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ANAクラウンプラザホテル金沢のお知らせ・ブログ
夏の風物詩
更新 : 2012/7/21 16:34
夏の風物詩、といえば何を思い浮かべますか?
「海」「かき氷」「花火」それとも「蚊取り線香」でしょうか。
この中で唯一「夏」に限定する必要のないものが「花火」です。夏の暑さを和らげるものではないですし、夏にしかできない特性を持つわけでもありません。
実は、ほとんどの国では花火は「冬」のものです。
打ち上げ花火などは通常、大晦日に「A Happy New Year!」の掛け声と共に打ちあげるイメージを持つ人がほとんどです。花火発祥の地である中国でも冬、とりわけ旧正月の時期がもっとも派手に花火が消費されます。
実際、夏より冬のほうが空気は澄んでいて発火はキレイでしょうし、花火師さん達の作業も楽なはずです。
しかし日本人は何が何でも夏、なわけです。
日本の花火大会は7〜8月に集中しており、家庭向け花火もこの2か月間しか売れないそう。冬をピークに夏が一番売れない世界市場とは真逆です。
この理由はどうやら「川開き」「お盆」などの日本人の風習に関係があるようです。
日本の所謂「花火大会」のルーツは「隅田川川開きの花火」にあるようで、これは徳川吉宗がその年にあったコレラの蔓延や飢饉などで亡くなった多くの死者を慰霊するために行ったものです。この花火が「死者の慰霊=お盆=夏」となって江戸時代以降の日本に定着したのかもしれません。
日本人独特の季節感や風習を失いつつある現代にとって、花火大会は「古き良き日本」を気軽に体験できる機会の1つです。
普段は伝統的な暮らしとは縁遠い方でも、夏になれば縁日で屋台をひやかして綿菓子やリンゴ飴を食べながら打ち上げ花火を見たり、田舎でお爺ちゃんが買ってきてくれた線香花火を手に、誰が最後まで落とさずに持っていられるかを競ったりする光景を、結構素直な気持ちで「いいもんだな」と思ってしまうのです。
皆様はこの夏もご実家で、ご旅行先で、たくさんの思い出を作られることでしょう。着なれない浴衣を着て、下駄で転びそうになりながら、日本だけの夏の風物詩「花火」を楽しんでみてはいかがですか。
【北國花火金沢大会】
日時:2012年7月28日(土) 19:45〜21:00
会場:大豆田本町 犀川緑地周辺
※雨天時は翌日に順延、以降中止
【北陸中日花火大会】
日時:2012年8月4日(土) 19:45〜21:00
会場:県営まめだ簡易グラウンド
※雨天時は翌日に順延、以降中止