虹の嫁のお話☆☆☆
更新 : 2019/12/10 2:44
むかしむかしある所に、「やたみ」という名の若い木こりがおりました...
ある日、空にきれいな虹がかかっているのを見つけ、虹をよく見ようと湖まで歩いて行きました...
すると、空から七色の羽衣をまとった美しい天女が舞い降りてきました...
やたみは、一目で天女に恋をし、どうか自分の嫁になってくれるよう天女にお願いしました...
しかし、天上界にすむ娘が、地上の男と結婚することはできない定めでした...
どうしても諦めきれない木こりに、天女は「いつか地上の人に生まれ変わったら、
目の下の青いホクロを目印にして探してください」と言い残し、天界に帰って行きました...
やたみは、ホクロの娘を探すために山を下り、あちこちの町や村で娘の姿を探しました...
なかなか娘は見つからず、長い年月が経ち、杉山長者の所で山仕事をして働くようになりました...
ある時、顔が真っ黒の娘「ななえ」が、山仕事の手伝いとしてやたみの元へ配属されました...
やたみは、親切にななえの面倒を見てあげ、一緒に山仕事をするようになりました...
やがて、仲良くなったななえから、自分の顔が真っ黒になった理由を聞きました...
継母が自分の本当の娘を長者の嫁にするために、ななえの顔にスミを塗り込んだ、との事でした...
それを聞いたやたみは、可哀そうに思い、丁寧にななえの顔を拭いてあげました...
すると、ななえの顔は雪のように真っ白い肌に戻り、目の下の青いホクロに気が付きました...
やたみは、天女の生まれ変わりがななえだった事を知り、ななえもその時の事を思い出しました...
その後、二人は結婚し、いつまでも幸せに暮らしたそうな...