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2021.10.06

【津軽弁の日】超難解!知っていると楽しい津軽弁フレーズ10選<青森の方言>

10月23日は津軽弁の日。津軽弁の方言を使った詩で有名な詩人高木恭造氏の命日を、津軽弁で賑わそうと始まったのが「津軽弁の日」だそうです。毎年、津軽弁による弁論大会などのイベントが開催されており、SNSでもたくさんの津軽弁投稿がされます。今回は、そんな津軽弁の難解だけど楽しいフレーズを紹介していきます。これを機に、津軽弁の魅力に触れてみてください!

そもそも津軽弁とは?青森の方言=津軽弁ではない!?

津軽弁

津軽弁が青森県の方言というのはみなさんご存じかもしれませんが、青森県の方言は津軽弁だけではありません。「津軽弁」は津軽地方で話される方言で、この他に南部地方の「南部弁」、下北半島で話されている「下北弁」と、エリアで大きく3つに分けられます。

同じ青森の方同士でも、全く通じない言葉も多くあるそうなので、青森旅行で現地の人と接することがあれば、その違いに耳を傾けるのも面白いかもしれません。が、きっと慣れていない人は聞き取れないと思います!

この記事を書くにあたって、津軽弁のネイティブの方にお話を伺ったのですが、「え!?フランス語?」と思うくらい、いつもの日本語とかけ離れていました。ここからは、そんな津軽弁のフレーズを紹介していきます。

超難解!?これが津軽弁だ!津軽弁導入・解説編

わいは!どんだば!

津軽弁

訳:わっ!びっくりした!

「わい」や「わいは」というのは「うわぁ!」「まぁ!」などびっくりした時に使う言葉です。また、「どんだば」や「どんだんず」というのは「どうなってるの」「なんてこった」のようなニュアンスで、両方驚いた時などに使う言葉となります。

この一文を見れば標準語と津軽弁がどれだけ違うのかが分かると思います。テレビで津軽弁が話されると標準語テロップが入るというのも頷けますね。

「(な)どさ」「(わ)ゆさ」

津軽弁

訳:「(あなたは)どこに行くの?」「(私は)銭湯(お風呂・温泉)に行きます。」

津軽弁では長い文章を短く表現するという東北方言の特徴が顕著に出ています。「あなた」は「な」、「わたし」は「わ」と代名詞も一文字で表現されています。

「どさ」は「どごさ行ぐの(どこに行くの)」の省略形、「ゆさ」は「湯さ行ぐどご(温泉に行くところです)」の省略形となります。ということで、「などさ」「わゆさ」は省略に省略を重ね、とても洗練された津軽弁の表現なのです。

「めじゃ~」 「んだんず、もっとけ!」

津軽弁

訳:「美味しい~」「そうでしょ、もっと食べて!」

津軽弁には一文字の表現が多くあります。今回出てきた「め」は「美味しい」の意味。そして「け」は「食べて」という意味になります。ちなみに「け」に関してはイントネーションの違いで意味が複数あるのもポイント。「け↓」=「ちょうだい」、「け!」=「食べて」「食え」、「け~↑」=「かゆい」となります。

また、「んだ」は「そうだ」という肯定の意味を持っているのですが、語尾によって意味が変わります。「んだんず」=「そうでしょ」、「んだはんで」=「だから」、「んだばって」=「だけど」というニュアンスです。標準語では使われない特徴的な語尾を使うのも津軽弁ならではです。

津軽の人の普段の会話はこんな感じ!日常会話編

せばだばまいねびょん

津軽弁

訳:それじゃぁダメだよね

「せばだば」は「それじゃあ」という意味で、津軽弁のいろんなシーンで使われる言葉です。例えば「せばだば、○○に行こう」というようにも使います。「まいね」は「ダメ」という意味で、「びょん」は「だよね」という意味です。言葉に濁点が多いのも津軽弁の特徴です。

そったに携帯ちょしてなにおもしれんだば

津軽弁

訳:そんなに携帯いじって何が面白いの

こちらはお母さんが携帯をずっと触っている子どもに言う、日常でよくありそうなフレーズです。津軽弁では「ちょす」が「触る」、「いじる」という意味となります。「それちょせばまね」だと「それを触ったらダメよ」というような意味になります。

かちゃくちゃねぇ!

津軽弁

訳:イライラする~!

津軽の人が「かちゃくちゃねぇ!」とつぶやいていたらイライラしている時です。「かちゃくちゃ」は「散らかっている」という意味で、「かちゃくちゃない」、「かちゃくちゃねぇ」は、頭の中がごちゃごちゃする、散らかっているというところから転じて「イライラする」というニュアンスの言葉になります。

ちなみに、部屋が散らかっている時に「なんぼかちゃくちゃね(すごく散らかっているね)」という風にも使います。

すぱねあがるはんできをつけながぁ

津軽弁

訳:泥が跳ねるから気を付けなよ

津軽弁では「すぱね」は「泥」の意味で、「すぱねあがる」で「泥がはねる」という意味になります。雪がたくさん積もる寒い地域ではよくあることですが、雪解けの水などで道がぬかるんでいたり、水溜まりになっていたりすることがあります。泥はねは身近なアクシデントなので、もちろん注意喚起の会話はよくなされます。このように声をかけてもらったら、足元に注意するようにしましょう。

津軽弁での旅行シーンを再現したら…旅行会話編

なんぼこのゆあずましいなぁ

津軽弁

訳:なんてこの温泉は気持ちいいのでしょう(気持ちいい湯だなぁ)

「あずましい」は「心地いい」、「居心地がいい」、「安心する」といった意味があります。まさに、温泉につかってほっこりした時にぴったりの言葉です。この「あずましい」は、津軽だけでなく青森や東北の他の地域、北海道でも使われることもあるようです。

「なんぼ」は関西地域で「いくら」など価格を聞く時に使われたりもしますが、津軽でも同じように「これなんぼ?(これはいくら?)」というように使うほか、「なんて」、「なんと」のように気持ちを強調する表現としても使われます。

めやぐだばって、きみ、どこさある?

津軽弁

訳:すみません、トウモロコシはどこにありますか?

「めやぐ」は「ごめんなさい」や、「すみません」のニュアンスの言葉です。そして「きみ」は「君」ではなく「トウモロコシ」の意味。発音はどちらかというと「き」と「く」の中間の音で「くみ」や「けみ」と聞こえるかもしれません。

買い物をする時に店員さんにたずねるシーンは、旅行でもよくあります。これを覚えておけば津軽への旅行の際も役立つのではないでしょうか?

これで、わどなは、けやぐだね!

津軽弁

訳:これで、私とあなたは、友達だね!

「けやぐ」は「友達」という意味で、「けやぐから電話あたよ(友達から電話があったよ)」というようによく使われる言葉です。旅先で現地の人と意気投合して友達に…なんてこともあるかもしれません。そんな時に「いっつがけやぐだね!(もう友達だね)」と言ってみてはどうでしょうか。

ちなみに、特に初対面の人に、いきなり「な」や「おめ」と言うのは「おまえ」と近い意味になるので、失礼です。親しくなってから「な」や「おめ」を使って距離を縮めてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?今回は「津軽弁の日」にちなんで、よく使われる言葉や旅行シーンでの会話など、いろんな津軽弁のフレーズをご紹介しました。実際に発音を聞くと、文字で見るのとはまた違った趣があるので、機会があれば本場の津軽弁を聞いてみてくださいね。

※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、感染拡大防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。

鳥井 晴風  鳥井 晴風

5人の子どもを持つママ編集ライター。 子供に大好きな漫画の主人公の名前を付けてしまうほど漫画アニメ好き。キャラ弁やキャラケーキづくりが得意。好きなお出かけ先は道の駅や直売所など食材が豊富なところ。 自分で収穫する味覚狩りや芋ほりも大好き。

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