2020.05.29
いつか乗ってみたい寝台列車。今回は寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の魅力や、乗り方を徹底ガイドします!
寝台(ベッド)を備え、1泊しながら移動できるのが寝台列車です。
現在、定期運行しているのが、東京と香川or島根を結ぶ「サンライズ瀬戸・出雲」。旅行会社のツアー限定でJR東日本が運行する「カシオペア紀行」もあります。
これを読めば寝台列車デビューも心配ナッシング!
寝台列車の魅力とは?
一晩ゆっくり横になって休めるのが寝台列車の良さ。以前はカーテン仕切りの「開放式寝台」もありましたが、現在は個室寝台が主流です。
多少狭くて揺れもありますが、ベッドやパジャマ、コンセントなどの設備はほぼホテルレベル。さらに、目的地に朝早く着くので、1日を有効に過ごせるのもメリット。

飛行機でも朝早く着ける便はありますが、たとえば朝6~7時台に羽田空港へ行くのはかなり大変。寝台列車なら、22時に東京駅を出て、旅情をたっぷり楽しんで、何なら一杯やってシャワーも浴びて、翌朝から目的地で活動を開始できるのです。
そんな魅力的な寝台列車、「サンライズ瀬戸・出雲」の乗り方を詳しく説明します!
サンライズ瀬戸・出雲の運行区間&運行時間

「サンライズ瀬戸・出雲」の目的地は、高松駅と出雲市駅。
サンライズ瀬戸・出雲と一口に言っていますが、7両+7両=14両が連結された状態で途中まで一緒に走り、岡山駅で7両ずつに分離したあと、「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」となって、四国エリアと山陰エリアへそれぞれ向かいます。
<下り>
東京駅22時発 → 高松駅7時27分着、出雲市駅9時58分着
<上り>
高松駅21時26分発、出雲市駅18時51分発 → 東京駅7時08分着
毎日1便運行
途中の停車駅は、横浜・熱海・沼津・富士・静岡・浜松・姫路・岡山(瀬戸・出雲共通)、児島・坂出(瀬戸)、倉敷・備中高梁・新見・米子・安来・松江・宍道(出雲)。途中で乗車・下車することももちろん可能です。
サンライズ瀬戸・出雲の寝台タイプ
寝台の種類をざっくり分けると、A寝台、B寝台、ノビノビ座席の3つに大別できます。
A寝台とB寝台は、どのグレードも個室で、暗証番号式でちゃんとカギを掛けることができます。充電用コンセントも各部屋にあり、パジャマも用意されています。
ノビノビ座席は正確には寝台ではなく、「ゴロ寝も可能な指定席」といった存在です。
A寝台「シングルデラックス」
もっともゴージャスな個室

寝台列車としてはかなりゆったりめ(幅85cm)のベッドと、デスク、洗面台などを備えていて、アメニティセットももらえます。
シャワーカードがセットになっていて、このシングルデラックスユーザー専用のシャワールームが使用可能。
瀬戸・出雲それぞれに6室のみのプレミアムルームです。
B寝台「サンライズツイン」
友達同士やカップルにぴったり♪

幅75cmのシングルベッドが2つならんだ、2人用の個室です。シティホテルのツインのような雰囲気で、横に広い分、開放感もあります。
B寝台「シングルツイン」
上下に分かれて2人で使用できる

「シングル」のベッドが上下に並ぶ部屋。天井が高めのつくりになっています。上段のベッドは跳ね上げ式。下段のベッドは、折りたためばソファにもなります。
B寝台「シングル」
サンライズ瀬戸・出雲のキホンの寝台

もっとも多く用意された個室寝台です。ベッド幅は70cm。簡易テーブルも付いています。
写真は2階室で、窓が空側にカーブしているので、寝転んでも夜空が見えます。逆に1階室は、頭上が比較的広く感じられる構造になっています。
B寝台「ソロ」
寝台の中で最安値の個室

シングルよりさらに1100円安く、部屋はほぼベッドのスペースのみで、ベッドの足側が少し狭くなっています。テーブルは窓側のドリンク置き的な出っ張りを利用。
立ち上がれるほど天井は高くありませんが、むしろこの包んでくれるシェルター感がイイのかも。
ノビノビ座席
足を伸ばして横になれる指定席

寝台特急に乗るには「乗車券+特急券+寝台券」が必要ですが(後述します)、このノビノビ座席は「乗車券+特急券」で利用でき、もっとも安価です。
読書灯、小物を置く台があり、床暖房まで備えられています。シーツをかぶせた毛布も用意されています。
床が硬めなので、毛布を敷いて、その上に横になるのがおすすめ。旅慣れたバックパッカーの利用も多く、寝袋を持ち込む人も。
となりとの仕切りは、枕元側の部分的な壁のみです。充電用コンセントは、通路に共用のものがあるだけなので、寝ている間にスマホを充電…は難しそう。
サンライズ瀬戸・出雲の共用スペース
ミニサロン(ラウンジ)

車窓を眺めながらビールを飲んだり、部屋のスペースでは食事しにくいときなどに便利。
ただし車内にはソフトドリンクの自販機があるだけなので、必要なものは乗車前に買って持ち込みましょう。
下りの場合、だいたい姫路あたりで日の出を迎えることが多いのですが(時期により変動します)、その時間にはみんながここに集まってきます。
シャワー室

自販機でシャワーカード(330円)を買って差し込むと、シャワーが使えます。
お湯が出るのは合計6分間!スタート/ストップボタンを駆使して体を洗いましょう。とはいえ水圧も十分で、むしろ時間が余るほど。シャワー室自体もわりと広くて快適です。
シャンプーやボディソープも付いていますが、「シングルデラックス」以外にはタオルが付いていないので、持参が必要。
ちなみにシャワーカードは数に限りがあり、かなり早めに売り切れます。シャワー室そのものは深夜や翌朝でも使えますので、乗車したらまずはシャワーカードをゲットしておくのがコツ。
サンライズ瀬戸・出雲の運賃・料金

・東京駅⇔高松駅:22540円
・東京駅⇔出雲市駅:23210円
※「シングル」利用の場合の、通常期の片道料金。繁忙期/閑散期は上下200円ずつ変動します
これって高いの?安いの?それは値段を分解してみると分かりやすいかも。
昼間の特急列車に乗るには、移動区間に対する「乗車券」と、特急という早さに対して上乗せする「特急券」の2枚が必要です。
寝台列車に乗るには、さらに、1泊するというサービスに対して支払う「寝台券」が必要になります。
寝台券の料金は、「ビジホ代」と考えれば妥当レベルと言えそう。
【A寝台】
・シングルデラックス:13980円
【B寝台】
・サンライズツイン:1人あたり7700円
・シングルツイン:1人目9600円、2人目5500円
・シングル:7700円
・ソロ:6600円
【ノビノビ座席】
寝台券不要
乗車券+特急券のみで計算すると、
・東京駅⇔高松駅:15370円
・東京駅⇔出雲市駅:16040円
となっています(ノビノビ座席はこの料金)。途中乗車・下車の場合は、当然これより少し安くなります。
寝台を利用する場合、特急料金から530円が割引されますので、乗車券+特急券の料金から530円を引いて、各グレードの寝台料金を足したものが、サンライズ瀬戸・出雲の運賃となります。
特別な経験ができる…という付加価値を考えれば、むしろ納得のお値段じゃないでしょうか。
サンライズ瀬戸・出雲のきっぷの買い方

サンライズ瀬戸・出雲のきっぷは、乗車日の1カ月前の午前10時から買うことができます。
「シングルデラックス」や「サンライズツイン」は好評のため、売り切れてしまうこともしばしば。旅の予定が決まったら、早めに購入しましょう!
JR東日本の「えきねっと」、JR西日本の「e5489」といったネット予約でも、購入が可能になっています。
ただし、細かい部屋の位置やグレードの指定がしにくいので、駅の窓口で駅員さんに希望を伝えながら購入するのがやっぱりおすすめです。
[運行時間]【下り】東京駅22時発→高松駅7時27分着(瀬戸)/出雲市駅9時58分着(出雲)【上り】高松駅21時26分発(瀬戸)/出雲市駅18時51分発(出雲)→東京駅7時08分着
※毎日1便運行
[料金]【東京駅⇔高松駅】シングル利用片道22540円【東京駅⇔出雲市駅】シングル利用片道23210円
「サンライズ瀬戸・出雲」の詳細はこちら
まとめ
寝台列車の乗り方、いかがでしたでしょうか。一度デビューしてみれば、飛行機や新幹線とはまた違う旅のノウハウが手に入るはず!
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※この記事は2020年5月時点での情報です
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ミキティ山田
旬な話題を求めて、いろいろな場所を取材・撮影する調査員。分厚い牛乳瓶メガネに隠したキュートな眼差しでネタをゲッチュー。得意技は自転車をかついで階段を登ること。ただしメガネのせいでよく転びます。