さとけんさんの静岡県の旅行記

旧東海道を歩く。蒲原宿から金谷宿。一日目は蒲原宿から府中宿(静岡駅)まで。全四部作中その3
- 1日目2017年2月26日(日)
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時刻は10時20分、国道1号線沿い、興津中町東交差点手前を歩いています。
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しばらく歩いて、ここは国道1号線「興津中町」交差点です。
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興津中町交差点を過ぎて150mほど歩くと、この石柱。宗像神社ですが、なぜ「女体の森」なのか?
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好奇心にかられて寄り道であります。静岡市清水区興津中町付近の宗像神社にて
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なになに、ふむふむ、「当社は興津川の西にあり女体の森といって舟人たちの灯台かわりとされていた」とありますが、なぜ女体の森と言われていたのかは結局わからずじまい。興津の宗像神社にて。
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宗像神社へお参りであります。興津にて。
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結局、なぜ女体の森なのかは判らなかったのでありますが、今、この旅行記を書いていて調べましたところ、宮司さんにお話を伺ったという女性のネット記事に行きつきましてようやく判りました。祀られている神様が、「興津島比売命・狭依姫命・多岐津比売命」という女神三柱でありまして、三柱の女神(女体)の森とのことであります。興津の宗像神社にて。
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時刻は10時32分、国道1号線に復帰、旧東海道筋を歩きます。正面の信号は興津駅前の交差点です。
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興津駅前の交差点を通過です。
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これが興津宿です。駅前を通過したところ。
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興津宿の案内板です。
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興津宿東本陣跡の石碑です。
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そして時刻は10時49分、清見寺に到着です。
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左を通るのが国道1号線・旧東海道筋、右手の階段を上って清見寺へお参りします。
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10時50分、清見寺の階段を上っていきます。
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階段の先には総門があります。清見寺にて。
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立派な扁額「東海名區」、清見寺にて。
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清見寺の参道にはJR東海道本線の線路が走っています。参道は線路を橋で渡ります。
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清見寺の山門が見えてきました。
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清見寺の参道を横切るJR東海道本線の線路を越えます。
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清見寺山門。1651年建築、釘を1本も使っていないとのこと。
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清見寺の仏殿とその前に咲く梅。仏殿は1842年の建築です。
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こちらは清見寺・大玄関です。1616年の寄進とのことで、この玄関の天井板は「清見関」の古材を利用した「血天井」と言われるものです。後で建物の中へ入り観ることになります。
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こちらは清見寺・大方丈前、臥龍梅です。「家康公来遊のみぎり、清見関の梅を取らせて接樹したるものと云われている」とのこと。400年経てなお、花を咲かせている梅です。
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清見寺の臥龍梅、残念ながら今年はまだ花が咲いておりません。
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清見寺庭園内にある高山樗牛文学碑。
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「うるわしきかな、山や水や、偽りなく、そねみなく、憎みなく、争いなし。人は生死のちまたに迷い、世は興亡のわだちを廻る、山や水やかわるところなきなり」変わるもの(自分の人生)とより変わり難いもの(山や海などの自然物)との時の流れ方の違いについて、共感するところあり、心に残る碑文でございます。
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こちらは清見寺庭園内の与謝野晶子の文学碑です。「龍臥して 法の教えをきくほどに 梅花開く身となりにけり」なるほど、この梅は家康公お手植え(接木)の梅、400年近く、清見寺の法話をききながら梅を咲かせてきたのですねー。
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こちらは清見寺の鐘楼。鐘楼は1863年の改築です。
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清見寺・鐘楼内の梵鐘は、1314年の鋳造です。豊臣秀吉公が1590年、陣中で使用したと伝わる梵鐘です。
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そしてこちらは清見寺の五百羅漢像。
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清見寺の五百羅漢像。江戸時代・天明年間(1781年〜1788年)の作で、作者不詳とのことですが、「形相ことごとく神異非凡の作である」との説明書き、まさにその通りの様相を呈しています。
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この場所は、島崎藤村の著作「桜の実の熟する時」の最後の場面に登場するとのこと。自分の目前を過ぎ去った印象深い人間を五百羅漢像の中に探すという行為に私は共感を覚え、高山樗牛氏も島村藤村氏も、実に巧い表現をされているのだなと感心しました。
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清見寺の五百羅漢像です。
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250年近く清見寺の境内にあって、どのような景色の移り変わりを見守ってきたのだろうかと、また、どのような人々がこの五百羅漢像をみつめてきたのであろうかと、そしてその人々はどこへ行ったのであろうかと、そんなことを考えておりました。
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清見寺境内より、空を見上げる。飛行機雲が一直線に延びています。
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清見寺境内。
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清見寺の境内には今日も穏やかな時間が流れています。
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清見寺の梅です。臥龍梅はまだ咲いていませんが、総門を入ったところすぐの梅は可憐に咲いておりました。
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清見寺の梅と仏堂。それでは清見寺のお堂の中へ入ってみましょう。拝観料は300円です。
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清見寺のお堂内には大方丈と鐘楼の間を通って、庫裡から入ります。誰もいらっしゃらない時は玄関で鐘を叩きます。
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清見寺のお堂内です。撮影は自由ですと嬉しいお言葉です。正面は大方丈、なにやら赤いですな。
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こちらが清見寺・大方丈内です。緋毛氈だけでなく、壁も赤みがかっています。
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清見寺・大方丈。まずお参りします。
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清見寺・大方丈。「永世孝享」の額です。琉球王子の筆とのこと。天井も柱も赤いですね。赤いですが、こちらは血天井ではありません。
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こちらは清見寺・大玄関の血天井の説明です。「正治二年正月、梶原景時の一族鎌倉を出奔し西國に赴く途中、当所清見関にさしかかり一戦を交ふ、この建物の一部は清見関の古材を使用すと云う。現に戦いの跡の血痕を天井板に留む」ということです。正治二年とは1200年ですね。
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清見寺・大玄関の血天井です。ちょっと判らないですが、戦いの跡を残しているとのこと。
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そしてこちらは清見寺堂内の拝観案内図。矢印に沿って拝観します。
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清見寺の庭園へやってきました。蒲原の駅から歩き始めて3時間半ほど、歩いて火照っていた身体も清見寺の拝観で落ち着いてまいりました。
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清見寺の庭園には、柔らかな風が吹いておりました。
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清見寺・家康公手習いの間です。
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清見寺・大方丈の裏、家康公手習いの間の案内書き。本堂は改築を経ているが、柱・欄干・床・違棚などは当時のものとのこと。
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こちらは清見寺庭園の案内図。
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清見寺の書院の畳に座り、庭園を眺めます。はるか遠くの工事の音が、かすかに響いてくるような、実に静かで穏やかな、日曜日の昼下がりです。
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清見寺の書院です。写真奥左手に上段八畳の間があります。
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清見寺・書院の上段・八畳の間。書院は比較的新しく、慶応三年に建築されました。慶応三年ですから、1867年だと思います。
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清見寺・書院の襖絵。龍が子供の龍をつれている点が珍しいと、お寺の方が説明してくださいました。
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清見寺書院の襖絵。左の襖に親龍の顔、そして太い身体が左の襖にのびていて、左の襖の親の身体に子龍が巻き付いています。
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清見寺・書院にて、襖絵の落款です。それにしても色彩が綺麗に残っていますね。
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清見寺・書院にて。こちらの部屋にも奥・右手に襖絵があります。
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清見寺・書院の襖絵。綺麗な青が残っています。
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清見寺・書院の襖絵です。
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清見寺・庫裡の玄関へ戻って参りました。
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そして、こちらの階段をあがると潮音閣です。清見寺・庫裡にて。
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清見寺・潮音閣の眺め。開放感のある前面ガラス張りの一間です。興津の海が一望できます。ここから観る海の景色も随分と変わったのではないでしょうか。
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清見寺・潮音閣から望む興津宿
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清見寺・潮音閣より望む清見寺境内。大方丈と鐘楼です。
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潮音閣から玄関へ降ります。清見寺にて。
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清見寺の玄関にも拝観順路の案内があります。
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時刻は11時52分。清見寺を辞します。
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線路を越えます。清見寺参道にて。
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清見寺の山門の階段を下り、旧東海道筋へ復帰であります。
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時刻は11時54分、清見寺まえより旧東海道江尻宿方面を望む。
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清見寺前に「高山樗牛假寓之處」(高山樗牛仮寓之処)の石碑がありました。
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高山樗牛は清見潟の景色をこよなく愛したと、清見寺前の石碑にあります。私にとっても清見寺は印象深いお寺でありました。
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清見寺から歩いてすぐのところに興津坐漁荘があります。西園寺公望の別邸です。大磯にも西園寺公望の別邸跡がありました。大磯の別邸跡は立ち入り禁止でしたが、興津の興津坐漁荘は見学することができます。
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時刻は11時57分。興津坐漁荘の外観です。もともとの興津坐漁荘は愛知の明治村へ移築されました。こちらは忠実に復元されて2004年から公開されています。
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興津坐漁荘にも立ち寄りたいのですが、清見寺で穏やかな時間を過ごしまして、スケジュールがおしてしまいまして、こちらには立ち寄りません。
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興津坐漁荘の案内図。
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興津坐漁荘の見学料は無料です。今日は残念ですが、またの機会を楽しみにしておきましょう。
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時刻は12時2分。東海道歩きを続けます。次は江尻宿です。この後は、「旧東海道を歩く。蒲原宿から金谷宿。一日目は蒲原宿から府中宿(静岡駅)まで。全四部作中その4」へ続きます。
- 2日目2017年2月27日(月)
旧東海道を歩く。蒲原宿から金谷宿。一日目は蒲原宿から府中宿(静岡駅)まで。全四部作中その3
1日目の旅ルート
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