かぐまの力石のお話☆☆☆
更新 : 2020/3/1 3:31
昔、ある山の中で、一人の木こりのお爺さんと、アカという名の犬が仲良く暮らしておりました...
アカは、お爺さんと一緒に山へ薪を取りに行く時も、町に売りに行く時もいつも一緒でした...
ある日、山道の藪の中で、一頭の熊が怪我をして動けないでいました...
可哀そうに思ったお爺さんは、傷の手当てをしたり、餌を運んだりと世話をしました...
おかげで、熊はすっかり元気になり、アカと一緒にお爺さんの手伝いをするようになりました...
やがて何年かして、お爺さんはめっきり年をとり、やがて亡くなってしまいました...
残されたアカと熊は、お爺さんの墓の前から離れず、餌もとらずに座り続けました...
数日後、アカは、お爺さんの後を追うように息を引き取りました...
アカが死ぬと、熊は山の木立の中に立ち去っていきました...
その後、お爺さんの家に近い坂の登り口に、熊の形に良く似た大きな石が現れました...
この石に、荷車の後押しをお願いすると、楽に坂を登る事が出来ました...
それはまるで、熊が後押しをしてくれているかのようでした...
その付近を「アカ 熊」から、いつしか「かぐま」と呼ぶようになりました...
また、その石の事を「かぐまの力石」と呼ぶようになったそうな...