さとけんさんの滋賀県の旅行記

旧東海道を歩く。桑名宿から京都三条大橋まで。二日目は亀山宿から水口駅まで。全四部作中その3
- 1日目2017年3月17日(金)
- 2日目2017年3月18日(土)
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時刻は10時31分。田村川を渡って田村神社の境内へ入ります。
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橋の下を田村川が流れています。けっこう高さのある橋です。旧東海道筋・土山宿の田村神社手前にて。
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田村川を渡ると田村神社の境内です。
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田村川にかかる橋の西詰にある案内板。1775年に橋が架けられたあと、東海道筋が田村神社の境内を通るルートに変更されたとのこと。
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田村神社の二の鳥居です。(写真奥に見える鳥居は三の鳥居)一の鳥居は国道1号線(撮影者の背後)に面して建っています。上の写真で説明すると、旧東海道は写真右手から延びてきて二の鳥居の前で参道に合流し、そのまま参道が旧東海道筋となって一の鳥居(撮影者の背後)へ抜けています。
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時刻は10時34分、田村神社にお参りしていきましょう。
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田村神社の三の鳥居の前です。旧東海道・土山宿にて。
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三の鳥居をくぐると広い境内が現れます。旧東海道・土山宿にて。
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玉砂利をギュッ、ギュッと踏みしめながら境内を歩くだけでも気分が良くなってきます。旧東海道・土山宿の田村神社にて。
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こちらが手水舎です。旧東海道・土山宿の田村神社にて。
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「手水のつかいかた」について、懐かしさを感じる絵を用いた説明板があります。何が懐かしいのか?そう考えてみると、私には姉が二人いるのですが、昔のお絵かきノート(ジャポニカ学習帳のような)などの裏表紙に、このような女の子の絵と、沢山の服の絵が書いてあって、それをハサミで切り取って、着せ替え遊びを(姉達が)していたのを思いだしましたですよ。旧東海道・土山宿の田村神社にて。
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田村神社のお参りです。拝殿まで参道が続いています。旧東海道・土山宿にて。
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鎮守の森も境内も、とても立派で雰囲気のある神社ですね。旧東海道・土山宿の田村神社にて。
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こちらは田村川の岸辺に向かう階段。田村川が御手洗場となっているのですね。旧東海道・土山宿にて。
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危ないので川には下りないように注意書きがあります。旧東海道・土山宿の田村神社にて。
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旧東海道・土山宿の田村神社の拝殿です。
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拝殿脇には立派な御神木が植わっています。旧東海道・土山宿の田村神社にて
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初詣などではさぞかし賑わうことでありましょう。旧東海道・土山宿の田村神社にて。
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お参りをして田村神社を辞します。旧東海道・土山宿にて。
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二の鳥居から一の鳥居まで延びる田村神社の参道・旧東海道筋。旧東海道・土山宿にて。
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田村神社の一の鳥居をくぐって出て、国道1号線に架かる歩道橋を渡ります。目の前に見えている施設が「道の駅 あいの土山」です。朝食兼昼食を摂っていきましょう。
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時刻は10時53分、「道の駅 あいの土山」の食堂です。食券を買ってカウンターに出します。ちょっとこの写真ではメニューが読み取れないと思いますが、メニューは豊富です。
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おお、いろいろおいしそうなものがあって目移りしてしまう。「道の駅 あいの土山」の食堂にて。
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「道の駅 あいの土山」の食堂にて。時間的に食堂のお客さんは疎らです。喉が渇いていたので水がおいしい。
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「道の駅 あいの土山」の食堂は、食券を買って、席に座って待ちます。食器を取りにいくのも返却するのもセルフです。館内は禁煙です。
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おお、お腹すいたなあ。こちらは肉ご飯セット・小そば付(650円)です。小ぶりの丼で蕎麦もご飯も食べられますね。歩いていると塩分が欲しくなるものですが、この蕎麦のとろろ昆布のつゆがうまかったですね。御馳走様でした。
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時刻は11時15分、しばしの休憩を終えて旧東海道筋へ復帰です。写真の撮影者の背後に国道1号線と田村神社があります。旧東海道筋は写真左手の道を道なりに右へ曲がって行きます。旧東海道・土山宿にて。
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結果から言いますと、土山宿の旧東海道は自動車の往来も少なく、街道筋を穏やかにブラブラすることができました。
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こちらは土山宿の案内板です。土山宿沿いの旧東海道はこの看板から2.3kmほど続いています。
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土山宿を歩いていると道標がありました。
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こちらは上島鬼貫の句碑と案内板です。旧東海道・土山宿にて。
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上島鬼貫の句碑。「吹け波ふけ 櫛を買いたり 秋乃風」やはり率直な感想や素直な作品というのは時代を超えて共感できるもののようです。「東の芭蕉・西の鬼貫」と称されるほどの方だとは案内板を読むまで知らなかったのですが、それに私が歩いたのは3月ですが、江戸時代の東海道に立つ鬼貫の身になって秋の風に吹かれているような、そんな想像をしたのでございます。旧東海道・土山宿にて。
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こちらは扇屋伝承文化館です。旧東海道・土山宿にて。
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時刻は11時28分、土山宿にある一里塚跡の案内板。
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一般のお宅に一里塚跡の案内板と石碑が建っています。旧東海道・土山宿にて。
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こちらは白川神社です。旧東海道・土山宿にて。
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時刻は11時37分、森鴎外に関する案内板が現れました。土山宿は森鴎外との関わりも深い土地です。旧東海道・土山宿にて。
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森鴎外と土山宿の関わりは、文久元年・1861年に鴎外の祖父・森白仙が本山宿・井筒屋にて客死したことから始まります。森鴎外は1862年生まれですので、この時はまだ生まれていません。旧東海道・土山宿の井筒屋跡にて。
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祖父が亡くなってから39年後の1900年・明治33年、森鴎外は陸軍軍医部長の立場でこの地へやってきます。写真は明治33年に森鴎外が宿泊した平野屋です。旧東海道・土山宿にて。
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森鴎外が1900年に土山宿・平野屋へ宿泊した際、1861年にここ土山宿で客死し埋葬された祖父の墓を見つけ出し、常明寺に改葬を依頼したとのこと。無事に先祖供養を成し遂げて、日記の記述には「寺を出づるころ おもひ天 全く晴る」と天気の客観的な描写をとどめていますが、気分もさぞかし晴れ晴れとしたに違いありません。
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土山宿本陣跡(堤家)の案内板が現れました。土山宿にはもともと二軒の本陣があったとのこと。土山家本陣と堤家(二階屋)本陣です。このうち堤家本陣は幕末の頃には衰微して、大黒屋という大旅籠が本陣の役目を引き継いだとあります。土山宿に本陣跡が三ヶ所あるのはこのためです。
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こちらは土山宿・二階屋本陣跡(堤家本陣跡)に建つ建物です。
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時刻は11時41分、土山宿の東海道伝馬館へやってきました。
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土山宿・東海道伝馬館は入場無料、休館日は月曜日・火曜日です。
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森鴎外の碑。明治33年(1900年)3月2日、朝6時に大阪から車で移動し9時に草津到着、草津から車で移動し10時に三雲に到着、三雲からは雨の中を人力車に乗って12時ごろに土山宿常明寺に到着ということです。3月初旬の雨は冷たかったかもしれませんね。その雨も「寺を出づるころ おもひ天 全く晴る」となったわけですね。
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土山宿・東海道伝馬館の敷地内へ入ったところ。なにやら人形が。
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こちらにも馬と人の人形です。車輪がついているところをみると引出される時もあるようですね。土山宿・東海道伝馬館にて。
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土山宿・東海道伝馬館の建物は、江戸時代後期に建てられた建物を改装したものです。建物の二階では見事な梁を間近に観ることが出来ます。
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土山宿・東海道伝馬館にて。館内の撮影を自由にしてくださって良いですと、とても嬉しい説明をいただきました。こちらは本山宿の江戸側の東海道筋が、田村神社の参道と重なっていることを示す模型です。
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そしてこれ、横が棚になって引出しが付いている階段で実際に上ることが出来ます。多くの建物で、この昔の階段を見かけることはあっても、実際に階段として上ることはなかなかできない体験です。土山宿・東海道伝馬館にて。
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それでは昔の階段を上って行きましょう。とても急ですから手すりを持って上がります。壊してしまわないように、丁寧に上がっていきました。土山宿・東海道伝馬館にて。
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建物の二階はふたつに分かれています。こちらは広い方の部屋、建物の見事な梁を間近に観ることができます。土山宿・東海道伝馬館にて。
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そしてこちらは狭い方の部屋です。興味ひかれる展示物を発見。各宿場の名物です。土山宿・東海道伝馬館にて。
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右から、品川宿・海苔、川崎宿・米まんじゅう、神奈川宿・亀甲せんべい、程ヶ谷宿・ごんだ餅。土山宿・東海道伝馬館にて。
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藤沢宿・松露羊羹、平塚宿・落花生、大磯宿・虎子まんじゅう。土山宿・東海道伝馬館にて。
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小田原宿・かまぼこ・梅干し・しそ巻梅干し、箱根宿・甘酒。土山宿・東海道伝馬館にて。
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吉原宿・白酒、油井宿・たまご餅、江尻宿・追分羊羹。土山宿・東海道伝馬館にて。
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府中宿・安倍川餅、丸子宿・とろろ汁、藤枝宿・染飯、島田宿・小まんじゅう。土山宿・東海道伝馬館にて。
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島田宿・小まんじゅう、金谷宿・子育て飴、日坂宿・蕨餅、掛川宿・振袖餅。土山宿・東海道伝馬館にて。
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土山宿・東海道伝馬館にて。見付宿・粟もち、白須賀宿・柏餅。写真は掲載していませんが、他に岡崎宿・八丁味噌、鳴海宿・有松絞り、宮宿・きよめ餅がありました。
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吉田宿・ちくわ、御油宿・甘酒、赤坂宿・とろろ汁。土山宿・東海道伝馬館にて。
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桑名宿・焼蛤、四日市宿・なが餅、石薬師宿・鰻蒲焼。土山宿・東海道伝馬館にて。
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庄野宿・焼米、追分・追分饅頭、亀山宿・亀の尾。土山宿・東海道伝馬館にて。
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関宿・関の戸、土山宿・蟹が坂飴・お茶。土山宿・東海道伝馬館にて。
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水口宿・干瓢、草津宿・姥が餅、大津・走井餅。土山宿・東海道伝馬館にて。名物は、ほとんどが食べ物ですね。
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二階の広い方の部屋へやってきました。こちらは江戸時代の旅装をして写真撮影をすることができます。この次の日に私は草津宿へ行くのですが、草津宿の交流館でもこのようなスペースがありました。土山宿・東海道伝馬館にて。
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こちらの建物は江戸時代後期に造られたということですが、立派な梁を使っています。土山宿・東海道伝馬館にて。
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二階は屋根裏部屋的なスペースですので、広い部屋も狭い部屋も天井が低いため、頭上は注意してください。土山宿・東海道伝馬館にて。
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土山宿・東海道伝馬館にて。旅籠とは食事付の宿屋のこと、木賃宿は自炊する宿屋とのこと、どちらにも泊まってみたいですねー。もし江戸の昔にポンと放り出されたら、基本的に灯りとにおい、これはかなり違うかもしれませんね。
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こちらの衣装の面々も、皆様のお越しをお待ちしております。土山宿・東海道伝馬館にて。
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江戸時代の調度品でしょうか。土山宿・東海道伝馬館にて。
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東海道伝馬館をおいとまします。ゆっくり見学出来てとても良かったです。時刻は12時4分。土山宿・東海道伝馬館にて。
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土山宿の旧東海道を歩いて行きます。
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時刻は12時7分、土山家本陣跡に到着です。江戸時代初期からの宿帳が現存しているとのこと。
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土山宿・土山家本陣跡です。
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土山宿・土山家本陣跡にて。連子格子が見事ですね。
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明治天皇が明治元年9月に、ここ土山宿・土山家本陣で満16歳の誕生日を迎えられたとのこと。その記念碑も建っています。
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さらに旧東海道筋を歩いて行きます。土山宿にて。
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時刻は12時15分、大黒屋本陣跡が現れました。土山宿・東海道伝馬館にて。
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大黒屋本陣の説明板です。この説明板には触れられていませんが、土山宿には、堤家本陣(二階屋本陣)と土山家本陣とこの大黒屋本陣があったのですね。
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土山宿の旧東海道筋を歩いて行くと、常明寺の案内板が出てきました。写真中央やや右寄りの案内板です。
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時刻は12時20分、常明寺に到着です。こちらは森鴎外と土山宿との関係を知る時に必ず出てくるお寺です。
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土山宿の常明寺にて。
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土山宿・東海道伝馬館にお参りしていきましょう。
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土山宿・常明寺の寺宝は、長屋王が写経したお経で、国宝に指定されているとのこと。長屋王というとかなりの昔の方ですね。
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森鴎外と常明寺との所縁についての説明板です。先ほど、井筒屋跡の説明板には文久元年(1861年)とありましたが、こちらには万延元年(1860年)となっています。文久元年(1861年)か万延元年(1860年)なのかは判別できませんが、こちらの案内板が平成17年、井筒屋跡の説明板は平成27年で10年のタイムラグがあり、この間に研究がすすんだものと私は推測します。土山学区自治振興会のウェブサイトによれば、森鴎外は祖父の墓を探して明治33年当時の常明寺の墓地(土葬)へ立ち入ったさいの光景を「碑の周辺、荒無最も甚しく処々人骨の暴露せるを見ゆ。また竹竿を立てて、上にどくろをかける者あり。」と描写しているとのこと。明治33年は1900年であり今から117年ほど前ですが、今とは別世界の景色が日常的に広がっていたようで、そういう世界を歩いてみたい気もします。
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土山宿・常明寺の本殿です。常明寺をおいとまして、今日の宿泊地である水口宿へ向かいます。
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常明寺を離れて旧東海道筋を歩いています。甲賀市土山町北土山付近。
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時刻は12時30分、土山の旧東海道筋は、国道1号線と「南土山」交差点で合流します。この後は「旧東海道を歩く。桑名宿から京都三条大橋まで。二日目は亀山宿から水口駅まで。全四部作中その4」へ続きます。
- 3日目2017年3月19日(日)
- 4日目2017年3月20日(月)
旧東海道を歩く。桑名宿から京都三条大橋まで。二日目は亀山宿から水口駅まで。全四部作中その3
1日目の旅ルート
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