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「伝説の里」鉱山発見伝説「光る怪鳥」その1
更新 : 2025/4/25 22:52
約1300年前に開山された日本最大規模を誇る史跡尾去沢(おさりざわ)鉱山。
その鉱山発見にまつわる伝説の一つをご紹介します。
文明13年、今から約550年前のことである。
尾去の村(鹿角市尾去沢)の奥の大森山から、光る怪鳥が現われて
近郷近在を飛び回り、村人たちを恐怖のどん底に突き落し、
女や子供は夜歩きさえ出来なかった。
この怪鳥は、昼は大鳥となって現われ、左右両翼の長さ十余尋(約20m)、
人を取って食わんばかりの勢いであった。口からは金色の火の如きものを吹き出し、
その吼える声は牛の唸りのようであり、一度吼えるや山谷にこだまが響きわたり、
山も崩れんばかりであった。
近郷の人々は恐れおおのき、毎日、不安な気持ちで生活していた。
しかし、この鳥は人を取り食うこともなく、ただ田畑を荒らし、
夜中に飛びまわる姿を見ると、怪しく光って、
不思議に身の毛のよだつ淋しさを与える、実に恐ろしき怪鳥であった。
ますます勢いさかんな怪鳥に、恐れおののいた尾去の村人たちは、
集まり話し合って、山伏や慈顕院に怪物調伏の祈祷を頼み、
村人たちも残らず、毎晩毎晩、天に向かって一心に祈願を込めることになった。
「南無、日天子月天子、あわれこの大鳥を亡ぼして、
諸人の安堵を得さしめたまへ」と誠心誠意を込めて、
一同はひたすら祈り続けた。
ある夜、村人たちが祈っていると、大森山の方から、
怪鳥がしきりに鳴き叫び、そして苦しみ悲しむ声が山谷をふるわせて響いてきた。
人々はただひれ伏してその声を恐れるばかりであった。
だが、そのあとは不思議に怪鳥の声は途絶え、また、飛び回ることもなくなった。
人々は不審に思い、その怪鳥が鳴き叫び、
苦しみ悲しい声を出した方をたずねて、山に登って行った。
山に入った人たちが赤沢川の流れにさしかかると、
その川の水の色はいつもと違い、朱を流したように赤かった。
村人たちは不思議なことがあるものと思い、「この流れを調べよう」と、
さらに上流をたずねて黒瀧まで登った時に、思わず仰天してしまった。
続きは「「伝説の里」鉱山発見伝説「光る怪鳥」その2へ
史跡尾去沢鉱山(写真提供:鹿角市)
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