やんまあさんの京都府の旅行記

★神社備忘録★京都「八坂神社(祇園社)」パーフェクトガイド
- 夫婦
- 2人
- 史跡・歴史
八坂神社というのは、明治の神仏分離後の新しい名称で、元々は「祇園神社」、もしくは「祇園社」と呼ばれていた。祭神はスサノオで全国に3000ある祇園社の総本社とされる。平安時代に疫病が発生し祟りを鎮めるために創建。八坂神社と言えば祇園祭、祇園祭と言えば八坂神社で7月17日の神輿祭は日本一と言われる。祇園祭を持つ超有名神社で京都を代表する神社であり、「夏越祓」の行事もここから始まったとする。京都中央の神社(洛内)は秦氏と賀茂氏の社が多いが、ここは八坂氏創建とし、神様は出雲系が多い。最後に、「スサノオ」と「牛頭天王」の本宮は播磨・広峯神社と京都・八坂神社で争っているのだが、スサノオはここで、牛頭天王は広峯神社で良いかと思う。疫病・祟りで牛頭天王を勧請し、神仏習合などを経て、一緒くたになっただけだと思っている。四条大宮の「元祇園 梛神社(梛ノ宮神社)」には元八坂神社としている。理由は、京の悪疫退治のため祭神を東山八坂に祭る前いったんこの地の梛の森に神霊を仮祭祀したのが起こりで、このため元祇園とも。祇園祭傘鉾の起こりも梛神社の祭祀に由来するのだそうだ。ということで、2対1で、牛頭天王は広峯神社⇒梛神社⇒八坂神社に行ったかと思っている(根拠なし)。ただ、姫路方面って、秦河勝の神社仏閣&所縁の地ですね。何か裏がありそうだ。。
神社ツウ やんまあさん 男性 / 40代
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- 1日目2019年4月30日(火)
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阪急河原町を出て、東に向かっていくと人でごった返す観光スポットが並び、突き当りに八坂神社が現れる。ただ、大半の参拝客が西楼門で写真を撮りくぐって本殿へと進むが、実際の正門は舞殿前にある南楼門が本来の参拝方法。
- 2日目2019年5月1日(水)
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応仁の乱で焼失し1497年に桧皮葺で再建した後に瓦葺きに替えた「西楼門@重文」をくぐると摂社・末社が揃っている。疫病除けの神である蘇民将来を祀る「疫神社」、導きの神・サルタヒコと芸能の神・アメノウズメ夫婦を祀る「太田社」、縁結びの神であり主神の息子(*1)にあたるオオクニヌシを祀る「大国主社」、「常盤神社」、オオクニヌシの長男坊であるコトシロヌシを祀る「蛭子社」を参拝し、本殿に進むアプローチになる。(*1:日本書記では息子で、古事記ではスサノオから6代下がる。)
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疫社の祭神・蘇民将来は「牛頭天王(ごずてんのう=素戔嗚尊)」から疫病を免れる茅の輪を授けられたという伝承があり、これが「茅の輪くぐり」のはじまり。祇園祭では粽(ちまき)などに疫病退散を願って「蘇民将来之子孫也」と書かれた札が付けられる。
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「太田社」は導きの神・サルタヒコと芸能の神・アメノウズメ夫婦を祀る。太田社の夫婦は日本で初めて結婚で姓を変えた神様でもある。ちなみに神社には「太田神社」と「白鬚神社」としているが、どちらもサルタヒコである。この2神は三重・内宮近くの猿田彦神社、三重・椿大神社、京都・上賀茂神社摂社「太田社」など多くの神社で祀られている。サルタヒコの本宮は三重・椿大神社と滋賀・白鬚神社で、産まれは島根・佐太神社としている。有名な二見輿神社や猿田彦神社もそうなのかな〜。いろいろ人気のある神様で、絵で描くと天狗であり、神楽でもよく出て来る。
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大国主社⇒神仏習合で「大黒天@仏教」と「大国主命@神道」が同じとされ、神仏分離で神社を取ったので、「オオクニヌシ」を祭神とする。銅像があり、撫でると良いことがあるそうな。
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「蛭子社」は商売繁盛の”えべっさん”を祀る。蛭子(恵比寿、恵比須)はヒルコかコトシロヌシのいずれを祀るのだが、祇園社はコトシロヌシを祭神とする。まあ〜主祭神がスサノオなので、スサノオ末裔のオオクニヌシ、オオクニヌシの長男坊・コトシロヌシの出雲系の流れなので当然か。さて、この社ですが重要文化財です!!(コトシロヌシはオオクニヌシの長男坊で、本宮は島根・美保神社です。因みに蛭子の方の本宮は福男を決めるため境内中距離走で有名な西宮神社になります)。
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本殿@重文は「祇園造り」というもので、本殿と拝殿を一つの入母屋屋根で覆う様式。これは、八坂神社以外では見られない珍しい造りのようです。本殿の中座に「スサノオ」、東座に妻「櫛稲田姫命(クシイナダ)」と「神大市比売命(かむおおいちひめ)・佐美良比売命(さみらひめ)」、西座に御子「八柱御子神」と「八島篠見神(やしまじぬみ)」と長男坊「五十猛神(いたける)」とスサノオの娘でオオクニヌシの妻「須勢理毘売命(すせりびめ)」などを祀り、本殿は十三柱も祀られている 。
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八坂神社の本殿下には龍穴があり、東寺まで繋がっているという噂がある。そういえば、貴船神社の奥宮も龍穴があったような記憶があるな。有名なのは室生寺の室生龍穴神社ですね。
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本殿の左には「大歳社」、「十社」がある。十社には主神のスサノオ所縁の神々が祀られている。イザナギ@熊野、イザナミ@多賀、白山姫@白山、イザナギ&火の神@愛宕、金山彦&磐長ヒメ@金峯、春日大明神、フツヌシ@香取、オオクニヌシの次男坊・タケミナカ@諏訪、オオヤマグイ@松尾、神武天皇の御子@阿蘇となっており、人間が生きていくために必要な生活の神もいる。オオクニヌシと長男坊・コトシロヌシは社を設けられているのに、次男坊・タケノミナカはまとめて祀られている。
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「厳島社」と「五社」がある。五社には、台所の神様である竈神がおり、風と水の神様が祀られているのだが、なぜか八幡神・応神天皇も祀られている。因みに厳島社は宗像三女の一柱「市杵島比売命」のみを祀っているが、ここは神仏習合時代は弁財天としていたんだろうな〜。あと、風の神は龍田大社や内宮・外宮とは違う風の神様ですかね。
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「厳島社」、「五社」の隣に刃物の神・天目一箇神を祀る「刃物神社」があるけど、これは祇園の料理人が祀った感じがする。「日吉社」は御所から見て方角的に勧請した気がする。延長上に鬼門を抑える比叡山と日吉大社があるので、間違いないであろう。
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美御前社⇒美人になると言われる御神水があり、テレビでも舞妓さんが持って帰る映像がよく流れている。祭神は「多岐理毘売命」・「多岐津比売命」・「市杵島比売命」とアマテラスとスサノオの誓約で生まれた宗像三神ですね。
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美御前社⇒女性多し。前まではみんなスルーしていたのになあ〜。テレビの影響ってすごいですね。妻は肌にペチペチ!?保湿していました。
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悪王子社⇒神様には御魂と荒魂があり、前者は世界平和を祈り、後者は個人的お願いをすることになります。ここはスサノオの荒魂が本殿とは別で祀られているので、個人的なお願いは、この悪王子社でお願いをすることになります。が、厳密にいえば、他の所にあった神社で、荒廃したかなにかで、ここに遷座したはずです。
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「忠盛燈籠」という石灯籠がある。由緒を抜粋すると「ある五月雨の降る夜、白河法皇が祇園女御に会うためにこの辺りを通っていると前方に鬼のようなものが見えた。法皇はお供の平忠盛に討ち取るよう命じたが、忠盛はその正体を見定めてからとして生け捕りにしたところ、それは燈籠に燈明をあげようとした祇園の社僧だった。社僧が身に着けていた雨具の蓑が燈明の光で銀の針のように見えたらしい。この忠盛の思慮深い行動に人々は感嘆したという。燈籠はその時のものといわれている。」だそうだ。
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本殿裏にはある「大神宮社」は伊勢神宮内宮・外宮の神様「アマテラス」と「トヨウケ」を祀っている。この左にはスサノオの荒御魂を祀り、その左には女性人気の社がある。久しぶりに祝詞をあげている人がいた。
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現在の「大神宮社」は伊勢神宮の式年遷宮の古材です。昔からリユースしているんですよね。ちなみに、伊勢神宮の式年遷宮の古材を利用しているのは、私の知る限り、三重・神戸神社@元伊勢・穴穂宮、奈良・桧原神社@元伊勢・笠縫邑、奈良・篠畑神社など。最後にこの摂社の御朱印もできたようだ。
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「大神宮社」右側に御神水がある。近くに「美人水」もあるが、同じ水源とのこと。飲みたい人は、ペットボトルに入れて沸騰させてからどうぞ!!ここ昔あったかな〜と妻と話しつつ、次に向かった。
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「稲荷神社」は2社ある。「玉光稲荷社」は豊作のご利益がある神社で、現在では、商売繁盛のご利益がある神社として信仰を集めている。
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本来の正式参拝は南門であり、ほとんどの方が入るのは西楼門ではない。南門外には祇園豆腐などが頂ける茶屋があるので、こちらも忘れずに。
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主祭神は「スサノオ」で、「牛頭天王」の社としても有名。この牛頭天王の逸話が「祇園祭」に繋がるのだが、この牛頭天王の本宮は兵庫・広峯神社とも言われている。京都・四条大宮の「梛神社」の由緒(要約)によると、『876年に京都に疫病が流行したとき、兵庫・広峰神社から勧請して鎮疫祭を行った。このとき、その神輿を梛の林中に置いて祀り、後に神霊を八坂神社に遷祀し疫病が鎮まった。それで、当地の住人は花を飾った風流傘を立て、鉾を振り、音楽を奏して神輿を八坂に送った。これがのちの祇園会の起源といわれる。』だそうです。伝承のつながりだが、納得した感じはある。後は、考古学や古文書から、いずれ史実が導かれるであろう!!
- 3日目2019年5月2日(木)
★神社備忘録★京都「八坂神社(祇園社)」パーフェクトガイド
1日目の旅ルート
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