にんじんごぼうだいこんのお話☆☆☆
更新 : 2020/3/25 2:12
むかしむかし、神様がこの世にいろいろな物をお作りになったばかりの頃でした...
山また山のその奥に、やさしい神様がおられました...
キュウリにナスビにホウレンソウ、みんなこの神様がお作りになったという、野菜の神様でした...
ある日、野菜の種類を増やしたいと思った神様は、絵の具を取り出し、何やら書き始めました...
「一つは小さくて短いの、もう一つは細くて長いの、もう一つは丸くて大きいの」
「さて、どんな色にするかな、そうだ、模様を入れてみようかな」
こうして、新しい野菜ができあがりました...
「名前はどうしようか、そうじゃ、おまえはにんじん、おまえはごぼう、おまえはだいこん」
神様が絵を指さすと、絵の野菜たちが飛び出しました...
「にんじんごぼうだいこん、仲良くするんじゃぞ」
「はーい神様、綺麗な着物をありがとう」
他の野菜たちは、この綺麗な模様をうらやましがりました...
にんじんごぼうだいこんは、大得意になって他の野菜たちに見せびらかしました...
それから、年に一度の、国中の野菜が神様の家に集まる日がやってきました...
にんじんごぼうだいこんは、これに備えてお風呂に入りました...
ところが、お湯が熱くてごぼうは飛び出し、泥の中で転んでしまい、真っ黒けになりました...
だいこんは、ゴシゴシ体を洗いすぎて、着物ごと洗い流してしまい、真っ白けになりました...
にんじんは、いつまでもお湯に入りすぎて、真っ赤になってしまいました...
神様に、前のような綺麗な模様の着物を書いてほしいとお願いしましたが...
「こうなったのも、あの着物を他の野菜に自慢しておったから、このままじゃ」
と言って、神様は書いてくれませんでした...
にんじんが赤、ごぼうが黒、だいこんが白になってしまったのは、それからだそうな...