メタボ大王さんの山梨県の旅行記
糸魚川・静岡構造線と忘れられた巡礼道赤沢宿
- 家族(子連れ)
- 3人〜5人
- 史跡・歴史
- 自然
5年前の5月、日蓮宗総本山身延山久遠寺をお詣り、早川町の糸魚川・静岡構造線の露呈部分である新倉断層を見て、元中学校であった場所に宿泊。翌日、江戸時代から昭和30年代まで身延本山と七面山を結ぶ身延往還の宿場として栄えた赤沢宿を訪ねた。身延山山頂の奥ノ院から見る富士山も素晴らしいが、レイラインにある七面山山頂から見るダイヤモンド富士はどんなにかその場所に立った者の心を震わせ信仰を深めたか。日蓮宗や法華経信者がここを聖地にしたことは非常に理解ができる。自然を崇拝してきた日本人の心の琴線に触れる場所だ。アップダウンの激しい修験の道は達成感がより大きい。家康の側室お萬の方が女人禁制の七面山に初めて上り、女性にも開かれた巡礼地となった。明治から昭和初期の最盛期には1日千人もの巡礼者を泊め、七面山への登山用のおにぎり弁当と食事の用意をするなど、それこそ寝る間も無いほどの忙しい宿場だったようだ。しかし、七面山への直接登るルートが開くと赤沢宿は忘れられてしまった。文化遺産として宿場を残しており各旅館のマネギ板(講中札)がかつての繁栄を示している。新型コロナでインバウンドのお客さんが来なくなった日本の観光地の状況が、赤沢宿を思い出させてくれた。今年もツツジやサギ草などが綺麗な花を咲かせているだろう。
長野ツウ メタボ大王さん 男性 / 70代
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- 1日目2015年5月8日(金)
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久遠寺菩提梯
駐車場から本堂に出たので、参道の菩提梯を上から見る。本来、総門、山門そして287段の石段(菩提梯)を登ることにご利益がある。
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納牌堂がある佛殿。本堂を含め無料で建物、庭園を巡ることができた。これ程開放的なお寺も珍しい。宝物館は有料であるが、本山であり日蓮自筆のものや国宝、重要文化財など貴重な宝物がある。
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久遠寺御真骨堂。白亜の八角堂と拝殿から成る。日蓮聖人の御真骨を奉安する。
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緑あふれる自然そのものと思える庭園
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ロープウェイで身延山山頂へ。展望台から見る身延町。左は富士川。
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身延山頂上展望台からの富士山。曇っていたが、眼前に迫って見える富士は迫力ある。日蓮宗の信徒でなくとも手を合わさずにはいられない。信濃から僅かに見える富士だけでもありがたく思っていたのに、この姿ではっきり見えればもう思い残すこともない。
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身延山奥ノ院思親閣
身延山山頂にある奥ノ院思親閣に入る仁王門。右の杉は日蓮聖人お手植えの杉。
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北側展望台から見る南アルプス。白峰三山か。霞んでしまった。南アルプスと手前の山の間の早川渓谷が糸魚川・静岡構造線で南北に走る。
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北側展望台から見る南アルプス南西方向。光岳か。谷の糸魚川・静岡構造線は左から南東に曲がり静岡県富士市に至る。
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帰りのロープウェイ。中間で上りとすれ違う。晴天ならば登って見るべきだ。勿論、麓から巡礼の道を登ることも。
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新倉の糸魚川・静岡構造線
山梨県南巨摩郡早川町新倉(にいくら)にある糸魚川・静岡構造線の逆断層露呈。崩落によりわかりずらいが、中央の川から右斜めにの線。断層の左側が四万十帯の粘板岩。右がホッサマグナの火山岩類。
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糸魚川・静岡構造線の案内図。早川渓谷に沿って南北に走り露呈箇所がいくつもある。新倉断層は下から二番目。
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新倉断層は国指定天然記念物であり石碑がある。川底が左斜めの断層面となっている。川は内河内川で石がゴロゴロしているが花こう岩ではないので大きくはない。新倉断層の奥にリニア中央新幹線建設にともなうトンネル工事現場があり、ひっきりなしにダンプが通っていた。
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下湯島橋
新倉から早川上流の下湯島にある吊り橋、下湯島橋。高さもあり結構揺れる。対岸は急斜面の森なので何の目的で造られた橋なのか。
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糸魚川・静岡構造線の深い谷は四季折々の風情を見せてくれる。温泉も多く、登山者を魅了してきた。
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下湯島橋から下流を見る。岩盤を削って道路が造られている。川底を見ても大きな石はなく岩盤が柔らかいことを示している。
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元早川北中学校だった宿泊場所。トイレ、洗面所は共同。温泉が素晴らしい。滑らかな美肌の湯だ。谷間なので視界は狭いが漆黒の闇に星が輝く。
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今晩は1年2組に宿泊です。
- 2日目2015年5月9日(土)
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トイレと洗面所。学校当時のままか。生徒は少なかったよう。
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食堂、浴場の案内など。
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ヘルシー美里の浴場。長い渡り廊下を上る。夜に2回、朝1回。水風呂もあるので気持ちがシャッキリ。
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風呂までの渡り廊下。柱には万葉集の中の山吹の歌が。
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山吹を恋人に例えた歌が多いがこれは大伴家持の天皇を詠んだ歌。
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風呂から全体を見る。学校をリフォーム。
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赤沢宿の家並み。斜面にへばりつくように建てられている。左手が身延山。
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早川町重要伝統的建造物保存地区の看板。明治初年には9軒の旅籠屋であったが、後に増新築した総二階造りの旅館型主屋となった。
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江戸屋旅館
宿場入り口にあった大きな旅館「江戸屋」。往事は二階までいっぱいの巡礼者が。若山牧水が大正13年6月、友人と七面山に向かう途中赤沢宿に宿泊。七面山で31首の短歌を詠んでいる。赤沢地区に4つの歌碑があり一つがここにあった。
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かつての旅館清水屋が赤沢宿の駅として散策する拠点となっている。
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清水屋の二階休憩室でコーヒーを飲む。車が止まっている場所が江戸屋旅館。
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赤沢そば処 武蔵屋。土日・祝日だけの営業。急峻な山が七面山。法華経の聖地。山頂の敬慎院には身延山を守護する七面大明神が祀られている。
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サギ草。手入れがされてないので他の草木と混在。
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大阪屋旅館
こちらは「大阪屋」。宿場、宿坊などは国により決められていたので、こちらには大阪の人が宿泊か。
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大阪屋の松とツツジ。
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大阪屋さんのマネギ板(講中札)。大阪が多いと思ったら神田、浅草、下谷、入谷など江戸・東京の地名。
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大阪屋の入口側のマネギ板。ほとんど「十月 世話人○○」の札。秋分の日は9月20日頃であり七面山のダイヤモンド富士は過ぎている。10/13が日蓮聖人の命日であり、久遠寺では11-13日に「お会式」という最大の行事がある。久遠寺周辺の宿坊だけでなく赤沢宿にも信徒が泊まり、中には七面山への巡礼を行ったのか。
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これは「萬屋」のマネギ板。右端に「神心会指定旅館」の木札。それぞれ紋と講名が。同じ字体なので専門に造る人がいたか。
糸魚川・静岡構造線と忘れられた巡礼道赤沢宿
1日目の旅ルート
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