チャムンパスさんの長野県の旅行記

2019年6月長野県諏訪大社・諏訪湖・下諏訪温泉一泊一人旅
- 1日目2019年6月15日(土)
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新宿駅発の特急あずさに乗って、上諏訪駅にやって来ました。 出発時の東京は雨が降っていましたが、こちらは一時雨が止んでいる様子でした。 コミュニティバス『かりんちゃんバス』に乗って、諏訪大社上社本宮へ向かいました。 時刻表を見ると1日7便しかありません。
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バスに乗って約1時間、本宮にやって来ました。 運賃は大人150円です。 今にも雨が降り出しそうなあいにくの天気ですが、鳥居前には意外と多くの参拝者の方がいらっしゃいました。
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拝所前にやって来ました。 当日は諏訪市消防署員の皆さんが、安全祈願で参拝に訪れているようでした。
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参拝を終えて境内を歩いてみました。 布橋を渡ると、右手に国の重要文化財に指定されている本宮最古の建造物『四脚門』があります。
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諏訪市の重要文化財に指定されている神楽殿の中には、元日の朝だけ打ち鳴らされる大太鼓があります。
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本宮門前の飲食店で軽く昼食を取ってから、次に諏訪博物館を訪問しました。 訪問日当日から企画展『諏訪市の縄文世界』が開催されていました。 企画展示室には、諏訪市と周辺の市町村の遺跡で発掘された土器や石器が展示されていました。
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別の展示室には下社で8月1日に行われる春宮から秋宮への遷座祭の時に曳き出されるお舟祭の模型が展示されていました。
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博物館の敷地内には無料で利用できる神宮寺の足湯がありますが、今回は撮影だけで利用しませんでした。
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諏訪市博物館を後にして、上社本宮に隣接する法華寺を訪れました。 境内に赤穂浪士の討ち入りで殺害された吉良上野介の養嗣子左兵衛義周(さひょうえよしちか)の墓があります。 事件後に吉良家は改易、この地に流され21歳の若さで短い人生を終えた若殿様のお墓にお参りしました。
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諏訪市の上社本宮と茅野市にある上社前宮の間は路線バスがありません。 このまま徒歩で前宮へ行くことにしました。 距離は2q弱あります。 右手に守屋山を見ながら細い道を歩いて行きました。
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上社前宮に到着しました。 鳥居をくぐり左手に重要な神事が行われる十間廊(じっけんろう)を見ながら、石段を上がっていきました。
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緩やかな坂道を上っていくと正面に森があり、その中に拝所と玉垣を巡らせた本殿があります。 本宮と比べるとシンプルで質素な造りですが、厳かな雰囲気を感じました。
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上社前宮の参詣を終えた後、さすがに徒歩で最寄りの茅野駅まで行く気はありませんでした。 近くにバス停もなく公共交通機関を利用する場合は不便な所です。 天気が良ければレンタサイクルを利用するところですが、この時期は難しいです。 タクシーを呼んで茅野駅へ向かい、そこから普通電車に乗り下諏訪駅へ行きました。 駅の改札を出ると本格的に雨が降り出していました。
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雨の中傘を差して下社秋宮にやってきました。 神橋を渡って鳥居をくぐり参道を行くと、目前に推定樹齢約600〜700年の根入りの杉が聳えています。 その向こうに国の重要文化財に指定されている大きな神楽殿が見えます。 傘を差しながらの撮影はやりにくいです。
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神楽殿の後に楼門様式の幣拝殿に左右の片拝殿を備えた諏訪造の社殿があります。 国の重要文化財に指定されています。 雨の中でも参拝に訪れる方がいらっしゃいました。
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諏訪大社のシンボルである御柱もしっかりと撮影しました。
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下社秋宮周辺は下諏訪の旧宿場町で、現在は下諏訪温泉の中心です。 旧中山道と甲州街道の合流する三叉路を通り、かつて参勤交代の大名が宿泊した本陣として使われていた岩波家に行きましたが、あいにく今日は閉館のようでした。 今晩は下諏訪温泉に泊まるので明日また来ようと思い、近くの来迎寺(らいこうじ)を訪れました。 浄土宗のお寺で、平安期の女流歌人である和泉式部にゆかりのある銕焼地蔵尊(かなやきじぞうそん)をお祀りされています。 恋多き美人で名高い和泉式部は謎の多い人ですが、この下諏訪の地で幼少期を過ごした伝説があります。
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門の外から中を窺うと、雨でしっとりと濡れた境内は緑が映えていい雰囲気でした。
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しもすわ温泉 三代目おくむら旅館
チェックインの予定時刻になったので、今晩お世話になる旅館おくむらさんに向かいました。 客室が8部屋だけのこじんまりとした街中の温泉旅館ですが、アットホームなサービスに定評のある人気のお宿です。 玄関先で中に呼びかけると、ご主人と女将さんが出てこられて無事チェックインを済ませました。 お二人の応対はとても気さくで温かみがあり、どことなく実家に帰って来たような懐かしさを感じました。
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女将さんに客室に案内して頂きました。 当日泊まったお部屋は2階の和洋室『あおい』でした。 6畳間に2畳の踏込みが付き、そして奥の2畳分のスペースにシングルベッドの置かれた一人旅には充分な広さで使いやすいお部屋です。 街中の旅館ですから、外の眺めは至って普通でした。
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一階の浴室で旅の汗を温泉で洗い流し、18時から部屋食で夕食を頂きました。 おくむらさんは味噌仕立ての馬肉のすき焼き『桜鍋』が名物で、盛夏期以外の夕食プランに出されているそうですが、今回は通常の夕食プランにしました。 愛想のいい仲居さんがお料理を一度に運んで来られました。 通常食は通年ほぼ変わらない定番の献立だそうですが、私には丁度いいボリュームでした。 食前酒とグラスの梅酒は、下諏訪町のお隣岡谷市の蔵元『豊島屋』さん製です。
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茄子の肉味噌詰めを一つ残して、味噌汁と自家製の野沢菜漬で締めのご飯を頂きました。 女将さんが腕をふるわれ、ご主人がお手伝いをされて作られた心づくしのお料理の数々、残さず全て美味しく頂きました。
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夕食が終わってひと時休んでから、近くの温泉銭湯『菅野温泉』(すげのおんせん)さんに行きました。 外出する時にフロントに声をかけると女将さんが出てこられて、浴場が混んでいるかもしれないからと、風呂桶を持たせてくれました。 こういう心遣いは宿泊客にはとても嬉しいものです。 菅野温泉さんの営業時間は朝5時から夜22時まで、入浴料は大人230円です。 内部は昔ながらの銭湯の造りで、浴室の中央に1つだけある楕円形の浴槽の縁から温泉が絶えず溢れていて、完全掛け流しの状態です。 旅館のお風呂と同じくらいの適温の浴槽で温もっては外に出て涼むことを繰り返し、温泉を堪能しました。
- 2日目2019年6月16日(日)
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菅野温泉さんで温泉を楽しんでから宿に戻り、それから一度眠っていましたが、夜中の1時半頃に目が覚めて宿のお風呂に入りました。 こじんまりとした街中の温泉旅館に相応しい、内風呂だけの小浴場でした。 2人分入れる浴槽の湯温は41〜42℃くらいの適温でした。 自分の他に誰もいない貸切状態の浴室で、浴槽の縁から絶えず溢れる掛け流しの温泉に浸かりながら、贅沢な時間を過ごしました。
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朝6時半に目覚め朝風呂に入ってから8時から部屋食で朝食を頂きました。 仲居さんが料理を運んで来られて、卓の上に並べて頂きました。 食欲の出る美味しそうなお料理ばかりです。 卵焼きは女将さんではなくご主人が作られるそうで、運ばれて来た時は出来立てで湯気が立っていました。 ご馳走さまでした。
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幸いなことに前日と違って、2日目は晴れていました。 帰り際にご主人と女将さんが道路に出られて、私が交差点を曲がるまで手を振ってお見送りをして頂きました。 実家の両親とオーバーラップする応対に、いたく感銘を受けました。 ご主人と女将さん、スタッフの皆さん大変お世話になりました。 今度は桜鍋を食べに冬訪問しようかな、と考えながら歩いていくと下社春宮の表参道に出てきました。 表参道の途中に下馬橋があります。
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下社春宮に到着し、最後の4社目のお参りしました。 春宮には2月から7月までの間祭神がお祀りされているので、念入りにお参りしました。 国の重要文化財に指定されている楼門様式の幣拝殿・左右の片拝殿と神楽殿の配置が、前日訪れた秋宮とほぼ同じです。 晴れているとはいえ午前中のためか、参拝者も少なめでした。
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下社春宮でお参りを済ませてから、近くの万治の石仏に向かいました。 順路に従って歩いていくと、途中で砥川に挟まれた浮島を通ります。 浮島の中に祀られている浮島社が、春宮側の対岸から見えました。
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浮島を通って万治の石仏にやって来ました。 お作法通りに願い事を念じながら石仏の周りを時計回りに3周し、最後に『よろずおさめました』と唱えました。 岡本太郎氏が絶賛しただけあって、素朴な中におだやかさとおおらかさ、そして内に秘めた力強さを感じました。
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前日不定休で入場できなかった岩波家にもう一度行ってみようと思い、春宮から旧中山道を通って秋宮方面へ向かいました。 途中左手に慈雲寺の石段があります。 鎌倉後期に諏訪大社の大祝(おおはふり)が鎌倉五山一つ建長寺の一山一寧禅師を招いて開山し、武田信玄にもゆかりのある信州の臨済宗の名刹だそうです。 気になったので寄り道をして境内に行くことにしました。 石段下の右側に湧き水『竜の口』があります。
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参道を進むと、苔生した石畳が趣豊かでした。
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境内に到着すると結構立派な伽藍です。 本堂の前は枯山水の庭園風になっていました。 本堂にはご本尊の十一面観世音菩薩をお祀りされているそうです。
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本堂の裏側に廻ってみると、素晴らしい庭園がありました。 障子を締め切った本堂の中から声が聞こえるので、耳を澄ませて聞いてみるとどうやらお寺のご住職が法話をされているようでした。
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慈雲寺を後にして旧中山道を歩いていくと、右手に旅籠のような古い木造の建物があります。 入口に『歴史的風致形成建造物 伏見屋邸』の看板と、無料休憩所の立て看板があったので入ってみることにしました。 中では地域の方達が作業をされていましたが、私を見ると座敷の上に上げてくれてお茶とお菓子と野沢菜漬を出して頂きました。 お茶やお菓子をご馳走にながら、お相手して頂いた方からこの建物のことや下諏訪のことを色々お聞きすることが出来ました。 伏見屋邸は幕末に建てられた商家だそうです。 老朽化のため一度解体修理され、現在は観光客向けの休憩所兼地元住民の方の交流施設として利用されているようです。
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せっかくなので伏見屋邸内部も拝見させて頂きました。 一階奥の座敷の床の間左手の書院の上にある欄間は、諏訪大社の彫刻を手掛けた職人が作った見事な作品です。
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もう一度岩波家に行ってみましたが、前日に続き本日もお休みでした。 素晴らしいと評判の庭園を見たかったのに、うーん残念。 でも、慈雲寺の庭園を見ることが出来たので、まあよしとしましょう。 近くに下諏訪で幼少期を過ごした女流歌人で小説家の今井邦子文学館があり開館中でしたが、2日目の後半は諏訪湖周辺を観光する目的があったのでスルーしました。
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下諏訪駅から普通電車で隣の上諏訪駅に行きました。 丁度お昼だったので駅の近くの更科さんを訪問し、四色そばを頂きました。 お値段は税込1,250円です。 四等分に仕切ったせいろの上に、4種のそばが盛られていました。 左下の大葉を細かく刻んで練り込んだ変わりそばが珍しかったです。
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上諏訪駅に戻り駅前の駅レンタカーさんでママチャリを借りてサイクリングに出かけました。 料金は4時間1,000円です。 最初の目的地の高島城に向かう途中に信州一味噌の工場があり、古めかしい味噌蔵と並んで直売店もありました。
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駅から自転車で6〜7分くらいの所にある高島城は堀に囲まれた本丸だけの小さな城です。 再建された天守閣や櫓があり、内部は公園として整備されています。 天守閣は入場料が必要とのことで、結局上りませんでしたが、最上階から諏訪湖が見渡せるそうです。
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高島城から諏訪湖畔の外周道路に出て、時計回りで進み原田泰治美術館に到着しました。 諏訪市出身の原田泰治氏は、素朴な日本の原風景を描く画家として、歌手のさだまさし氏とも親交のあることで有名です。 入館料は大人820円です。 訪問した時は企画展『原田泰治と行く花を見る旅』が開催されていましたが、あまり混んでいない館内でどこか懐かしく温かみを感じる印象を与える絵画をじっくりと鑑賞しました。 鑑賞を終えてティールームで手作りタルトセット850円を頂きました。 美味しかったのですが、入館料を含めて全体的にお値段高めです。
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諏訪市原田泰治美術館を出てから、上諏訪温泉街に戻ってママチャリで観光することも考えましたが、いっそこのまま諏訪湖を一周してみようと思いました。 諏訪湖の全周は約16qです。 すでに美術館で時間を使っていて、残りは2時間余りでした。 ひたすらペダルを漕いで、途中休憩を取りながら時計回りに進みました。
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上諏訪の対岸にある岡谷市の釜口水門にやってきました。 丁度ここで半分の行程です。 諏訪湖の唯一の排水路である天竜川の起点にある水門には、漁船を航行させる舟通し水門や魚道が設けられています。 水門の両サイドは岡谷湖畔公園です。 写真右手前のママチャリが今回の旅の相棒です。
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サイクリングの後半は、日頃の運動不足が災いしてバテ気味でした。 そんな中ふと前方を見ると雲の懸かった富士山が見えました。 思わずママチャリを止めてパシャリ。 無事4時間以内に上諏訪駅に戻ることが出来、その後特急あずさに乗って帰路につきました。 上諏訪温泉街を観光することは出来ませんでしたが、諏訪大社4社巡りと諏訪湖を一周することが出来たことで達成感のある旅となりました。
2019年6月長野県諏訪大社・諏訪湖・下諏訪温泉一泊一人旅
1日目の旅ルート
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