自分が体験した話しではないですが、自分には何も分からなかったが自分もその場にいた時の体験です。

或る日の深夜の帰り道、私は自転車に乗って帰宅していました。
人影も車も少ないとある道を走っていたら、少し前方を走っていた大型トラックが急ブレーキを掛けて急に停止しだしたのです。
どうしたのかなと思い、スピードを落としゆっくりと自転車を進ませていました。
運転手の年配の男性が慌てて降りて来て
「やっちまった…マジかよ…」
と呟いていました。そしてキョロキョロと当たりを見回し、トラックの前後、更には車体の下も覗き込んでいる。
「どうなってやがる…？どっかに吹っ飛んじまったか…？」
年配男性ドライバーは頭を抱えてそう呟いていた。すると、反対を走っていた私を見かけると、こちらに近づいてきて私を止めた。
「ちょ…ちょっといいかい！？」
「何でしょう？」
すると年配男性ドライバーは私にこう言った。
「トラックの前に髪の長い女の人が飛び出して来なかったか？轢いちまったんだが！」
という。私は確かに前方のトラックを見ていたが誰も飛び出してきていなかった。ましてや撥ねたなら猶更気が付くはずだ。
「いや、見てないですが…」
「マジか…」
と言う。話を聞くとこうだ。

トラックを走らせていると髪の長い女性が急に飛び出してきた。慌てて急ブレーキを掛けたが間に合わず撥ねてしまった、と言う。しかも【ドンッ！】と音も聞いており、トラックに振動も走ったという。だが、トラックの前方には傷や凹みなどの破損は一切なく、何処にも女性の姿が無いというのだ。
その後、落ち着きを取り戻した運転手はトラックに乗って行ってしまいました。
私が見てた限りではそのような事は一切ありませんでしたので気のせいだろうと思いましたが、運転手さんがトラックに乗り込んだ時に助手席に髪の長い血だらけの女性が乗っていたんだすよね。
運転手さんには黙っておりましたが、その後はどうなったのかは知る由もありません。

と、言う話です。

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