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私が幼少の頃、ゲゲゲの鬼太郎が大好きで、水木しげるさんの妖怪事典を読んでいましたら、飴屋の幽霊のお話がありました。（挿絵には、黒瓦の屋根に上った女性と子供が半月を眺めており、幻想的ですこし物悲しい雰囲気を、子供心に感じました。）
　
墓場で子供が誕生するお話は、墓場鬼太郎のモチーフになったそうで、その他、水木しげるさんが別名義の東真一郎名義で描いた、怪奇猫娘のお話でも猫娘が墓場で誕生しています。

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飴買い幽霊のお話は、亡くなった女性が、三途の川の渡し賃の六文銭で毎夜あめを買いに行き、墓場で子供を育てていたお話です。そのお金がなくなると、飴屋の親父さんが連れて帰って育てたそうで、幽霊が生んだ子供は、のちに高僧になったそうです。

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全国に流布している子育て幽霊譚ですが、ここ金沢には、4つも伝説が残っております。

その内の一つ、卯辰山寺院群にある「光覚寺」を訪ねました。

光覚寺の門前の坂は、「あめや坂」と呼ばれており、江戸時代にはあめ屋が並んでいたそうです。光覚寺の境内の裏手には、傾斜地を利用した墓地が広がっており、そこにはあめ買い供養尊がひっそりと佇んでいました。

きっとお母さん幽霊もこの傾斜地を歩いて、子供に飴を与えただろうなと想像すると、水木しげるさんの母子の挿絵が思い起こされ、物語の雰囲気を味わうことが出来ました。

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卯辰山寺院群は、江戸時代の名残が感じられ、細い路地や曲がりくねった道を、様々なお寺を訪ね一人歩いていますと、とても穏やかな心持ちになります。

境内から金沢市内を見渡すことが出来、天狗伝説が残る「宝泉寺」や、大きなわらじが奉納され赤い山門が特徴の「全性寺」がおすすめでございます。

静かな金沢を満喫されたい方は是非お越しいただきたいスポットです。

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光覚寺の本堂でございます。裏手の傾斜地に墓地が広がっております。