こんにちは、本の虫Cちゃんです。
今回もおすすめの本をご紹介いたします。

おすすめ本：「希望が死んだ夜に」（文春文庫）　著者：天祢涼　

　14歳の女子中学生が、同級生を殺害した容疑で逮捕され、犯行を認めたものの、殺害動機は一切語らない。現代社会が抱える闇を描いた、社会青春ミステリーです。
物語は殺人犯として逮捕された女子中学生の視点と、事件を捜査する刑事の視点で進行します。
読み始めると立場の違い過ぎる二人の女子中学生が、なぜ被害者・容疑者になったのかという謎が気になりと思います。この本は母子家庭と父子家庭の貧困問題、生活保護をテーマにしながら、語ろうとしない動機を刑事が捜査していきます。足掻いても抜け出せない生活の困窮、その中で見出した希望、それを打ち砕いてしまう無常。読後なんとも言えない無力感に襲われます。希望どこにあるのでしょうか。そして本当にあるのでしょうか。少しでも多くの人に読んでもらいたい本です。

この本を気に入った方は、2020年5月に発売された、シリーズ第2段の『あの子の殺人計画』(文藝春秋)がありますので、是非手に取ってみてください。