映画『君が生きた証』は、2014年のアメリカ作品です。主人公サムは、大学の銃乱射事件で息子ジョシュを失った広告宣伝マン。2年後、別れた妻からジョシュの残した歌詞とデモCDを渡され、息子のことを何も知らなかったことに気づきます。サムはジョシュのギターでその曲を弾き始め、ライブバーで飛び入り参加するようになります。

サムの演奏に感銘を受けたロッカー青年クエンティンは、サムを説得し、親子ほど年の離れた二人でバンドを結成します。表向きは、死んだ息子の楽曲を歌い継ぐ父親と、その歌に魅了された青年が音楽を通じて再生し成長するヒューマンドラマです。

しかし、この映画は単なる美談ではありません。中盤の仕掛けによって視点がガラッと変わり、激ヘビーな家族ドラマに変貌します。前半の父親の荒れた生活の描写が、後半で確信に変わる瞬間に全ての見え方が変わります。この映画は、観客の先入観を利用した大ドンデン返しが特徴で、心臓を鷲掴みにされます。

音楽映画としても優れており、劇中のバンド演奏曲は丁寧に作られていて、歌詞がストーリーにリンクしています。サントラも単体の音楽作品としてお勧めで、エモさが爆発します。

『君が生きた証』は、タイトルや予告編から想像される内容とは異なり、非常に素晴らしく、辛い映画です。特にお子さんがいる方には強くお勧めします。知人へのLINEの返信には、「サントラ盤ポチッ」とだけ書いて送りました。

プライムでポチッとしたCDです。