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龍神伝説 「八郎太郎と南祖坊」(第二話)
更新 : 2024/9/13 13:46
※8/30の伝説の里 鹿角「十和田湖と八郎太郎」(第一話)の続きです。
八郎太郎は、静かで深く眠るがごとき紺碧の湖
十和田湖の主となり長い年月がすぎた。
南祖坊という修行僧が弥勒の 出世をねがって熊野詣をしていた。
満願の夜、とろとろ と社前でねむっていると、白髪の老人があらわれ、
「おまえの願いを聞きとどけよう。しかし、そのため龍身となることじゃ。
ここに鉄のわらじと杖をおく。杖のおもむくままに歩き、
このわらじと同じものがあるところがおまえの永遠の住処である」と言って消えた。
南祖坊は津々浦々く まなくめぐり歩き
雄大で神秘の湖、十和田湖についた。ふと見ると洞窟の中にわらじがある。
南祖坊は、「ここが神様のお告げの場所か。ここを私の永住の住処とする」と
つぶやき、絶壁に立ち、法華経を誦した。
すると湖底より、「どうして俗人の身でここへ来る。さっさと立ち去れ」と天地にとどろく大音響。
「お前は何者か。神様のお告げで私は湖の主となる」と、南祖坊は答えた。
八郎太郎が、「立ち去らないならただ一飲みぞ」と
言いはなつと、その怒号で天地がふるえ、山も崩れんばかり。
荒れる湖上に、十六の角、ほのおのように燃える舌を捲き上げ
八つ頭をもつ大蛇が、南祖坊をただ一飲みとばかり飛びかかってきた。
けれど南祖坊は、あわてず静かに珠数を もみ法華経八巻をとなえ
大蛇めがけて投げつけると、一字一字が剣となってつきささった。
法華経を衣の襟にさすと、 九頭の龍身となり大蛇にむかっていった。
八郎太郎が着ているみのの毛一本一本が、小龍身となって南祖坊にかみつく。
たがいにしのぎをけずる戦いは、七日七夜におよんだ。
さしもの八郎太郎も鮮血を流しながら御倉山よりはいあがり、どこへともなく逃げ去った。
南祖坊は自籠の 岩上で坐禅をくみ、念仏三昧の世界に入った。
そして、十和田湖は南祖坊の永遠の住処となったのである。
さて、十和田湖を追いだされた八郎太郎は、米代川を堰止め、鹿角盆地を湖にしようとした。
鹿角の山々の切れ目は、男神、女神の間だけである。そこに毛馬内の茂谷山を持ってこようとした。
しかし、大湯の集宮に集まった神々に阻止され、米代川を下り、八郎潟にたどりつき主となったという。
続く・・・
次のブログでは、第二話にまつわる観光スポットをご紹介しております。
併せてご覧ください。
写真提供:大潟村教育委員会
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