あんころ餅小僧のお話☆☆☆
更新 : 2020/4/2 3:33
むかしむかし、永明寺山のふもとに、ふんどし一丁の小僧がおりました...
いつも「あんころもちが食いてぇなぁ」と言っては、おっかあに作ってもらっておりました...
ところがある日、おっかあは年を取って死んでしまいました...
一人になってしまった小僧は、しょんぼりと「あんころ餅が食いてぇ」と泣きました...
毎日毎日「あんころ餅が食いてぇ」と泣く小僧のために、天国のおっかあが夢枕に立ちました...
おっかあは「あと2回だけ、あんころ餅を食べさせてあげる」と約束してくれました...
朝になり、目が覚めた小僧は、さっそく空に向かってふんどしを投げつけました...
しばらくすると、空から重箱が下りてきて、中にはあんころ餅が詰まっておりました...
夢中になって全部たいらげた小僧は、天国のおっかあにお礼を言いました...
ある日、通りかかった殿様が「あんころ餅が食いてぇ」の声を聞いて自分も食べたくなりました...
小僧は、殿様のためにもう一度おっかぁにあんころ餅を作ってもらおうと、ふんどしを投げました...
「おっかぁ、あんころ餅をくれよぉ」
随分時間がたって夕方になった頃、やっと空からあんころ餅が下りてきました...
そのあんころ餅が、あまりにもおいしくて、殿様は一人でたいらげてしまいました...
これに喜んだ殿様は、小僧にたくさんの褒美を取らせました...
褒美をもらった小僧は、一生不自由することなく暮らしたそうな...