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2022.09.08

「金華さば」とは?読み方は?産地石巻のおすすめ店やお取り寄せも紹介<2022・宮城>

脂がのって、煮ても焼いても美味しい鯖は、日本人が昔から愛してやまない人気の魚です。大分の「関さば」、神奈川の「松輪さば」、青森の「八戸前沖さば」など、日本各地にあるブランド鯖の中でも、漁獲量が少なく、幻の魚ともいわれる「金華さば」。

「金華さば」とはどんな魚?美味しい時期はいつ?美味しい食べ方は?など、今回は「金華さば」について、石巻魚市場の専門家に教えてもらいました。産地である宮城県石巻市内で「金華さば」が食べられる店、買える店5店もあわせて紹介します。

東北旅行では、石巻に立ち寄って、絶品「金華さば」を味わいましょう。お取り寄せできるお店もあるので、旬の時期にお家で石巻の美味を堪能するのもおすすめですよ。

「金華さば」とはどんな魚?

(画像提供:PIXTA)
宮城県・石巻港に水揚げされる「金華さば」(画像提供:PIXTA)

「金華さば」とはどんな魚なのか、石巻魚市場の社長、佐々木茂樹さんに教えてもらいました。

『金華さばは、石巻市の沖にある金華山を名前の由来とするブランド魚です。石巻魚市場では例年、脂がのってくる11月上旬頃に、金華さばシーズン到来の宣言を出します。

宣言を出したあとに、青森県沖から茨城県の海域で漁獲し、石巻港に水揚げされたマサバのうち、大型で鮮度が良く、脂肪が目安として15%程度以上のものを金華さばと認証。取り扱う買受人には認証シールを配布しています。』

『シーズン中に水揚げされるマサバがすべて認証されるわけではなく、市場の目利きが大型で脂ののったものだけに与える称号が「金華さば」。その味わいは、脂が多く身の旨みが強いにもかかわらず、後味がすっきりしているのが特徴です。』

刺身・加工品などのパック表面に貼付する「金華さば認証シール」は通しナンバー付きで、ブランド基準に満たないマサバが流通しないよう厳重に管理されているそう。

例年、金華さばが食べられる期間は11月上旬〜2月頃までとのこと。シーズン中は、石巻市内の多くの店で鮮度抜群の「金華さば」料理が食べられます。

「金華さば」の美味しい食べ方は?

大型でたっぷり脂ののった「金華さば」の食べ方を佐々木さんに聞くと

『しめさば、さば寿司、塩焼きにさば味噌。一般的なさばの食べ方と同じですが、脂がのっているから、いつも食べているさばよりもずっと美味しいと感じていただけるはずです。』といいます。

『醤油を弾くほどの脂、噛むほどに口に広がる旨みは「金華さば」ならではのもの。冷凍品や加工品も鮮度のいい状態で処理するため、旬の美味しさが通年味わえる店もあります。』

ただし、一般的なさば同様、アニサキスがいる場合があるため、生食は避けたほうがいいとのことでした。

しめさば、さば寿司

(画像提供:本田水産)
「金華さば炙りしめ鯖」盛り付け例(画像提供:本田水産)

酢、砂糖、塩のみのシンプルな調味料でさばの美味しさを凝縮する「しめさば」。大型でたっぷりの脂を含んだ「金華さば」は、肉厚で、旨みが濃厚。噛むほどに爽やかな酸味と旨みが口に広がります。

昆布で旨みを加えたものや、表面をさっと炙って香ばしさをプラスした「炙りしめさば」も「しめさば」とまた違った味わいを楽しめます。

また、「しめさば」を酢飯にのせたものが「さば寿司」。一尾を丸ごと使った棒状の押し寿司が一般的です。

塩焼き・塩さば

(画像提供:島料理 友福丸)
金華鯖塩焼き(画像提供:島料理 友福丸)

「金華さば」の味わいをダイレクトに楽しむなら、2枚におろして塩を振って焼くだけの「塩焼き」がおすすめです。

焼いている途中で炎が上がるほどで、食べる前から脂ののりを実感できます。あらかじめ塩で下味をつけた「塩さば」は、塩加減の失敗なく、家庭でも手軽に味わうことができます。

さば味噌煮

(画像提供:PIXTA)
和食の定番「さばの味噌煮」一例(画像提供:PIXTA)

味噌のコクとしょうがの香りでごはんと相性抜群の「さばの味噌煮」。大型の「金華さば」なら、食べ応え十分なうえに脂の旨みも上品なので一段と美味しくいただけます。

「金華さば」は肉厚なので、家庭で調理する場合は切れ目をしっかり入れるのがポイントです。

美味しい「金華さば」を食べられる宮城県石巻市のおすすめ店5選

「金華さば」を味わうならぜひ現地で食べたいもの。塩さば、しめさばに加えて、さばラーメンなどユニークなメニューが味わえる店や、通年で旬と変わらない味を楽しめる店もあります。

じゃらん編集部がおすすめするお店をピックアップしました。取り寄せ可能な店もあるのでぜひチェックしてくださいね。

いしのまき元気いちば

(画像提供:いしのまき元気いちば)
金華サバ焼定食 1200円(画像提供:いしのまき元気いちば)

いしのまき元気いちばの2階にあるフードコート「元気食堂」で提供する「金華サバ焼定食」は、三陸沖で獲れた新鮮な脂ののった金華さばを厳選使用。 丹念にアクをとり、まろやかな「伊達の旨塩」も加え低温でふっくら干しあげた逸品です。

(画像提供:いしのまき元気いちば)
サバだしラーメン 600円、金華さばトッピング 200円(画像提供:いしのまき元気いちば)

「サバだしラーメン」は、石巻市飯野川地区の“サバだし文化”から生まれたご当地ラーメン。麵はちぢれ細麵で、あっさりとした塩味のスープと相性抜群です。どちらも通年で提供しています。

(画像提供:いしのまき元気いちば)
店舗外観(画像提供:いしのまき元気いちば)
(画像提供:いしのまき元気いちば)
(画像提供:いしのまき元気いちば)

旬の食材からお土産品など、石巻のご当地グルメが勢ぞろいするいしのまき元気いちば。1階の物販コーナーには、「金華さば」の加工品も揃っています。

2階140席のフードコート「元気食堂」には開放的なテラス席もあり、「金華さば」メニューのほか、石巻の新鮮なネタを盛り込んだ「金華山丼(3900円)」やテラスで厚切り牛タンなどの「焼き物(1人前2000円〜)」も味わえます。

[お取り寄せ]「オンラインショップ」にて購入可能 

■いしのまき元気いちば
0225-98-5539
宮城県石巻市中央2-11-11
物販コーナー9時~19時、フードコート「元気食堂」【月~木】11時~20時30分 【金・土・祝前日】11時〜21時30分 【日祝】11時〜21時 ※LOはいずれも閉店30分前
なし
【電車】JR石巻駅より徒歩12分【車】三陸自道石巻河南ICより10分
あり(市営かわまち立体駐車場利用、2時間無料、以降30分150円)
「いしのまき元気いちば」の詳細はこちら

島料理 友福丸

(画像提供:島料理 友福丸)
金華鯖塩焼き 990円(画像提供:島料理 友福丸)

「金華さば」のおすすめメニューは塩焼き。さばの脂を凝縮した、ふっくらとした焼き上がりが特徴です。

旬の時期に急速冷凍した「金華さば」を使っているため、一年中味わうことができます。

(画像提供:島料理 友福丸)
生うにぶっかけめし 3300円(時価)(画像提供:島料理 友福丸)

この店のもう一つの看板メニューは「生うにぶっかけめし」です。三陸以北の沿岸で採れ、高級ウニとして知られている天然清浄海水漬「キタムラサキウニ」を使用し、4月〜9月の漁期は生で、それ以外の時期も独自の無添加製法により-35℃で急速凍結後、-60℃の超低温で保存されたものを食べることができます。

“黄金花咲くうに”として、一年を通じ「うにごはん」や「うにぎり」などのメニューで味わうことができます。

(画像提供:島料理 友福丸)
北上川沿いの店舗外観(画像提供:島料理 友福丸)

1952(昭和27)年に旅館として開業、1984(昭和59)年に「島料理 友福丸」となり、石巻でうにを極めて60余年の魚介料理店です。2018(平成30)年いしのまき元気いちばの隣に移転オープンしました。

ゆったりした店内で、北上川の眺めを楽しむことができます。和食だけでなく、パスタやアヒージョなど旬の美味しい魚介料理を楽しむことができます。

[お取り寄せ]金華さばは不可

■島料理 友福丸
0225-22-2851
宮城県石巻市中央1-15-8
11時30分~15時、17時~21時30分(LO20時30分)
第3火
【電車】JR石巻駅より徒歩12分【車】三陸道石巻河南ICより10分
あり
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寿司割烹 竹乃浦(飛翔閣)

(画像提供:寿司割烹 竹乃浦(飛翔閣))
金華〆サバ 935円(画像提供:寿司割烹 竹乃浦(飛翔閣))

肉厚に切った「金華〆さば」は、酢を強くしすぎないことで、「金華さば」ならではの脂ののり、旨みが堪能できる人気メニューです。通年提供していますが、入荷がない日もあるので、訪問前に問い合わせるのがおすすめです。

(画像提供:寿司割烹 竹乃浦(飛翔閣))
金華丼 3300円(画像提供:寿司割烹 竹乃浦(飛翔閣))

「金華丼」は金華山沖で獲れる旬の魚介類を盛り合わせた豪華な丼で、石巻市地産地消推進店登録店で提供しています。

ここでは、仕入れによりネタが変わることがあるものの、マグロやウニ、イクラ、クジラなどを盛り合わせており、石巻の海の幸が満喫できます。

(画像提供:寿司割烹 竹乃浦(飛翔閣))
ブライダルホールも備えた店舗外観(画像提供:寿司割烹 竹乃浦(飛翔閣))

「寿司の街」石巻で、1988(昭和63)年、寿司割烹として創業。2名〜の個室や最大250名の大広間も備えた大型店です。

「地産地消」をテーマに作られている種類豊富なメニューは、着色料・保存料などの合成食品添加物を一切加えず、素材の持つ美味しさが味わえます。寿司や丼はもちろん、そばやステーキなど多種多様な料理があるので、大人も子ども好きなものを食べてくつろげるお店です。

[お取り寄せ]不可

■寿司割烹 竹乃浦(飛翔閣)
0225-95-2424
宮城県石巻市山下町1-19-6
11時~14時30分、16時30分~21時(LO20時30分)
例年1月1日
【電車】JR「石巻駅」より徒歩7分【車】三陸道石巻河南ICより10分
あり
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居酒屋 六文銭

(画像提供:居酒屋 六文銭)
金華さば塩焼き550円〜770円(画像提供:居酒屋 六文銭)
(画像提供:居酒屋 六文銭)
金華さば塩焼き めかぶのせ 550円〜770円(画像提供:居酒屋 六文銭)

「金華さば」を提供するのは旬の11月〜2月頃。定番の「金華さば塩焼き」のほか、メカブの千切りをのせた「金華さば塩焼きめかぶのせ」や「金華さば茶漬け(時価)」も人気です。

(画像提供:居酒屋 六文銭)
白木造りの店内(画像提供:居酒屋 六文銭)

1978(昭和53)年10月創業。石巻港で水揚げされた旬の魚介や季節の野菜を使い、素材のもち味を活かした料理に定評がある居酒屋です。

一品料理からコースまで豊富な品揃えで、カウンターでのひとり飲みも、2階座敷でのゆったり飲みも楽しめます。地酒をはじめ、焼酎、ワインなどお酒の種類も多彩です。

[お取り寄せ]不可

■居酒屋 六文銭
0225-93-3100
宮城県石巻市立町2-3-10
17時~22時(LO21時)
日祝
【電車】JR石巻駅より徒歩5分
なし 
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本田水産(本社工場)【販売のみ】

(画像提供:本田水産)
金華さば生ハム燻製(特大1080円)(画像提供:本田水産)
(画像提供:本田水産)
金華さば生ハム燻製盛り付け例(画像提供:本田水産)

「金華さば生ハム燻製」は「金華さば」の旨みを際立たせるよう、塩のみで味付けし、国産の桜チップで冷燻製しています。魚の身に熱を入れないため、まるで生ハムのようなしっとりした仕上がりで、燻製の芳香が食欲をそそる逸品です。

(画像提供:本田水産)
金華さば炙りしめ鯖・特大(1080円)(画像提供:本田水産)
(画像提供:本田水産)
金華さば炙りしめ鯖・特大の盛り付け例(画像提供:本田水産)

「金華さば炙りしめ鯖」は、「金華さば」本来の美味しさとトロリとした食感が味わえるよう、合わせ酢と塩の使用方法を工夫。炙ることで「金華さば」の香ばしさと旨みを引き出し、ご飯のおともはもちろん、酒やビールなどお酒にあうつまみとしても絶品です。

(画像提供:本田水産)
金華さば漬け丼(70g×2食入り980円)(画像提供:本田水産)
(画像提供:本田水産)
金華さば漬け丼盛り付け例(画像提供:本田水産)

「金華さば漬け丼」は脂ののった「金華さば」をスライスし、醤油ベースの特製タレに漬け込んでいます。解凍してご飯にのせるだけで金華さば丼ができあがるという手軽さのため人気です。

本田水産は1947(昭和22)年の創業以来、“石巻の美味しい海産物を全国に届けたい”と、金華さばをはじめ、牡蠣、わかめ、ホヤなどの加工品を製造。鮮度とおいしさにこだわり、多彩な商品を開発している水産会社です。「金華さば」の商品が石巻市近辺のスーパーや土産物店で購入できるほか、本社工場事務所でも通年で販売されています。
※イートインスペースはありません。

[お取り寄せ]オンラインショップにて購入可能

■本田水産(本社工場)
0225-24-2171
宮城県石巻市流留字五性橋9-45
9時~16時
土日祝
【電車】JR渡波駅より徒歩10分【車】三陸道石巻河南ICより25分
あり
「本田水産(本社工場)」の詳細はこちら

まとめ

口に運べば美味しさと脂があふれ出す「金華さば」。“鯖”と聞くといつでも食べられて、リーズナブル、身近な印象ですが、石巻漁港の目利きに認証された「金華さば」は別格のようです。旬を迎える11月には、ぜひ現地で味わいたいもの。

待ちきれないなら、お取り寄せで自宅にいながら旅行気分を楽しむこともできます。一度味わったら、鯖への印象がガラッと変わること間違いなしですよ。

※この記事は2022年8月18日時点での情報です。休業日や営業時間など掲載情報は変更の可能性があります。日々状況が変化しておりますので、事前に各施設・店舗へ最新の情報をお問い合わせください。
※掲載されている情報や写真については最新の情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認の上、ご利用ください
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中林 貴美子  中林 貴美子

旅のライター歴=じゃらんライター歴20余年。2人の子どもを育てつつ、西へ東へ取材行脚の日々。観光地と観光地のはざまにあるのどかな里山風景やそこで暮らす地元の人との触れあいが好き。食いしん坊が幸いしてご当地グルメや道の駅グルメ関連も多数。