2月はまだまだ寒い時期ですが、そんな中でも可憐に咲く花を見かけることがありますよね。2月に咲く花にはどんな種類があるのでしょうか。
今回は、花絶景スポットや植物園巡りが趣味のライター鳥井が、2月に見られる花の種類や見頃、よく見られる場所、花言葉などについて紹介していきます。
※この記事は2021年10月28日時点での情報です。
梅(ウメ)
古くから日本の早春を代表する香りのよい花木

●花のデータ
見頃/2~3月
よく見られる場所/庭木、梅園
花言葉/上品な美しさ、高潔、忠実、気品(白)、艶やか(紅) など
バラ科、サクラ属の木で、早春に葉に先立って2~3㎝の花をつけます。「万葉集」では100首を超える歌で詠まれているほど、日本で昔から愛されている木です。300以上の品種があり、赤やピンク、白など様々な色合いの花を咲かせます。
花を愛でて楽しむ「花梅」以外に、果樹として良質の実をつける「実梅」もあり、目的によって栽培方法は異なります。小さな花からはほのかに良い香りがするのも特徴です。
蝋梅(ロウバイ)
まるでロウ細工のような半透明の美しい花

●花のデータ
見頃/12~2月
よく見られる場所/庭木、公園
花言葉/先見、奥ゆかしさ、慈しみ など
別名カラウメ(唐梅)とも言われる中国原産の低木で、黄色く小さい花を咲かせます。他の草木に先駆けて咲くことや、淡い黄色の花をうつむき加減に咲かせることから、「先見」や「奥ゆかしさ」といった花言葉を持っているのだとか。
和名の「蝋梅」は、半透明でロウ細工のような花びらと、ウメに似た形と香りの花を咲かせることに由来しているそうです。ぜひその繊細な花びらの美しさを近くで見てみてください。
椿(ツバキ)
光沢ある緑の葉と美しい花、日本を代表する花のひとつ

●花のデータ
見頃/10~3月
よく見られる場所/庭木、鉢植え
花言葉/女性らしさ、控えめな素晴らしさ、気取らない魅力(赤)、理想の愛(白) など
ツバキ科の常緑木で、光沢のある濃い緑色の葉を持っています。常緑の葉と紅白の花は、邪気を祓うといわれ、古くから愛されてきた日本を代表する花でもあります。
日本に自生しているツバキの仲間はヤブツバキ、ユキツバキ、サザンカ、ヒメサザンカの4種に分けられており、花の形や色は多種多様ですが、ツバキの花は散る際花が丸ごと落ちるのに対し、サザンカの花は花弁がバラバラになって散っていくという特徴があります。
福寿草(フクジュソウ)
早春を飾る縁起のいい黄金色の花

●花のデータ
見頃/2~4月
よく見られる場所/山野、庭、鉢植え
花言葉/幸福、祝福、幸せを招く など
キンポウゲ科の多年草で、早春に黄金色の花を咲かせる縁起のいい花です。年の瀬になるとスーパーなどでも見かけるようになり、同じく縁起の良い「南天」と一緒に飾られたりもします。
花が咲き始めるころは花と茎だけで、花が終わるころになると細かい切れ込みが多く入った緑の葉が展開するという特徴があります。花は一重咲きから八重咲き、花びらの先端に多数の切れ込みが入るもの、花の中から花が咲く三段咲きなど変化に富んでいます。
水仙(スイセン)
世界各地で栽培され、その品種は1万種以上!

●花のデータ
見頃/12~4月
よく見られる場所/園芸、野生種も
花言葉/私の美貌、自己愛、神秘(白)、私のもとへ帰って(黄) など
ヒガンバナ科の多年草で、花弁の中心につくラッパ状の副冠が特徴です。早いものは12月から花を咲かせ、冬の花壇に欠かせない花となっています。世界各地で栽培されており、改良品種は1万を超えると言われています。
写真は古くから日本で親しまれてきたニホンズイセンです。見た目の愛らしさと香りに魅了されますが、花全体に毒があるので口にしないように注意しましょう。
菜の花(ナノハナ)
黄色い花畑は日本の春の風物詩

●花のデータ
見頃/2~5月
よく見られる場所/道端、畑など、また各所で菜の花祭りが開催される
花言葉/豊かさ、豊かな財力、快活など
菜の花とは、アブラナ科アブラナ属の花の総称のことで、菜の花という品種はありません。若い葉の時期は「青菜」、花をつけている時は「菜の花」、種ができた時は「菜種」と呼ばれます。
春になると蕾と若い葉がついた花茎部分が食用としてスーパーなどで出回ります。独特のほろ苦さがある春の味覚として、観賞用だけでなく食用としても身近な花です。
シクラメン
凛とした佇まいはまさに冬の鉢花の女王

●花のデータ
見頃/10~4月
よく見られる場所/花壇、鉢植え
花言葉/遠慮、清純(白)、内気(ピンク)、嫉妬(赤) など
サクラ科の多年草で、赤、白、ピンクなどの定番色に加え、黄色や紫などの珍しい色のものや、八重咲きや花弁にウェーブが入る品種まで、次々と新品種が出ています。
反り返って上を向いた花びらがかがり火のように見えることから「篝火花」という別名もあります。「冬の鉢花の女王」とも言われており、冬の庭を彩る欠かせない存在です。
パンジー・ビオラ
顔のような模様がキュートな冬の花壇の定番

●花のデータ
見頃/2~5月
よく見られる場所/花壇、鉢植え
花言葉/物思い、私を思って、つつましい幸せ(黄)、思慮深い(紫) など
スミレ科の一年草で、耐寒性があり開花期が長いため、冬の庭をにぎわしている様子がよく見られます。大輪のものはパンジー、小輪種はビオラと呼ばれていましたが、現在は様々に改良された品種が登場し、区別できなくなっているのだそう。
赤や黄、橙、紫などの単色のものや中央に顔のような模様があるもの、蝶のように見えるものなど見た目は様々です。最近ではスイーツや食事の席を華やかに彩るエディブルフラワーとしても活用されています。
スノードロップ(マツユキソウ)
頭を垂れ下向きに咲く、可憐な雪の化身

●花のデータ
見頃/2~3月
よく見られる場所/鉢植え、花壇
花言葉/希望、慰め など
ヒガンバナ科の多年草で、まだ雪が解けやらぬ頃に白い花を咲かせる、春を告げる花です。日本ではマツユキソウ(待雪草)という名でも呼ばれています。スノードロップという名前は、天使が触れた雪の化身という伝説が由来となっているそうで、白い下向きの花を1輪咲かせる様子はその名の通りとても可憐です。
品種は多くあるそうですが、花の形や色はほとんど変わらず皆静かに下を向いて咲いているのだとか。
プリムラ
色や形のバリエーションが豊富な人気者

●花のデータ
見頃/12~3月
よく見られる場所/鉢植え、花壇
花言葉/青春の恋、青春の美しさ(オブコニカ)、気取らない愛(マラコイデス) など
プリムラの仲間は、500~600種あるとされており、その中で代表的なものは、プリムラ・オブコニカ、プリムラ・ポリアンサ、プリムラ・ジュリアン、プリムラ・マラコイデスの4種です。
オブコニカは丸く大きい花びら、ポリアンサは花色が豊富、ポリアンサから派生したジュリアンはポリアンサより株や花がコンパクト、マラコイデスは小輪の花をたくさんつけるなどそれぞれ特徴的。シックな色のものやバラのように華やかに咲くものなど、交配によりますますバリエーションが増えています。
クリスマスローズ(ヘレボルス)
冬でも緑の葉を湛え、冬の庭を彩る

●花のデータ
見頃/1~4月
よく見られる場所/鉢植え、花壇
花言葉/慰め、いたわり、私を忘れないで など
キンポウゲ科の多年草で、花の少ない冬から早春の時期に咲き庭を彩ります。日本ではヘレボルス属の花をまとめてクリスマスローズと呼んでいますが、本来はクリスマスの頃に開花する「ヘレボルス・ニゲル」という品種を指します。
かつては濁りのある落ち着いた色合いの花が多かったそうですが、品種改良が行われ、鮮やかな花色で整った形の花びらの観賞価値の高いものが増えています。白や紫、ピンクなどの他、緑の花を咲かせる品種もあります。
沈丁花(ジンチョウゲ)
香り高い花で惹きつける、公園などでおなじみの花木

●花のデータ
見頃/2~4月
よく見られる場所/庭木、公園
花言葉/栄光、不滅、永遠、実らぬ恋 など
ジンチョウゲ科の常緑の木で、春先になると小さな花が集まった毬のような形で枝先に咲きます。果実は有毒ですが、日本国内ではほとんどが雄株なので実ることはなく、そのため花言葉には「実らぬ恋」といった意味合いもあります。
公園樹や庭木としても親しまれており、香りが強くいため、冬に散歩しているとどこかの庭からふわっと香りが届くこともあります。
まとめ
2月に咲く花にはどんな種類があるのか、見頃、よく見られる場所、花言葉などについて紹介しました。花の少ない時期に庭をにぎわしてくれる、寒さに強い花たち。
春に先駆けて寒さに負けず咲いている花を見つけたら、ちょっと立ち止まって眺めてみてくださいね。
画像提供:写真AC
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鳥井 晴風
5人の子どもを持つママ編集ライター。 子供に大好きな漫画の主人公の名前を付けてしまうほど漫画アニメ好き。キャラ弁やキャラケーキづくりが得意。好きなお出かけ先は道の駅や直売所など食材が豊富なところ。 自分で収穫する味覚狩りや芋ほりも大好き。