やんまあさんの滋賀県の旅行記

◆滋賀湖北A◆向源寺vs石道寺の十一面観音見比べと33年に一度の御開帳!東林寺!!
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■感想■史上最高の傑作と呼ぶ人も多い『向源寺』の十一面観音は圧巻でした。室生寺、聖林寺、法華寺など国宝・重文の十一面観音を多く見ていますが、ちょっと格が違う気がします。石道寺、戸岩寺の十一面もよかったです。この地域は白山信仰の影響か十一面観音が多く地元の方の愛されている仏たちが多いです。◆今回の旅◆奈良時代以降、己高閣を中心に仏教文化が栄え、今でも地元の方に守られている『観音の里』の木之本、余呉中心を巡ります。今回のメインはは33年に一度の秘仏公開の「聖観音@重文」の御開帳!!三六戸の家で持ち回りで仏像をお世話している。東京にて開催された「観音の里の祈りとくらし展U」で出陳された観音様たちを拝観しに行きます。ここらあたりの地域は、信長の叡山焼き討ちや戦国時代のあまたの戦乱から守られ、明治時代の神仏分離令と廃仏毀釈を乗り越えた、村人たちによって守られた仏たちである。
神社ツウ やんまあさん 男性 / 40代
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- 1日目2016年9月25日(日)
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奈良、京都の山里の寺の雰囲気があります。この地は高時川に沿って渓谷を走り地図上は北上すれば福井の方に抜けるが、ダム建設中のためその大半が通行不能区間であり、ある意味滋賀の一番奥地とも言える。
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今回の最大の目的である東林寺はここが管理している寺です。本日は33年に一度の御開帳で10時から法要、11時から御開帳のため待ち時間にこちらに寄りました。なかなかよい雰囲気でこの山奥にしてはしっかりした寺です。本堂内には、釈迦三尊、大日如来、開山の如仲禅師などが安置され、昔は「永平寺への通り道・禅道場」として栄えたらしい。
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東林寺・六所神社
右側が六所神社で左側が洞壽院管理で村人が大事に大事に世話をし守り続けた東林寺です。右側の道路は通行止めになっており、これ以上は進めないようになっています。しかし、この山奥に多くの人が来るもんだと思いつつ鳥居をくぐります。
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六所神社
一の鳥居をくぐると、さっそく依代を目にしました。このあと拝殿から鳥居を見返すと、奈良県の高天原神社のアプローチを思い出しました。鬱蒼とした木々に囲まれてはいませんが、大木が参道の両側を一直線に並んでいます。
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六所神社
左が拝殿右が本殿です。豪雪地のため、隠されています。真ん中が今回の一番の目的「東林寺」で、法要が行われています。
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洞壽院(東林寺)
六所神社隣にあり、本尊は秘仏「聖観音立像@重文」で平成28年9月25日に33年ぶりに御開帳!!と言いたいですが中開帳があったらしく14年ぶりのご開帳。墨書銘より、鎌倉時代(建保4年(1216))の作で、平安時代末期の作風を引き継いでいる。◆住所:滋賀県長浜市余呉町菅並
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洞壽院(東林寺)
法要終了し、ようやく秘仏「聖観音@重文」の御開帳です。一時間に1本ぐらいのバスしかなく開始直前にこの日2本目のバスが来たらしく、後ろを見たら人が増えている。東京から来た人もいるようで、湖北の観音様は東京の美術館で観たが、現地で見たかったので来たらしい。その胸にはツアーで渡されるツアー札があった。後ほど、痛い目に合うことに。。。。
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洞壽院(東林寺)
御開帳です。最初は村の方々が参拝し、仏像好きが次々に仏像の前へ行きます。正直、見にくいし暗い。。が、そこは仏像好きが集まっているだけあって、ペンライトが助けてくれます。ただ、純粋に祈りを捧げている方もちらほらいたので、正面は気を遣って空いていた感じです。
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洞壽院(東林寺)
左から顔を撮らせていただきました。愛らしい顔です。本尊は秘仏「聖観音立像」で重要文化財!!ノミの跡が残っており、東京出張でも好評だったようです。
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洞壽院(東林寺)
脇寺に守られており!?上手く撮れません。。この仏像は墨書銘により、鎌倉時代、建保4年(1216)の作で、平安時代末期の作風を引き継ぎながら、地元仏師によりこの地域なりの解釈が織り交ぜられたものと考えられています。
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源昌寺
本尊「薬師如来立像@重文」のほかに阿弥陀如来坐像、 薬師如来坐像@重文、見返り文殊菩薩立像など安置している。寺ではなく民家にしか見えなかった。。この源昌寺には廃寺になったり維持管理が難しくなり、ここに預けられた仏像が多く安置されている。珍しいものとして、小ぶりではあるが獅子に乗った「見返りの文殊菩薩立像」が須弥壇の小さな厨子の中に安置され、見返り系がここにいるとは。。。
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丹生神社上社。祭神「彌都波能賣命(罔象女神)」、「丹生都比賣」で、奈良・和歌山の山奥に乱立する丹生神社だが、ここは丹生と言いつつ鳥居が神明系。応神天皇の皇子と繋がりがある一族が関係しており、そのため、天神を示す神明系なのかなと勝手に思いました。
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丹生神社下社。神仏習合の名残があり、鐘が残っている。御祭神は「タカオカミ」、「 丹生都姫命」で、例祭には丹保高山から赤土(丹生)を採り、高取川の清水を汲んで、八十瓮に盛って神前に献じて赤土と清水を混ぜ、氏子の額に印を付けて無病息災を祈る習わしがある。
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昼食を食べに行きましたが、東林寺で見た観光バスがおり、嫌な予感が。。。。案の定、貸切です。痛恨の時間ロス!!!以降の予定変更を余儀なくされる・・・。
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昼食予定の「ウッディパル余呉」が団体客向けに貸切になっていたので、ここで、昼食を取りました。余呉湖は季節によっては綺麗なんだろうなと思いつつ、ゆっくりする暇はなく、昼食を急いで食べた。
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時間がなかったため、今回はキャンセルです・・・。余呉湖に残る伝説の天女が産んだ子といわれる菅原道真が、京に上る11才まで勉学に励んだと伝えられている。山門の前には道真が植えたという樹齢1000余年、高さ約15mのケヤキの大木がそびえている。丹後半島の羽衣伝説があるのが気になります。
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予想通りと言うか。。予定していた昼食場所を占拠した!?団体客が入っていました。寺の人に待ってくださいとのこと・・。横に旧戸岩寺と神社があったので、そちらを先に行きました。ひとまず、大日堂に行くと、丈六に近いサイズの阿弥陀と大日如来がいます。
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時代は室町・江戸ですがチーム薬師(薬師如来+日光・月光菩薩+12神将)勢ぞろいです。本来の本尊などは、収蔵庫でのお楽しみです。後ほどわかりますが、ここらあたりの仏像を収蔵庫に安置した理由の一つに盗難があり、氏子が力を結集し、自ら作ったそうです。頭が下がります。おかげで未来に日本の宝が受け継がれます。
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戸岩寺横に神社らしきものが見えます。やはり山奥は神仏習合が残っています。今では神社と寺は別々とされますが、日本の歴史は神社と寺は一緒の期間の方が長いんですよね。なにか行かずにはいられない空気があります。
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白山信仰の影響が強いこの地域なので、ククリヒメ(白山比メ大神)、イザナギ、イザナミあたりかなと思いましたが、スサノオとタケノウチノスクネの子を祀っている。タケノウチスクネ=蘇我氏ならば、ここには蘇我氏が関係している??
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本殿です。後ほどわかりますが、世代閣(戸岩寺収蔵庫)の入口左上に小さな仏像が安置されていますがその中に2体の神像がありました。たぶん、ここの神社の神像なのだなと思い、聞こうと思ったが、他の人は次に行きたがっていたので、今回は聞くのをやめました。
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薬師如来立像@重文、魚籃観音立像、地蔵菩薩立像などが安置され、神像が公開されています。浅井氏の書などもあり、歴史に精通している人も楽しめるかと。下半身がどっしりした薬師如来は金箔が残り衣文が綺麗だったんだろうと感じた。チーム薬師になっており見ごたえあり。ちなみに、魚籃観音立像は後世に改造され、元々十一面観音という噂もある。説明はなかったが、地元の方は魚籃さんと親しく呼ばれているとのことなので、これはこれでよいと思う。そういえば「魚籃観音立像」って初見仏な気がします。
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雰囲気が法華寺の国宝十一面観音だなと思いました、ここの十一面観音も右足の親指が上がり腰をくねって、歩き出すところを表現している。注目は七体薬師如来立像で、七体勢ぞろいは千葉とここの2カ所しかなく、すべて立像なのはここだけです。保存状態もよく、すべて一木!!。一木造りの場合、木の芯は天候で伸び縮みするため、芯より外側の部分で作成するらしく、大きな仏像は相当な大きさが必要で、政治的・金銭的なものがないと大きな一木の仏像は作るのが難しいことはわかった。ここは説明があるので勉強になります。最後に七体薬師如来立像の注目は真ん中と右から三番目の顔です。なんか微笑んでいます。妻も私もアイコンタクトで、「何この表情(笑)」と見入っていました。ただ、今思うと、病に不安な気持ちを和らげようと「大丈夫」と表現しているのかもしれません。話は変わり、石田三成と所縁があります。山間に「法華寺」があり、豊臣秀吉と石田三成出会った場所で、秀吉に三成がお茶を作るのですが、熱さが違う3種類のお茶を用意し、秀吉はこの子は違うと見極め、下につけたらしい。また、関ケ原の戦いで負けた三成を地域の人がかくまった場所が近くにあります。
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細い道を車で走り、駐車場到着。団体客のバスはないですが、お経が聞こえます。。嫌な予感が。。。待ち状態発生か・・・。と言ってもしょうがないので参拝です。なかなかのよいアプローチです。ここから階段に登り本堂です。クマに注意です!?
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あら、近所の方がお経を読んでいます。拝観窓口に行ったところ、拝観は今はできないため、終わるまで待つしかなく、時間はかかりますとのこと。外からなら無料で見ていただいて結構とのこと。時間が押し気味なので、邪魔にならないところからオペラグラスで凝視しました。井上靖氏曰く、村の娘さんのお姿で現れたと表現する通り、朱色の唇が目立ち、己高閣(鶏足寺収蔵庫)の十一面観音より好きな十一面です。ここも法華寺系の十一面に感じました。近くで見れませんでしたが、外からこれだけオープンに見れたのでこれはこれでよかったなと。ただ、視線を感じオペラグラスを外すと、おじいちゃんが私を凝視していました。わしの孫を盗撮するなという表情に感じました。許可を得ていると心の中でつぶやきつつ、今度は事前に電話して、じっくり見られるときに来ようと思いました。
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近くに神前神社(かみさき)があります。この急な階段が気になり、車に妻を残して参拝しました。延喜式神名帳の近江国伊香郡の神前神社に比定され、祭神は須佐之男命、許勢小柄宿祢命で己高閣世代閣にある社と同じである。この地域に蘇我氏の影がチラホラ見えるのが気になります。
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仏像の本を数冊買うと必ず、ここの国宝「十一面観音」は目にするだろう。プロの写真家は仏像の良さを極限に引き出すため、たまに実際に拝観したときに期待を裏切られる場合があるが、どの写真よりも生には勝てない仏がある。代表格は京都醍醐寺の三宝院「弥勒菩薩@快慶作」だが、ここもどの写真よりも生がすばらしい!!空気感と佇まい、そして西洋色の顔、腰のくねり具合などパーフェクトに感じる。
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奈良県の秋篠寺「伎芸天@重文」、京都の願徳寺「如意輪観音菩薩半跏像@国宝」の顔が好きな人はここは必須であろう。ちなみに胎蔵界式大日如来も安置されている。境内は参道が長く、本堂も大きく落ち着きのある寺。皇室も度々来ているだけはある。
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渡岸寺観音堂(向源寺)近くにあり、車はここの駐車場に置きます。渡岸寺観音堂(向源寺)の拝観券で割引が聞きますので、ここは後にするのがよいでしょう。釈迦が解脱する前の苦行の姿の仏があるが、これは大阪の骨董屋から買ったらしく、江戸時代のものである。お目が高い人がいるもんだ。
◆滋賀湖北A◆向源寺vs石道寺の十一面観音見比べと33年に一度の御開帳!東林寺!!
1日目の旅ルート
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