天へ上りそこねた亀のお話☆☆☆
更新 : 2020/2/3 1:04
昔ある所に、海の暮らしに飽きた一匹のカメがおりました...
このカメは、小魚たちからカツアゲ、酒屋の亭主に乱暴、毎日やりたい放題に過ごしていました...
ある日、酒を飲んで浜辺で寝ていると、まっ黒な雲が広がり一匹の美しいメスの龍が現れました...
龍は、神様からの使いで、一通り雨を降らせて去っていきました...
これを見ていたカメは、天に昇って神様になりたくて、龍を呼び寄せるためたき火を焚きました...
そんなある日の事、とうとう龍がやってきて「天に連れて行ってあげよう」と言いました...
カメは大喜びして、メスの龍の尻尾にしっかりとつかまりました...
龍はカメを連れて、天へ向かって登っていきました...
カメは、振り落とされないように尻尾をくわえていましたが、天上が見えると嬉しくなりました...
カメはつい、くわえていた口を開けてしまい、高い空から浜辺に向かって落ちていきました...
地上に落ちたカメは、天へ上ることをすっかり諦めて、海へ帰っていったそうな...