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モロさんの埼玉県の旅行記

桜見頃の西秩父 札所巡りと古民家の宿で一泊

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秩父から藤岡周辺は近場の旅行先として近年度々訪れている地域であるが、今回は秩父西方の古民家の宿に泊まる旅行を計画してみた。昨年春に神流川に旅行した際の復路に通った道路沿いにあった宿である。昨年秋の秩父市内の旅と同様に公共交通機関での旅も考えてみたものの、秩父駅から宿泊先までや各観光地間の都合の良い交通手段が見付からないため、今回はレンタカーを使うことにした。観光では2ヶ所の札所巡りの寺を訪れることにした。1日目は前日までの悪天候が嘘のように、予報以上の好天に恵まれて、安心してハイキングや観光をすることができた。2日目も小雨模様であったものの、予定通りの観光ができて、両日共に観光地はガラガラで、他の観光客と出会うこともなく、気楽に観光できた。

神社ツウ モロさん 男性 / 60代

1日目2023年3月24日(金)
09:00-10:00

秩父札所三十一番観音院

小鹿野町(秩父郡)

「秩父札所三十一番観音院」を   >

専用駐車場に車を停め、御本堂の先の東奥の院まで廻った。入口には渓流に掛かる小さな橋があり、その先に総門がある。総門(仁王門)は掘っ立て小屋の様な非常に質素な造りであるが、両側には勇ましい姿の大きな仁王の石像が立っていて、中々珍しい景観である。御本堂までの九十九折れの急な石段の周囲の苔生した岩々が非常に美しく、また、両脇に建つ多数の石碑に刻まれた俳句を読みながら登るのも楽しい。石段を暫く登ると平場になっていて御本堂や鐘楼が建っている。岩窟状に大きく抉られた断崖の下に建つ比較的小さな御本堂が非常に趣のある景観を創っていた。御本堂の左側の断崖に、昔は滝行が行われていたという落差60m程の聖浄の滝があるが、今は水量が少なく滝の態を成していない。滝の跡が黒色に変色し、脇に鎮座する不動明王と共に厳かな景観を創っている。周囲の石碑や摩崖仏も美しい。御本堂の右が奥の院ミニハイキングコースの入口である。5分程で見晴し台に着いた。景色も良く、一服には丁度良い場所である。付近からは、今は立入りが禁止されている御本堂左側、断崖上の鷲窟磨崖仏を観ることもできた。見晴らし台の先の小径を下ると畠山重忠の駒繋ぎ場があり、岩窟には多数の石仏が祀られていて趣がある。想像していたよりも小規模な、短時間で廻ることができるお寺であった。観音院には西奥の院もあるが、参道が封鎖されていて残念であった。

10:00-11:00

観音山

観音寺東奥の院ミニハイキングコースの途中の分岐から観音山方面への山道に入った。国体で使用された山岳縦走コースであるらしい。山道に入って直ぐ、丸太で作られた段差の大きな急勾配の階段が標高差50m程続き、非常にきつい出だしである。その後も比較的急な山道である。200m程進むと観音山方向と牛首峠方向の分岐があった。観音山山頂までは幅50cm程の山道で、途中には観音院入口に立つ仁王尊を削り出した細工場の跡もある。山頂手前には再び丸太で作られた段差の大きな階段があり、結構大変である。分岐から標高差200m程、30分程で頂上に達した。標高700m弱の比較的低い山頂であるが、北側の真下に西秩父桃湖を望み、非常に奇麗な景色である。頂上の岩の上に腰掛け、景色を眺めながら暫し休憩。湖畔の家々や通行車両の音が山に響いてか良く聞こえて面白い。観音山への分岐までの下りは15分程、往復約1時間の登山であった。

11:00-12:00

日尾城址

観音山山頂から下り、山道の分岐を牛首峠方向に向かった。少し進むと、ハイカーが少ないせいか、道筋が落葉で隠れたり、斜面に細い足跡があるだけだったりの山道になって、少々不安になったが、5分程で再び幅50cm程の山道が現れてホッとした。高低差も殆どない緩やかな山道の所々には摩崖仏や小さな石の祠が建っている。10分程進むと再び分岐があり、“中央湖畔ルート”の表示があった。牛首峠方向へ10分程進むと高さ10m強の鎖道になっていた。60°程の本格的な鎖道で、暫く淡々と歩いてきた後のチョットしたアトラクションの様である。鎖道から5分程で日尾城址に着いた。日尾城跡は小山の頂上の狭い平場で、低い石積みや石碑、石の祠があるのみである。城であった時代には、周囲を囲む塀や小さな建物、物見櫓等があったのであろうと想像してみた。狼煙で情報を伝達する中継地点だったのかもしれない。駐留した人は大変だったであろう。

12:00-13:00

牛首峠

日尾城址から5分程下った場所である。高さ10m弱の大きな岩に幅2m程の切通しを作ったような特異な景観である。岩の上ではミツバツツジの花が奇麗に咲いていた。牛首峠は観音院方向、西秩父桃湖方向馬上への分岐になっていて、馬上方向の山道には本格的な登山の装備をした一群が見られ、付近に岩登りができる箇所があるのかもしれない。観音院方向に下っていくと、土石流でもあったかのような大きな岩が積み重なった沢の中を進む道なき道であった。岩には苔が生えて、道筋も落葉で隠れて、非常に滑り易い山道である。15分程で歩き易い山道に出て、その後5分程で観音院の駐車場に着いた。観音院参拝→観音山→日尾城址→牛首峠→観音院で、正味3時間の中々大変な、面白いハイキングであった。

13:00-14:00

水子地蔵寺

小鹿野町(秩父郡)

「水子地蔵寺」を   >

観音院に通ずる道路の途中にあったので立ち寄ってみた。山の斜面に一万体を超える水子地蔵が祀られている様は壮観である。とは言え、見た目の良さを目的として造られ、維持管理されている施設ではなく、小さな地蔵一体一体には水子の名前が刻印されている真の”墓地”である。昭和60年代に造営された比較的新しいお寺であるが、それでも地蔵の数が1万体を超えているというのは何とも悲しい限りである。地蔵の全てに赤い前垂れと造花が飾られ、風車が回っていた。皆と一緒であれば水子も寂しくないであろうか。施設を奇麗に維持する労力には感服する以外ない。多数の地蔵が山肌に咲き乱れる野花の様で、三分咲きの桜が彩を添えていた。

14:00-15:00

犬木の不整合

今宵の宿泊先の目と鼻の先であったので立ち寄ることにした。1億年程前からの地層構造の変化の様子が見られる珍しい場所で、周辺の学校の課外学習にも利用されているジオパーク秩父の一画である。チバニアンにも似たような場所である。道路から河岸に下りる場所には表示があり、その前には見学者用の駐車場も備わっている。河岸への小径は、最下部が壊れているものの、目的の場所まで比較的奇麗に整備されている。目的の岩壁は無数の亀裂がある岩であった。亀裂からは沢山の木が生えている。地層が右下がりであることは分かるが、どの亀裂が断層、不整合であるかは判別が難しい。専門家の同伴が必要である。駐車場に戻り、設置されている看板の解説を改めて読み直し、写真を見て、ようやく理解できた。

15:00-

西秩父 山あいの宿やしき

「西秩父 山あいの宿やしき」を   >

宿の前の大きな池がある庭園には様々な種類の樹木が植えられ、奇麗に剪定されていると共に、沢山の石の造形物が配置されていて、素晴らしい佇まいである。宿への通路は農家の入口の様な雰囲気である。宿の洗面所やトイレは共同使用式だが、広く最新式で、非常に奇麗である。居室と廊下とは引き戸1枚で隔てられているだけなので、他の宿泊客に対して気を使ってしまう。別棟のお風呂は2名程で一杯の大きさの湯舟だが、比較的熱めのお湯が気持ち良かった。空いているときに貸切状態で利用できるのが有難い。夕食は1階の個室で提供された。広い8畳間で、床の間には甲冑や刀等の調度品が飾られ、襖には習字が描かれていて、和風の趣満点である。食事は地産料理で、山菜の和え物や定番のアユの塩焼きは美味しく、メインのイノブタの鍋の御汁は最高であった。呑み助には少々品数が多過ぎて、刺身や煮物を食べきれなかったことが残念である。炊き込みご飯が非常に美味しかった。共用部があるものの、狭い施設で、歩き廻るということもできないので、早目に布団を敷いてのんびりする、というのがこの宿の過ごし方かもしれない。暖かくなれば1階の廊下に佇んで、ということもできるかもしれないが、虫が気になりそうである。コストパフォーマンスは非常に高い宿あることには間違いはなく、のんびりとした田舎の雰囲気を味わうには良い施設であると思う。

2日目2023年3月25日(土)
10:00-11:00

天空の楽校

山奥の廃校をカフェとして再生し、地域の住民を雇用して地域活性化に一役買っていると共に、手作りの料理が美味しく、見晴らしが良い人気の場所である、とのテレビ番組での紹介を見て立ち寄ることにした。当日は小雨が降る生憎の天気での来訪であった。ホットコーヒーを注文して一服した。本来であれば正面に雲取山を望むという展望も、雲間に近くの山筋が見える程度であった。店員の女性によると、昔は周囲で林業を営む人も多く、生徒数40名程の分校であったそうだ。施設の部屋の中には、昭和時代のポスターやアイドルのソノシート、小さなピアノや道具・機械類が展示されている。経路の狭い県道がバイクの走行コースとして人気があるそうで、来客もバイク乗りが多いようだ。

11:00-12:00

不動滝

皆野町(秩父郡)

「不動滝」を   >

天空の楽校から秩父華厳の滝の間に表示が出ていたので立ち寄ってみた。県道を外れ1km程進むと、不動滝に向かう小径の入口がある。滝は入口から200m強の山中である。山道を登って下ると、沢の最下端付近に滝があった。小径の最終地点が壊れていて、落差・滝壺のある滝の本体が観える場所までは行くことができなかったが、滝の上部を観ることができた。結構流量があり、岩盤を削ってできた奇麗な滝であった。滝の入口までの経路の途中にある不動明王の像の下に秩父華厳の滝がある。車を停めて覗いてみると良い。

11:00-12:00

秩父華厳の滝

皆野町(秩父郡)

「秩父華厳の滝」を   >

落差10m強の滝で、一筋に落下する姿が日光華厳の滝に似ていると言われる。滝に向かう小径の入口の対面には観光用の広い駐車場があり、結構観光客が多いのであろうことが窺える。滝は数段あって、下方、中段、上方、滝壺近くからと、様々の角度から滝を眺めることができるように小径が配置されている。流量が多い滝で、しっかりとした滝壺を有し、立派で奇麗な滝である。

12:00-13:00

水潜寺

皆野町(秩父郡)

「水潜寺」を   >

秩父華厳の滝から県道を1km程下ると寺の参拝者専用の駐車場があった。駐車場の脇に参道がある。入口は苔生した石積みで囲まれ、寺の表示も目立たない、質素な造りである。秩父札所の三十四番であると共に、日本百観音霊場の100番目の札所で、どちらも最後にお参りし、願いが結実するという有難いお寺である。入口から50m程入ると二股に分かれ、渓流沿いが順路になっている。順路を進み石段を上ると本堂に出た。壁や天井に様々な絵が描かれた奇麗な本堂である。本堂の右側を進むと寺の名前の由来という「水潜りの岩屋」がある区画であるが、現在非公開になっている。「水潜りの岩屋」方向を見ると、山奥まで参道が続いているようで、神秘的な雰囲気が漂っていたが、そこまで行くことができない現状では非常に短時間で参拝できてしまう、少々残念なお寺であった。

桜見頃の西秩父 札所巡りと古民家の宿で一泊

1日目の旅ルート

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