宿番号:327522
蘇る山と故郷 阿蘇内牧温泉 蘇山郷のお知らせ・ブログ
千年の宿たる由縁、樹齢1000年の杉の間
更新 : 2012/2/24 12:24
板のはし
えて内の牧立たんとす
阿蘇氏びとの
千年の杉
与謝野 晶子
昭和7年、ちょうど80年前ですね。与謝野寛 晶子夫妻が泊まられてこの歌を詠まれました。
その部屋は杉の間といい、樹齢1000年の杉の木だけで造ってあり現在も当時のまま残してあります。
この部屋を始めて見たとき、縁側にかかる11.6mの継ぎ目なしの杉には圧倒されました。
床を見ると飴色に輝く床板も継ぎ目なし、時代を経た木の暖かさは好きな人にはたまらないと思います。
今朝、お帰りの際シンガポールのお客様からこの部屋を見たいとご要望がありました。ネットで事前にご存知だったようです。日本製高機種の一眼レフカメラで時間を掛けて撮影されていました。
そのあと卒業旅行のお客様にお声かけしたところ、たいへん喜んで見学されました。最後にチェックアウトされたひとり旅の女性のお客様も、阿蘇の旅の思い出として完結したようでした。
1555年一国一城令によって廃城となった内牧城の樹齢1000年の大杉から造られ、当館初代はこの杉で自宅の座敷を造ろうと、内牧の宮大工であった工藤今朝喜氏とともに京都を訪れ、建築の構想を練り1922年(大正11年)頃に完成し杉の間と呼びました。その後、和歌に通じていた初代の招きで与謝野寛 晶子夫妻が訪れ、たいそう気に入った二人はいくつかの歌を詠まれたということです。
私もこの部屋が大好きですが多くのお客様も魅了されています。
90年前の杉の間、ご希望でしたらここでお茶でもいかがでしょう?
大いなる
ひと木の杉を阿蘇に斫り
君がつくれる
萬年の家
寛