶の里という名前から、大和茶を使ったスイーツやソフトドリンク専門の店かと思いましたが、普通に食事もできます。茶そば・茶がゆの他に、高原でとれた山菜の料理や大和茶スイーツがセットになった「里山ランチ」もあります。

茶の里映山紅

山添村(山辺郡)

店内は広々としていて、テーブル席とお座敷席があります。窓辺にはカウンター席もあり、神野山の東側の高原を眺めながら食事ができます。テラス席もあります。

私たちがチョイスした「里山ランチ」。どれも美味しかったですが、何十年ぶりに食べた竹の子ご飯が嬉しかった。

里山ランチのデザート。和紅茶(ホット・アイス)とチーズケーキ。カウンター席で、高原の景色を楽しみながら頂きました。 ケーキはチョコケーキとチーズケーキのどちらかを選択しますが、個人的にはチーズケーキがお薦め。ケーキは、単品でオーダーするよりも小さめのようですが、しっとり香ばしく、とても美味しかった。

里山ランチのお品書き。お店の入口に掲示されていました。これだけ色々な味を楽しめて1200円は安いと思います。 さて、昼食の後は神野山の散策です。この林間施設ゾーンの駐車場に車を駐めて神野山に上ることもできますが、私たちは移動して鍋倉渓から上ることにしました。

鍋倉渓上り口にある駐車場に到着しました。駐車料金は不要です。愛嬌のあるカラス天狗像が出迎えてくれます。

鍋倉渓

山添村(山辺郡)

「鍋倉渓」を   >

神野山の斜面に、黒々とした大きな岩がごろごろと列をなして並んでいます。素直に見ると、誰かが何かの意図を持って積み並べたように思えます。この岩達は、伊賀の天狗と神野山の天狗が喧嘩になり、青葉山(名張市:伊賀)から岩や樹木を手当たり次第に神野山に投げつけてきた結果だという言い伝えがあるくらいです。 科学的な説明だと、山が浸食によって平らになっていく過程で、山を構成していた岩石が谷に崩れ落ち、柔らかい岩は土砂となって谷水で洗い流され、硬く黒い岩だけが残った結果だとか。そうです、黒い岩の下は川になっているのです。 でも、それでは夢がない。個人的には、伊賀の天狗達が投げ込んできたものと信じたいですね。

鍋倉渓

山添村(山辺郡)

「鍋倉渓」を   >

延々500mほど、岩の帯が黒々と続きます。下流の方から見上げると壮観です。にわかには、自然現象で、こうなったとは思えません。 でも、上流に進むに従い、岩と岩の間に土砂や草が見えてきます。岩の周りの土砂が、大水や風雨で洗い流されていく過程にあるのでしょう。。

神野山

山添村(山辺郡)

「神野山」を   >

鍋倉渓を見ながら神野山頂上まで歩いて上りました。鍋倉渓入口まで、ゆっくり歩いても30分程度でした。頂上の展望台はそんなに大きな構築物ではありません。でも、神野山の頂上にあるので、眺めは絶景です。

展望台から南を望むと、大和富士ともよばれる標高812mの額井岳が見えました。つい先日行ってきた室生寺や室尾ダムの近くにある山です。山の形が「山」の字みたいなので特徴的です。 手前はゴルフ場ですが、高原らしい雰囲気です。

展望台から北東を望むと、伊賀盆地や笹ケ岳(滋賀県甲賀市信楽)が見えます。

ちょっと脇道に入ると、ツツジに囲まれてしまいます。

神野山のツツジ

山添村(山辺郡)

「神野山のツツジ」を   >

神野山の山頂には、いろんな種類のツツジが咲き乱れていました。神野山の山頂からは、めえめえ牧場や鍋倉渓、神野寺に行けるようになっています。私たちは、鍋倉渓から山頂に向かい、めえめえ牧場の方に下りていきました。

八畳岩付近の散策路。このあたりは樹木に覆われ、ひんやりした空気です。春ゼミの鳴き声を聞きながら下りていきます。

山頂から下りていくと、木々の間から羊の声が聞こえてきます。めえめえ牧場が近づいているのがわかります。開けた場所に出ると、ツツジが咲き揃っている休憩スポットがありました。

めえめえ牧場

山添村(山辺郡)

「めえめえ牧場」を   >

神野山山頂から10分余り歩いて下ると視界が広がり、広々とした「めえめえ牧場ゾーン」に到着します。見渡した限りですが、50頭以上の羊が放牧されています。

めえめえ牧場

山添村(山辺郡)

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フェンス越しでしか、羊に触れられないのが残念です。羊せんべい(10枚で100円)をねだって近寄って来た時だけです。 3月頃に生まれた子羊が、ちょろちょろ歩き回っていて可愛いです。子羊は、羊せんべいには全く関心がありません。お母さん羊のおっぱいがお目当てです。

こちらは、もう少し前に生まれた子羊。容姿を見ていると、カモシカや牛に近い動物なのだなと思います。 羊たちを見た後は車道を歩いて、鍋倉渓入口の駐車場まで戻りましたが、失敗でした。めえめえ牧場を出入りするマイカーが頻繁に通るからです。山道を使った方が風情があっていいです。 車で、鍋倉渓から1500mほど離れた所にある天神社に向かいました。

天神社(奈良県山添村)

山添村(山辺郡)

「天神社(奈良県山添村)」を   >

室町時代の建築様式を今に伝える神社です。朱塗りが鮮やかな一間春日造りの神殿は、背後の山林から浮き立って見えます。 室町時代の建築様式は、寺院でも感じますが、一言で表現するなら「かっこいい」です。ちょっと難しく言えば、壮麗にして重厚、技巧的でもあります。 この天神社も例外でなく、杉の厚板葺きの黒い屋根は重厚ですし、破風の「かえるまた」装飾は色使いも含めて技巧的です。黒色に金箔でアクセントを付けた千木も、神殿の壮麗さを引き立てています。

天神社(奈良県山添村)

山添村(山辺郡)

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神殿は国の重要文化財です。室町時代中期以前の建立とのことです。 天正6年(1578年)から現在までの棟札が保存されており、神殿と古い棟札16枚が国指定重要文化財に指定されています。

神殿の左右・後部の壁には絵画装飾が施されています。側壁には平安時代の武人のような絵が、後部の壁には黒い牛が描かれています。牛車も描かれているのでしょうか?

神殿が二つ並び立っています。向かって右側が天神社で、左側が美統(みすまる)神社です。 天神社は、応永年間(1394年)神託によって雷神天満天神、菅原道真公を祀る社殿として造営されたと伝わります。また明治初年の神仏分離のとき天御中主命を祭神としたそうです。 美統神社の神殿は天神社と同時期の建立ですが、近くの牛ヶ峯にあった春日神社の神殿を大正年間に移築したものだそうです。こちらは少し小振りですが、室町時代の様式が見事です。 そういえば、神野山に来る時に道路が通行止めになっていて、訪問できなかった神野寺が残っていました。狭い山道の迂回路を使って移動しました。

神野寺

山添村(山辺郡)

「神野寺」を   >

新緑の神野寺山門。真言宗豊山派の寺院です。 山門前の参道には、モミジなどの紅葉植物が多いので、紅葉シーズンには風情のある景観となるのでしょう。でも、新緑に包まれた山門もいいですよ。

神野寺

山添村(山辺郡)

「神野寺」を   >

神野山一心院神野寺。天平時代(740年)に、行基によって建立されたと伝わる寺院。本尊の薬師如来座像は行基手製のものといいます。 その後、江戸時代まで興福寺に属していましたが、明治になってから真言宗になっています。浄瑠璃寺や海住山寺、さらには岩船寺など、似た経過をもつ寺院が南山城・大和高原の周辺には多いような気がします。

本堂の横には、神野山の山頂に至る散策路があります。樹木のトンネルの中に入っていくような気持ちになります。 神野山の散策を終え、4kmほど北東に移動して、神波多神社に向かいました。

神波多神社

山添村(山辺郡)

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神波多神社は、延喜式神名帳(927年)に記載のある古社。牛頭天王を祀り、「波多の天王」として信仰を集めてきたとのこと。延喜式・臨時祭で畿内10ヶ所で祀られた疫病神の一つ。伊賀の疫病神が畿内に入らないよう祈念したものらしい。鍋倉渓の言い伝えにも伊賀の天狗の手荒さが登場しており、この地域は古来より伊賀と微妙な関係にあったのでしょう。 本殿は五間社流造り・桧皮葺きの堂々たる建物。千鳥と向唐破風によって外観に変化をもたせた手法が用いられているとのことですが、正面に拝殿、側面と後方は塀によって遮られていて、つぶさに見る事はできません。側面から屋根まわりを見る事ができますが、向唐破風だけが確認できません。

拝殿と神殿。拝殿と塀が遮っていて、どうしても神殿正面の向唐破風が見られないのが残念です。 織田信長の伊賀攻め(1581年)の際に、伊賀がすぐ近くなので、この神社までもが兵火で焼失。これにより、創建時からの由緒を記した史料も失われてしまいました。意地悪な言い方になりますが、伊賀からの疫病神を防げなかった事になります。 再建・改修を示す棟札のうち、元禄4年(1691年)のものが最も古いため、今の社の建立は江戸時代(17世紀中頃)と考えられています。

拝殿から本殿を仰ぎ見たところ。太鼓橋を渡って本殿入り口に至るようになっています。 古い扁額が二つあり、大きい方には「牛頭天王」、小さい方には「正一位牛頭天王」と書かれています。 さて、日も傾いてきました。2kmほど移動して月ヶ瀬温泉で湯に浸かり、名物の梅うどんを食べて引き上げることにしましょう。

梅の郷 月ヶ瀬温泉 ふれあい市場

奈良市

「梅の郷 月ヶ瀬温泉 ふれあい市場」を   >

月ヶ瀬温泉の建物の中には「梅こころ」というレストランがあります。神野山周辺を歩き回って、お腹が空いたので、ここの名物「梅うどん」を食べました。その後で温泉に浸かりました。のべ10kmほど山道を歩いたので足も重くなっていましたが、温泉で癒すことができました。 冷たい梅うどんもあるので、風呂上がりにはお薦めです。

1日目の旅ルート

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