さとけんさんの青森県～東京都の旅行記

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初日は旅行記『【上野発10時】上野発青森行き昼行バス「スカイ号」に乗って【青森駅着20時50分】』をごらんください

2日目2017年9月3日(日)

旅行記『【青森駅周辺を歩く】善知鳥神社・平和公園・青森ベイブリッジを訪ねて【駅の東側を歩く】』からの続きです。時刻は9時39分、青森駅・駅舎南側の東西自由通路を渡って青森駅西口方面へ行きます。

青森駅南側の自由通路上から青森駅を見たところです。青森駅の東口と西口を結ぶ自由通路は青森駅舎の北側と南側にそれぞれ駅から少し距離のあるところにあります。駅舎に自由通路が無いのはなんとも不便ですが、近々、青森駅にも自由通路が出来る、そんなプランが青森市のウェブサイトに載っています。「青森駅を中心としたまちづくり基本計画」（平成24年2月）とあり、もう5年前の計画ですが、自由通路の整備を軸にワークショップや有識者会議が重ねられているようで、早く便利になるといいですね。

時刻は9時43分、青森駅西口の駅舎と駅前広場です。西口の駅前は道路を挟んですぐに住宅地になり、本州の北の玄関口でありながら実に素朴な感じです。さて、「概要」に記した拓北農兵隊に応募した一家が滞在した青森の場所は、1.小学校であること、2.連絡船乗り場から徒歩圏であること、3.青森空襲に遭ったが、彼らが滞在していた小学校は被害に遭わなかったこと、4.青森空襲において彼らは逼迫した状況にならなかったこと、以上のことより、青森駅の西側にある連絡船乗り場から徒歩圏の小学校ではないかと私は推測します。青森駅の近くにある小学校は、駅の東口側に、古川小学校・長島小学校・浦町小学校・橋本小学校・莨町小学校等あり、すべてが戦時中も存在した小学校ですが、このうち焼け残った小学校は古川小学校のみということ、空襲により古川小学校の近くまで焼け野原になっていることを考えると、そこに滞在していた人間はかなりの危機感を持ったと思いますので、いくら空襲には「慣れっこになっていた」東京の人々でも、青森空襲時に「逼迫した状況にならなかった」拓北農兵隊の人々が古川小学校に滞在していたとは考えづらい。

次に駅の西口側にある小学校は、千刈小学校・篠田小学校・沖館小学校ですが、このうち篠田小学校は創立が昭和34年ですので戦時中にはなかった、千刈小学校は空襲で焼け落ちている、そう考えると沖館小学校、この小学校は江戸時代から続く村塾で戦前戦中には学校として存在し、空襲で焼失せず、青森駅・青森港連絡船乗り場まで徒歩20分～30分ほどの場所にあることなどを考え合わせると、この沖館小学校に「拓北農兵隊に応募した人々」が一週間ほど滞在していたと考えることもできる、そのように私は考察しました。そこで、現在の沖館小学校へ向かってみることとします。写真は青森駅西口前から渡ってきた東西自由通路（写真中央でカーブを描いている鉄橋）を振り返ったところです。

写真は青森駅西口前に西方向へ延びる幅の広い道をみたところ。この道を沖館小学校・森林博物館の方向へ歩いて行きます。沖館小学校が昭和20年7月に「拓北農兵隊」の滞在先であるかもしれないというのはあくまで私の考察で、確証を得て歴史を辿るという作業では本来ならば図書館で当時の資料を当たって裏付けをとる必要がありますが、今回の青森への旅、青森市民図書館には４時間弱ほどしか滞在せず、後述するようにそのほとんどをマイクロフィルム閲覧用機械の不具合の克服に費やしましたので、自分の考察を検証することは今回は出来ていません。

青森駅西口側のメインストリートを歩いていくと沿道にいかにも古い建物が一軒だけ残っていました。もしこの建物が戦時中から存在する建物ならば、この建物の前を72年前、ある一家が他の人々とともに歩いたのでしょうか。青森市篠田1丁目付近にて。

時刻は9時51分。青森市森林博物館がみえてきました。

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青森市森林博物館の建物です。

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青森市森林博物館は、旧林野庁青森営林局の庁舎で1908年(明治41年)築です。

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青森市森林博物館の立派な門。

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青森市森林博物館の建物は間違いなく昭和20年7月に、そこに存在した建物ですから、沖館小学校が拓北農兵隊の一時滞在先に選ばれたなら、青森駅を降りた拓北農兵隊の一団が沖館小学校へ向かう際に、この門・この建物を目にした可能性は高い、そんな風に考えてみました。

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青森市森林博物館は1982年（昭和57年）に開館しました。

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青森市森林博物館は素敵な外観ですね。

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森林博物館のウェブサイトによれば、ルネッサンス式木造建築物とのこと。

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森林博物館の玄関前から門とその前を通る道を見ます。あの門の前を、昭和20年7月の舗装されていない道を、「ある一家」が歩いたのかとの想像してみます。

時刻は9時58分、それでは森林博物館の見学をしましょう。入館料は240円です。

建物に入った途端、良い感じの内装に出会います。青森市森林博物館にて。

内部は改装されていますが、明治大正昭和の雰囲気は十分に感じ取ることができます。青森市森林博物館にて。

廊下は元は木造であったことでしょう。頭の中で木造に変換してみます。青森市森林博物館にて。

青森市森林博物館、一階の窓ガラス。ガラス窓が二重なのは降雪の多い気候だからでしょうか。ガラスが歪んでいるところをみると、建てられた当初のガラスかもしれませんね。

青森市森林博物館の廊下、頭の中で、廊下を木製にして、さらに灯りを暗めで間隔が広い感じに変換してみます。天井の隅の暗さが目立つような感じで。

青森市森林博物館、一階の扉です。いいですね、この「置いてきぼり」感というか、シンと静かな感じがとても良い。置いてけぼりにされたのは、この建物なのか、それとも私なのか。

二階に続く階段です。青森市森林博物館にて。

青森市森林博物館の二階から、門前の通りを眺め、そこを歩いた人々を探す、想像の作業です。

青森市森林博物館にて。こちらの部屋は映画・八甲田山の撮影に使用されたそうです。

青森市森林博物館の建物中央部の階段。

青森市森林博物館の二階、こちらはやや暗くて、昔を辿る想像の作業も少し楽になります。

この景色は、昔の青森の役場の人も見た景色そのままと考えていいでしょう。建物の色使いが違うかもしれせんが。青森市森林博物館にて。

建物の一階に戻ってきました。外の陽の光が眩しく美しい。青森市森林博物館にて。

青森市森林博物館の展示室の最後で見かけたこの詩。『いま　君たちは　小さな旅を　終えた　この道を　通って　外に出ると　そこに　君たちの　日常の時がある　しかし　清冽な　なにかが　君たちの　目に映る　時の流れを　変える　それは　風が　君たちの胸に　運んだ　一粒の種子　この小さな森の　贈物』。この詩が私の心に大きく響いたのは私が時を辿る旅をしているからなのか。

時刻は10時30分、青森市森林博物館を出てきました。

青森市森林博物館の庭には、森林鉄道の機関車・客車・貨車の展示がありました。

森林鉄道車両の案内板です。青森市森林博物館にて。さて、森林博物館を辞して、歩いて4分ほどの沖館小学校へ向かってみましょう。

沖館小学校へ至る直前に沖館稲荷神社がありましたので参拝していきます。

沖館小学校のほぼ隣にあるこの沖館稲荷神社、境内には新しいもの・古いものが混在しています。昭和20年7月に拓北農兵隊に応募しある一家が青森で滞在した小学校が沖館小学校であったと仮定するならば、彼らは連絡船待ちで青森に足留めとなっているわけですから、いつ出発の連絡が来てもいいように、滞在中の小学校を離れることは無かったと思います。しかし、隣にある神社ならば、お参りをしたかもしれない、そんな風に考えてみました。つまり、沖館小学校に滞在した一家は沖館稲荷神社を参拝したかもしれないと考えながら私もお参りします。

沖館稲荷神社の拝殿にて二礼二拍手一礼のお参りをします。この拝殿が戦前から存在した建物かどうかはちょっとわかりません。新しい拝殿のような気もします。

拝殿越しの青空、青空はきっと変わらないでしょう。沖館稲荷神社にて。

そしてこちら、沖館稲荷神社の拝殿・本殿の隣に、このような古い建物が建っていました。今はそろばん塾となっています。この建物は、いくら風雪の厳しい青森とはいえ、戦前の建物でないとこの風格は出ないであろうと私は想像しました。

昭和20年7月に拓北農兵隊の一団が沖館小学校に滞在したならば、そして沖館稲荷神社へお参りしたならば、この建物を目にした可能性は高いな、仮定に仮定を重ねることにはなりますが、そんなことを考えてこの建物を眺めます。

さて、沖館小学校へやってきました。耐震補強の施された立派な校舎が建っています。

沖館小学校の正門脇に二宮金次郎のの像がありました。こちらの像、特に台座はかなり古い感じがしました。

こらは沖館小学校付近の消火栓です。

拓北農兵隊は、昭和20年7月6日16時30分上野発の第一陣から始まりました。第一陣は、7月8日に北海道空知石狩支庁に至り、その中の一団は7月9日の早朝に野幌駅に到着したといいます。上野を7月10日に第二陣が発ち、7月13日には第三陣が発ち、第三陣は7月14日15日の東北一帯の空襲を乗り越えて7月20日に川上支庁に到達したといいます。また、横浜から出発した一団は関東に於いて足留めをされ、一週間ほどしてようやく列車にのり、空襲後の青森に到着したとか、青森空襲が始まる直前に青森駅に到着して青森駅で空襲を受けた拓北農兵隊の一団の体験談など、様々なケースがあったようですね。また「クマイザサの二十三軒」という拓北農兵隊を題材にした書籍では、昭和20年8月4日に上野を出発して8月8日に旭川の西神楽に到着した一団を取り上げています。果たしてこの旅行記の概要に記した「ある一家」は青森滞在中の一週間、この小学校で過ごしたのかどうか、これからも調べてみたいですが、私がこの旅行をした時は、仮定の中で想像するしかありません。それでは、青森市民図書館へ行ってみましょう。

時刻は11時12分、こちらは青森駅西口の改札の様子です。青森駅というともっと大きな駅を想像していましたが、こじんまりとした駅でございます。

青森市民図書館

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時刻は11時20分、青森市新町一丁目のアウガというテナントビルの6階から8階が青森市民図書館になっています。このテナントビル、1階から4階まではテナントが撤退した模様で、5階から8階の市の施設および地下の「新鮮市場」のみが営業しています。青森市民図書館は青森駅から徒歩3分とかからないアクセスのよい図書館です。青森県立図書館は青森駅からは少し遠目の図書館になりますので、市民図書館で資料がみつかるなら、こちらの図書館の方が使い勝手が良いですね。

青森市民図書館

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今回の青森の旅では、青森の地方紙である東奥日報の記事を調べるつもりでやってきました。事前にウェブサイトのOPAC蔵書検索をしたところ、私の調べたい時期の東奥日報の記事は、青森市民図書館にマイクロフィルムで存在するとわかりました。地方にある書籍を調べたい時に、地元の図書館に依頼すると、図書館同士のやりとりで書籍が地元の図書館へ移動してきて、地元の図書館で閲覧することができます。ただ、調べ物は、閲覧した資料の内容から、新たに閲覧したい書籍が次から次へと湧いてくることが通常ですから、ローカル色の強い調べ物は現地に行った方が効率的です。今回、青森市民図書館のマイクロフィルム閲覧用機械が不調で、調べ物に時間がかかった関係上、調べたいことの半分だけは調べがついた感じで、それでも青森市民図書館に行って良かったという結果になりました。図書館の係りの方も親切で助かりました。ありがとうございました。

時刻は15時23分、お昼を食べていませんでしたので、図書館を出てからお店を探します。食事処・おさないは14時から16時まで中休みですので、駅前というか駅舎の中の「つがる路」というお店にやってきました。調べ物で見つけたいものを見つけられたという達成感から、ちょっと美味しい物を食べてみようという気になっております。

こちらがつがる路の外観、翌日の夜に撮影した写真です。

青森駅東口のつがる路にて、牛バラ焼き定食1,100円を食べました。豚バラと違って少ししなこいお肉ですが、美味しかったです。御馳走様でした。

時刻は15時42分、満腹となったあとは八甲田丸の見学へ向かいます。写真は八甲田丸付近の案内図です。

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さていよいよ八甲田丸に入館するつもりで近づいております。

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こちらは八甲田丸船尾の可動橋です。朝方に見学した時より、間近で観ております。

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八甲田丸の入館料は500円です。八甲田丸と「ねぶたの家・ワ・ラッセ」と「アスパム」とがそれぞれセットになっているお得な券もありますが、今回は八甲田丸だけ有料入館いたします。

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青函連絡船が空襲を受けて沈没した地点が記されています。

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八甲田丸グリーン船室の乗客用の椅子です。

八甲田丸にて。1891年（明治24年）上野を発った列車は青森まで26時間25分かかっていたものが、1934年（昭和9年）には、上野・青森間は急行列車で12時間45分に短縮されました。終戦間際の拓北農兵隊が乗車した列車は14時間～32時間くらいかけて上野・青森間を走っているようですので、やはり空襲を避けて昼間は停まって夜間に走ったり、走行・停止を繰り返したりと、通常より時間がかかったものと思われます。

こちらは上野から青森・函館を経由して札幌までの所要時間の移り変わりです。興味深い資料です。八甲田丸にて。

こちらは青森駅と連絡船施設の変遷を示した資料です。これも興味深い。八甲田丸にて。

八甲田丸のブリッジの一階下からの景色です。

おぉ、こちらは可動橋の現役当時の姿ですね。八甲田丸にて。

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八甲田丸のブリッジにやってきました。

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八甲田丸のブリッジに立つ。なかなか気分が良いです。

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八甲田丸の甲板から青森ベイブリッジをみます。雲が綺麗ですね。

時刻は16時39分、陽も随分と傾いてきました。八甲田丸の甲板にて。

広い広い青森湾と雲の浮かぶ空を八甲田丸の甲板から眺めます。

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八甲田丸の車両甲板へやってきました。

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ここが八甲田丸船尾の車両甲板です。

八甲田丸船体に収まる列車を船尾よりみる。

こちらは八甲田丸のエンジンルーム。

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八甲田丸の総括制御室です。時刻は17時40分、八甲田丸の9月の開館時間は19時までですが、だいたい見学し終えたので、これから図書館へ戻ろうかと考えておりました。

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ところが八甲田丸の出口付近の部屋にて、貴重な資料が公開されていました。こちらの資料を閲覧したいと思います。