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【人物】【歴史】【名品】島と洋菓子とカール
更新 : 2022/9/8 22:54
皆様こんにちは。
引き続き、似島を楽しんでおります♪
似島にはかつて、「捕虜収容所」がありました。今日はその捕虜収容所で作られた洋菓子が、多くの日本人を魅了した物語です。
作者は、ドイツ人「カール・ヨーゼフ・ヴィルヘルム・ユーハイム」です。(以下、カールで)
第一次世界大戦が勃発し、多くのドイツ人が敵対国の日本に捕虜として送られます。
その中には、当時中国・青島にいた、菓子職人のカールもいました。
彼らの行き先が「似島」でした。
1919年3月4日、広島県が捕虜収容所のドイツ人捕虜が作った作品の展示即売会「俘虜(ふりょ)製作品展覧会」を行う事になりました。
カールの当時の心境は測りしれませんが、彼が選んだ作品が「バウムクーヘン」。
日本で作られた事は、まだありません。
材料集めなど難航しつつも、試行錯誤の末にバウムクーヘンを焼くことに成功。広島県物産陳列館(現:原爆ドーム)にて開催された「ドイツ作品展示会」で、似島で考案したバウムクーヘンの製造販売を行います。
カールは日本人受けするようアレンジし、あえてバターの量を抑えました。
それが功を奏して大受けし、バウムクーヘンは好調な売れ行きを勝ち取ったのです。
たまたま捕虜として広島に送られたカール。
その確かな経験と実力が、広島を日本で最初にバウムクーヘンが作られた場所にしてくれたのです。
カールは捕虜から解放後も日本に留まり、今では洋菓子大手の「潟ーハイム」の前身である喫茶「JUCHHEIM'S」を、兵庫県神戸市に開店しました。
日本の洋菓子文化を開花させた1人が、カールです。
因みにユーハイムは、東京ディズニーリゾートのオフィシャルスポンサーでもあります。
似島の捕虜収容所の跡地は、ケアハウスや少年自然の家として使われています。
似島とバウムクーヘンの面影は、少年自然の家での制作体験や、似島港近くの観光案内所での販売で感じる事が出来ます。
観光案内所の販売価格は、1個1200円。
うちのホテルの仲間と一緒に美味しく頂きました。
そもそも日本の敵対国の捕虜として収監されたカールですが、その約20年後に日本とドイツが手を組み、第二次世界大戦と太平洋戦争を引き起こすとは、誰が想像できたでしょうか?
カールも戦火に巻き込まれ、1945年8月14日、兵庫県神戸市で亡くなりました。
終戦の前日の事でした。
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