今回の大震災で、
ご縁のあったN様ファミリーに
まつわるエピソードを
連作でお届けしています。

当館が込めた願い・思いも含め、
ぜひ、連作の�@から、ご覧ください。

*******************************
（前回からの続き）
「下手な同情は、
現地の人にとっては
迷惑や嫌味にしかならない」

・・・前回紹介した、
このことを大切にし、
私たちも、
当館に避難してきたN様に
接しようと思いました。

なるべく淡々と、
何事もなかったように振る舞うことが、
何よりの癒しになる・・・
そう信じて。

ご到着当日は、
館内のご利用方法や
約束事の確認からでした。

ひと通りの説明が終わった後、
最後に、N様にこのような言葉を
お伝えしました。

「どうか、
本当にゆっくりなさってくださいね。

長い滞在になるかもしれませんから、
一番気をつけていただきたいのは、
ストレスです。

食事を食べたくなければ、
食べなくても大丈夫ですし、
不便なことがありましたら、
いつでもおっしゃてください。

どうかどうか、
この旅館にいる間くらいは、
ごゆっくりなさっていただいて、

お帰りの時は
本当に元気な姿で
お帰りいただきたいと思うんです。

ご実家にお戻りになったら、
きっと様々なことと
戦わなければならないのでしょうから・・・」

話を聞き終えたN様の目には、
うっすら涙が浮かんでいました。