今年は早かった京都の桜もあちらこちらで早くも葉桜となってしまいました。お客様には暖かな京都にもお越しいただきたいのですが、今回は当館にお泊りいただきながら少し足を伸ばして行けるおすすめスポットをご紹介します。
　今回ご紹介するのは、滋賀県の彦根です。滋賀県東部にあり遠く感じますが、JR東海道線の新快速で京都駅から50分ほど、当館からでも1時間強の距離にあり、十分日帰り圏内です。江戸時代の井伊家のお膝元として国宝の彦根城が有名ですが、過去には豊臣秀吉の子飼い武将・石田三成の居城としての佐和山城や、「お多賀さん」の愛称で親しまれる延命長寿・縁結びの神を祀る多賀大社があり、湖東三山・琵琶湖を望む、歴史的・文化的に観光地として魅力的な場所です。またパワースポットとして名高い竹生島や多景島へ向かうフェリーが発着する彦根港から琵琶湖に出ることもできます。その中でも、私のお勧めの観光地をご紹介します。
　まずは佐和山城址です。城跡としては石垣や土塁、井戸が少し残るだけですが、「治部少に過ぎたるもの二つあり　島の左近と佐和山の城」と謳われたほどの名城跡として西に琵琶湖・彦根市街、東に中山道の宿場町鳥居本をのぞめます。龍潭寺の裏側から歩いて30分ほどで頂上までハイキングのように歩くことができます。写真にある佐和山城の御城印は、頂上の本丸跡に登って設置されているQRコードを使ってアンケートに答えると、彦根駅西口の観光案内所にて三成花押入りのものがご購入いただけます。狭く舗装された道ではないので少し歩くのに注意が必要ですが、ぜひ足をお運びください。
　また、その麓にある龍潭寺は、井伊家の彦根移封の際に遠江国井伊谷(静岡県)の菩提寺を移築した臨済宗妙心寺派のお寺です。浜松の龍潭寺と同様に池泉鑑賞式庭園が有名で、焦門十哲の森川許六の朴訥な山水から獣まで画題の多い襖絵も見どころの一つです。寺全体に厳かな佇まいは雰囲気があり、のんびりと鑑賞できるのはお勧めです。
　白壁と黒格子の町屋風街並みである夢京橋キャッスルロード、大正ロマンあふれるモダンな外観の街並みの四番町スクエアは、和菓子・洋菓子・近江牛などの飲食店・カフェが並び、食べ歩きもできる近代的なスポットです。ぶらり歩きするのが好きな方にお勧めです。
　国宝彦根城やライトアップされる玄宮園以外にも様々な見どころがある彦根をぜひ訪れてみてください。

彦根城御城印(左)と佐和山城花押入御城印(右)

龍潭寺襖絵