先日、檜山地方のある海岸へ。
にぎやかな海水浴場ではなく、
奇妙な形の岩や切り立った崖が多くある場所です。
空は重苦しい灰色の雲に覆われ、
人気のない海岸は、一層荒涼とした風景になっています。
それでいて波が妙に穏やかなので、
かえって不安と寂しさを掻き立てられるようです。
崖を見上げたり、風化した岩を眺めたりして歩いていると、
前方の崖下の岩場に、黒い袋のようなものが見えました。
最初、ごみ袋かと思いましたが、
風で揺れるのとは明らかに違う動きをしています。
それに、黒い塊は次第に盛り上がってくるようです。
鳥?
アザラシかオットセイ?
まさか、…クマ?
と思ったら、肌色の人の手がにゅっと出てきて、
顔らしきところをこすり始めました。
もうびっくりして、その場から退散しました。