爺婆かぼちゃのお話☆☆☆
更新 : 2020/2/12 2:02
昔、三重県の桑名の山の中に、早くに両親を亡くしたハナという女の子が住んでおりました...
ある嵐の過ぎた朝、一人の薬売りがハナの家を訪ねて来ました...
薬売りが家の中を見てみると、家の中は雨漏りだらけでした...
というのも、まだ小さいハナには、屋根を直すことなどできないのでした...
ハナはこの薬売りのおじさんにお茶を出したが、お茶うけのなすびが何とも小さいのでした...
ハナが畑で作るなすびは、これより大きくならないのでした...
これを見た薬売りは、自分の婆さんが作るなすびはもっと大きかったと言いました...
ハナは、自分にも爺さん婆さんがいれば、いろんなことを教えてもらえるのにと思うのでした...
そんなある日、ハナが夕飯を食べていると、裏の崖から何やら大きな物が落ちてきたました...
ハナが戸を開けてみると、何とそこには、大きな赤鬼がひざを擦りむいて泣いていました...
ハナは傷の手当をして、お腹を空かした赤鬼に、畑で取れたなすびを食べさせてあげました...
ところが、このなすびもまた小さく「どうしてこんなに小さいんじゃ」と赤鬼が言いました...
そこでハナは、自分にも爺さん婆さんがいれば、いろいろ教えてもらえたのにと言いました...
すると赤鬼は、お礼にかぼちゃの種と小槌を渡しました...
この種を畑に蒔き、実を付けたかもちゃの中で、一番大きなものを小槌でたたくよう言いました...
ハナは赤鬼に言われた通り、その日の夜にかぼちゃの種を畑に蒔きました...
すると驚いたことに、翌朝にはかぼちゃは芽を出し、実をつけていました...
さらに、その中の一つのかぼちゃがみるみる大きくなり、家よりも大きくなってしまいました...
ハナがこれを小槌でたたくと、かぼちゃが割れなんと中からは、爺さんと婆さんが出てきました...
ハナは出てきた爺さん婆さんに、色々なことを教えてもらい、三人末永く幸せに暮らしたそうな...