不思議なコマ犬のお話☆☆☆
更新 : 2019/11/28 5:22
むかし、金沢の町はずれの伝燈寺という寺に、活道和尚という坊さまがいました...
ある吹雪の夜、じいさまが小さな孫を連れて逃げ込んできました...
孫が、オオカミに襲われて、オオカミに血の匂いをかぎつけられてしまう、と言うのです...
じいさまと孫は、寺のコマ犬様が守ってくれるという言い伝えを信じ、逃げ込んだと言うのです...
和尚様は、言い伝えにしかすぎないが、ひとまず孫を預かってじいさまを家に帰しました...
その夜、血の匂いを嗅ぎ付けたオオカミの群れが神社をぐるりと取り囲んでいました...
そして、オオカミの群れはすさまじい唸り声をあげ、襲い掛かってきました...
和尚様は、小さな孫と一緒にお経を唱えはじめました...
もはやこれまでかと覚悟を決めた時、小さな孫が「こまいぬさま」と叫びました...
その時、コマ犬が獅子のごとくオオカミの群れに飛び込み、次々に噛み殺していきました...
夜明け、和尚様が外に出てみると、おびただしい数のオオカミの死骸が散らばっていました...
そして、口を血で真っ赤に染めたコマ犬が、朝陽に照らされていました...
このコマ犬は、今も金沢の三河神社に祀られているそうな...
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