娘の寿命延ばしのお話☆☆☆
更新 : 2019/11/28 5:04
あるところに女房がなくなって、一人娘を一歩も外に出さず、大事に育てている男がいました...
娘が18歳のなったとき、父親の留守に、旅の坊主が一杯の水を飲ませてくれと頼んできました...
坊主をかわいそうに思った娘は、父親との約束を破って、その坊主に水を手渡しました...
その時、坊主は娘の顔をみて、たいそう驚き去っていきました...
父親が家に帰り、娘はその坊主の話をしました...
父親は失礼な坊主だと怒り、後を追いかけ坊主を捕まえました...
坊主はそこで、娘は今年の8月に亡くなるだろうということを告げました...
父親は驚き、坊主に助けを求めました...
坊主は娘に目隠しをし、ご馳走と酒と一本の杖を持って、1人で東の方向に歩かせました...
そして、行き止まりにいる3人の僧をもてなすよう、言い残し立ち去りました...
娘は言われたとおりに旅立ち、3日3晩歩いて、3人の僧に箸や銚子を持たせ、ご馳走しました...
3人の僧は黙々と食べていたが、娘に気付いたので、娘は18歳で死ぬのは嫌だと懇願しました...
3人の僧が手もとの台帳で娘を調べると、確かに娘は18歳の8月に死ぬ事になっていました...
ご馳走を食べたのに、願いを聞いてやらないのはかわいそうだ、と僧は思いました...
僧の1人が、台帳の死亡年齢「十八」となっているところを「八十八」と書き足してやりました...
その後、娘は88歳まで生きたそうな...