札幌グランドホテルは1934年開業
北海道で最も歴史ある西洋式ホテルという通り
札幌グランドホテルができる前にも
北海道には旅館などの宿泊施設はありました。

しかし、時代の移り変わりとともに多くの方に札幌にホテルが望まれていた時代
札幌グランドホテル創立の事情は、今どきのホテルとは少々異なります。
ホテルの場所は、創業以来変わりませんが
元をただすと、この場所には札幌商工会議所があったそうです。

そこに札幌グランドホテルが建つことになった経緯が
当時の創立趣意書を見るとわかってきます。
1.札幌に、地方都市としてふさわしいホテルが欲しいと往来する人たちが望んでいる。
2.ホテル建設を計画するも、大きな事業ゆえに資金の借り入れに国の機関に低金利の申し入れをした。しかし、一（いち）私営の会社であるがゆえに、認められなかった。
3.この事態を重く見た北海道庁は、札幌商工会議所と協議し、商工会議所の建物の改築を機に、その1階を商工会議所の商品陳列所とし、2階から上の階をホテルとして使用する計画を立てた。

・ホテルの設立を望む札幌市民、
・この状況に手を差し伸べた北海道庁
・札幌の経済に大きな影響を与えることを見越して協力に応じた札幌商工会議所

この三つが手を組んでできたのが札幌グランドホテルなのです。
公共性の高いホテルの場合、その大本は地方自治体であったり、
業界団体であったりすることは多いと思いますが、
このように複数の協力によってできたことは当時でも珍しかったのではないでしょうか。

札幌グランドホテルには
北海道や札幌、そしてホテルの歴史を辿る
メモリアルライブラリーが別館1階にありますので
ぜひ滞在中のちょとした時間にご覧になってはいかがでしょうか