さまざまな地域を見てきた。
そこで行われている催しが何故いま在るのかを、その香りを嗅ぎに短期間集中的に動いた。
旅館は女房と子供にまかせっきりで、実にさまざま移動した。
移動中、消化不良を起こしたものもあれば、すっきりと消化して心から楽しんだもの、自分に同化したものも数多くあった。
それらの訳を考えた。
考えている最中顔が引きつりっぱなしで、「雰囲気変わったよネ、おたく」なんて、言われたくもないことを言われたりもして、その通りなのでふさいだこともあった。
思いが、正直に顔に出ていた。
そんなときは、訳もなく田んぼに出て、日がな一日、泥と戯れたりもした。
足腰の強化に繋がり、米もおかげで一等米だった、、、関係ないけど、、。
またあるときは、刈り払い機のエンジン音を隠れ蓑に、大声で唸ったりもした。
おかげで喉が丈夫になり、今年の祭りの演芸会ではマイク不要という状態だった、、、これも、関係ないけど、、。
しかし、数日前から答えらしきものが姿を現し、逃がさないように必死でその影を追い求めた。
夜遅くまでキーボードに向かい、タバコは唇から離れることなく、傍らに気に入った焼酎を置き、逃げようとする影をナントカ言葉の罠で捕らえようと、
JBLからながれるビバルディーを耳のたこにして、ついに影の実態を捕らえた。
捕らえてみれば、実にさもないもので、ごくごく当たり前のものだった。
でも、その当たり前さが、とてつもなく嬉しかった。
”地域”
催しを下支えする”地域”
訪れる人と、住む人との自然な融合。
そのための単純な仕掛け。
それを形にすることができた。
あとは、実行。
すっきりした。
ビバルディーから一転して、ブラッド.スウェット.アンド.ティアーズが、いま心地よく耳にしみこむ。