宿番号:327522
寛ぎ処、ライブラリーができした。
更新 : 2012/3/13 13:52
宿でおくつろぎできるようライブラリーを作りました。
小説や阿蘇の風物誌、それにサイクリング関連などお手軽な本を用意しました。
今から80年前の昭和7年に歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻が当館にお泊りに来られました。その滞在の際の情景を歌に詠まれ、そのような専門書もありますが、私には昔の言葉使いなので苦手です。
そこで学習漫画シリーズを数冊用意しました。マンガだから解りやすく、読みやすく「与謝野晶子さんって、そういう人だったんだ」と誰にでも知ることができます。
与謝野晶子さんは、「なでしこ」の元祖、情熱の歌人と云われいます。
それは女性の自立と自由を高らかにうたったからです。
夜の帳にささめきつきし星の今を 下界の人の鬢のほつれよ
(夜のとばりのかげで、恋をささやいた星たちもいまは、人となり地上で心を乱しています)
その子二十櫛にながるる黒髪の おごりの春のうつくしきかな
(二十歳の乙女の長い黒髪は、彼女の青春時代を誇るように美しく流れていきます)
髪五尺ときばな水にやはらかき 少女ごころは秘めて放たじ
(長い髪は少女の心と同じほどけば水に流れていってします、だから真の思いは結ってかくしておきます)
くれなゐの薔薇のかさねの唇に 霊の香のなき歌のせますな
(バラ色の織物のようなくちびるからは、花の精のような歌だけを生み出してください)
女性の地位が低かった時代に才能豊かな日本女性の存在を示し、新しい風を巻き起こした波乱万丈の生涯、戦争を批判し古い考えをくつがえす、まさに「なでしこ」の元祖の由縁でしょう。
与謝野晶子さんが残したことばにこいうものがあります。
「若さ」はその人の生命が貯えている豊富な成長力
-------生きようとする力そのものである。
一夜の旅の一冊で、貴方の生き方が変わるかも知れませんね。