「非常食」になる食品おすすめ8選
日常でも使えて、非常食にもなるものを伺いました。
1 果物

携帯しやすく、水や火を使わずにすぐ食べることができ、繊維・ビタミンや水分を摂取できる果物は、災害時の王様だと考えています。特に包丁を使わないみかんやバナナ、傷みにくいリンゴや梨、水分を多く含んだぶどうやスイカがおすすめです。
バナナはすぐに栄養補給することができます。バナナには食物繊維、ビタミンB群、カリウム、マグネシウムといった栄養素が豊富に含まれており、吸収も早いです。走行中のランナーがバナナを手に取る姿を一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。
また。リンゴや梨は腹持ちがよく、一個食べただけでも満腹感が得られます。
2 麺類

乾麺は食欲増進につながります。また、細めの麺類を選べば、茹で時間が短くて済むので重宝します。日常生活で食べる機会が多ければ、素麺の箱買いも有効ですね。
冷めても美味しい、冷製パスタ向きのパスタ麺を選ぶのも良いでしょう。乾燥パスタを容器に入れて数時間水に浸しておけば、火が使えない状況でも食べることができますよ。
3 缶詰やレトルト食品

缶詰は味も良く、日常生活でも手軽に食べられることがメリットです。また、レトルト食品も調理不要で色々な味を楽しめます。購入時には、長期保存できるものを選ぶようにしてください。
まずは本人や家族の好みに合い、食べやすいものを選ぶことが何よりも重要です。
4 野菜ジュース・スープ

麺類や缶詰があれば空腹を満たすことはできますが、それだけだと栄養が偏ることも。「ハッピー備蓄」のコンセプトに基づき、日頃から好きな野菜ジュースを購入していれば、ジュースでミネラルやビタミンを摂取して野菜不足を解消できます。
野菜ジュースに限らず、海藻や野菜が入った粉末のスープやレトルトの味噌汁を用意しておけば、野菜摂取だけでなく体の中から温められます。
5 シリアルやバランス栄養食

シリアルやバランス栄養食も栄養バランスを整える上で大切なアイテムです。シリアルは、手軽に摂れる栄養バランス食品で、牛乳がなくてもおやつのようにそのまま食べることができるので重宝します。
バランス栄養食や特定の栄養成分の補給のために利用される食品(栄養機能食品)は十分な調理ができない時でも手軽に栄養補給できる点が便利です。ただし、食料不足になる災害時に全て必要な栄養を摂れるとは限りません。
6 ソース

災害時には、食事に飽きない工夫も大切です。ソースひとつあれば、味に変化をつけることができます。特に、野菜がたくさん入ったタイプを選んでおけば、幅広い食材にマッチするでしょう。
また、ふりかけも食事に変化をつけるアイテムとしてあると便利です。
7 飲料水

機能性飲料には、ビタミンやミネラル、食物繊維などが多く含まれており、効率よく体に吸収させることができます。日常で運動する機会が多い方や、部活に励むお子さんがいる家庭であれば、日常生活で機能性飲料をストックしておきやすいのではないでしょうか。
また、お湯を沸かすことができる環境であることが前提ですが、災害で辛い時だからこそ、温かい飲み物でホッと一息つくことも大切です。カップ付きのコーヒーなどを備えておけば、容器がない場面でも簡単に作って飲むことができます。
8 比較的すぐに食べられる食材

保存方法として紹介したように、「冷蔵庫の中にすぐに食べられるものを欠かさない」ことを意識しておきましょう。納豆・豆腐・かまぼこ・ちくわ・漬物・チーズなど、世の中にはすぐに食べられるものがたくさん存在します。
料理は鍋料理

冷蔵庫で保管する食材は、災害で停電すると傷んでしまいます。そこで、調理が簡単で暖房効果も期待できる鍋料理がおすすめです。
たとえ水を用意していなくても、「4野菜ジュース・スープ」や「7飲料水」で鍋の調理用水にすることができます。自宅に豆乳があれば災害時に豆乳鍋を楽しむことも可能です。
鍋は果物以外のほとんどの食材を入れることができます。翌日カレー粉など別の調味料を加えたり、後から具材を足したりできるのも、鍋ならではの魅力です。
洗い物も少なくてすむので、断水時に助かりますよ。
お出かけ時に便利なアイテム

お出かけする際に便利な非常食は、「携帯しやすく」「栄養価が高い」ものです。例えば、ドライフルーツはビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでおり、栄養価も高いため災害時に欠かせません。
また、被災時にはストレスを抱えやすいため、リラックス効果が期待できる糖分を持ち歩くことも大切です。飴や金平糖、チョコレートは気持ちを落ち着かせ、元気が出ます。
食品以外では、滅菌ガーゼが便利なアイテムです。滅菌ガーゼがあれば、応急手当てだけでなく、水を含ませて歯を磨いたり、体を清潔に保ったりすることができます。
ちなみに、長野県の野沢菜漬け、京都の粕漬け、和歌山の梅干しなどの特産品の多くは、地産の食材を長い期間美味しく食べられるように保存の工夫をした地域の伝統的な食文化です。今後旅行を予定している方は、保存食の観点から特産物を購入してみると、また違った楽しみ方ができるでしょう。
まとめ
災害時に備えて非常食を選ぶ際には「あると嬉しいもの」「調理しやすいもの」「栄養が摂れるもの」といった3つのポイントに注目することが大切です。具体的に非常食になる食品として、果物や麺類、缶詰やレトルト食品などが挙げられます。
災害大国として知られる日本に住むからこそ、各自で非常食に対する意識を高めていかなければなりません。理想は、非常食を10日分備蓄しておくことです。
しかし、非常食選びに気負いすぎてしまうと備蓄が続けられず、肝心な災害時にストックを切らしてしまうおそれもあります。まずは、今回提案した「ハッピー備蓄」の概念で、自分が好きなものを多めに購入して日々消費していくことから始めてみてはいかがでしょうか。

国崎信江(くにざきのぶえ)
株式会社危機管理教育研究所代表/ 危機管理アドバイザー
横浜市生まれ。女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策を提唱している。
講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、内閣府「防災スペシャリスト養成企画検討会」委員、東京都「震災復興検討会議」委員などを務める。現在はNHKラジオ マイあさ!の「暮らしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。
著書に『巨大地震から子どもを守る50の方法』(ブロンズ新社)『マンション・地震に備えた暮らし方』(エイ出版社)『保育者のための防災ハンドブック』(ひかりのくに)などがある。
※この記事は2021年12月24日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
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じゃらん編集部
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