訪れた温泉は約500、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』という書籍も出版されている温泉オタクの永井千晴(ながち)さん。
この記事では永井さんがこれまでに訪れた温泉の中から、様々なおすすめスポットを紹介してもらいます。毎月、交通アクセスや泉質などの切り口で温泉情報をお伝えしますので、いつか行きたいスポットとしてぜひチェックしてみてください。
※この記事は2022年3月2日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
フォトジェニックな温泉街で、名湯に浸かりたい
フォトジェニック温泉街の代名詞、銀山温泉(山形)
圧巻の湯畑は、夏も冬も美しい。草津温泉(群馬)
映えるコンパクトな温泉街。有馬温泉(兵庫)
映えのポイントは「湯気」。全国に点在する湯気たつ温泉街
フォトジェニックな温泉街で、名湯に浸かりたい
旅行先を決めるポイントとして、「写真映えするかどうか」を重要視する人も多いはず。行き先で写真を撮り、 SNSにアップするのはもはや日常茶飯事。言葉にするのも野暮ったいくらい、いまはフォトジェニックであることが求められていると思います。
ひとりの温泉オタクとしては、フォトジェニックかどうかよりも、泉質や温泉の鮮度をより重要視したいところではありますが…。たしかに旅情あふれる温泉街は魅力的です。そして、わがままを言えば、そこに名湯が湧いていれば最高ではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、名湯が湧く、フォトジェニックな温泉街のある温泉地。有名どころばかりですが、ぜひチェックしてみてください。
フォトジェニック温泉街の代名詞、銀山温泉(山形)


写真映えする温泉街として度々バズる銀山温泉。Twitter、Instagram、TikTokでも、幾度となく話題になってきました。この街並を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
銀山温泉は、山形県尾花沢市の山間にある温泉地。山形空港から車を1時間ほど走らせたところにあります。冬期はかなり雪が積もるので、雪道の運転が慣れない人は公共交通機関で訪れるのが安心。ここは銀山という名の通り、銀のよくとれる延沢銀山が近くにありました。銀の採掘が減り、廃山になったあとは、湯治場として親しまれるようになったそうです。
大正末期から昭和初期に建てられた木造の旅館が川沿いに立ち並び、優しく灯るガス灯が足元を照らす、“大正ロマン”な雰囲気に包まれた温泉街です。


銀山の泉質は、「ナトリウム―塩化物・硫酸塩温泉」。ほんのり甘い硫黄のにおいが立つ、さっぱり熱めの温泉です。ぱりっと弾く浴感がさわやかで、塩分豊富なため湯上がりはぽかぽか。どんな季節にも合うすばらしい温泉です。
お目当ての温泉街だけではなく、この湯にもぜひ注目してもらえたらと思います。
圧巻の湯畑は、夏も冬も美しい。草津温泉(群馬)

関東屈指の名湯・草津温泉は、温泉街も荘厳でフォトジェニックです。
東京都心から草津温泉までは、車で3時間ほど。新宿・渋谷から出ている高速バスや電車などの公共交通機関でもたどり着けます。

日本三名泉のひとつに数えられる草津は、「恋の病以外なら何でも治す」と言われ親しまれてきました。国内でも珍しいとても強い酸性で、殺菌作用が強く、切り傷や動脈硬化症などに効果があるとされています。
硫黄の香る温泉街では、もうもうとあがる湯気が風情をつくります。中央に設えているのは「湯畑」。源泉が非常に熱いため、外気に触れさせ、冷ます目的で作られています。そのほか、湯の花を採るための仕掛けもされているのだとか。

夏はさわやかな日差しが湯畑を照らし、冬は湯気とのコントラストに癒やされ、夜はライトアップで幻想的な光景に…。いつ訪れても飽きることのない絶景が、草津にはあります。
映えるコンパクトな温泉街。有馬温泉(兵庫)

日本三名泉に挙げられており、日本最古の温泉とも言われる屈指の名湯・有馬温泉。大阪から車でわずか1時間でたどり着けるアクセスの良さも、魅力のひとつです。
コンパクトながら、その美しさに魅了される方も多いのではないでしょうか。湯気だつ温泉まんじゅうの売店や、かわいらしい民芸品のお店、赤ちょうちんの居酒屋など、旅情ある商店が立ち並んでいます。
温泉街にはもみじの木が植えられ、紅葉シーズンは特にフォトジェニック。足湯をしながら紅葉観賞もかなってしまいます。

川辺でゆっくり座りながら、買ったまんじゅうや炭酸せんべいなどを食べるのも、有馬ならでは。夏はジェラート、冬はコロッケなど、季節にあったおいしい食べ物に温泉街で巡り会えるのも楽しみです。

温泉オタク的には、有馬名物の赤茶色の温泉が、街の水路に流れている様子を見られるのもポイント高いです。成分豊富でパワフルな泉質なので、パイプもかなり変形・変色している様子。ここからもくもくと湯気がたっているのも素敵ですね。
映えのポイントは「湯気」。全国に点在する湯気たつ温泉街
個人的には、温泉街のフォトジェニックさを際立たせるのは、「湯気」だと考えています。それは、源泉そのものの温度による湯気だけでなく、温泉まんじゅうなどの食べ物による湯気も作用するもの。湯気はなかなか写真にきれいに写すことはできませんが、「なんだか雰囲気ある温泉街にきたな」と感じるポイントではないでしょうか。

温泉の湯気は、源泉温度が高くなければなかなか立ちません。逆を言えば、温度さえ高ければ、町の水路やマンホールからもうもうと湯気が立ち上ることもあるので、ぜひ「源泉温度が高い温泉かどうか」を気にしてみてください。もちろん、冬に訪れれば湯気も立ちやすくなるので、フォトジェニックを求める際には寒い時期に旅行をするのも手です。
まとめ
個人的におすすめな「湯気だつ温泉街」は、別府の鉄輪温泉(大分)や、杖立温泉(熊本)、熱海温泉(静岡)、小浜温泉(長崎)など。ぜひ源泉温度も気にしながら、フォトジェニックな旅先を決めてみてくださいね。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、お住まいやお出かけされる都道府県の要請をご確認の上、感染拡大防止に充分ご配慮いただくようお願いいたします。
永井千晴(ながち)
温泉オタクな会社員。訪れた温泉は約500。元じゃらん編集部員。 Twitterアカウント @onsen_nagachi