宿番号:327980
積善館(佳松亭積善・積善館山荘)のお知らせ・ブログ
天井板の模様
更新 : 2011/6/25 10:49
元禄4年(1691年頃)に建てられた積善館本館の1階の天井には
魚の鱗のような模様の入った板が貼られています。
写真の下半分がそれ・・・
これは「槍鉋(やりがんな)」という鉋(かんな)で削られた天井板です。
槍鉋というのは、柄のついた槍の穂先が少し曲がっていて
この柄を脇に抱えて、先の穂先で少しずつ板を削ったために、
板に魚の鱗のような模様が浮かび出るのです。
これに比べ、写真の上の方の板は今でも使われている「台鉋(だいかんな)」で
削られたために、木目がキレイに浮かび上がっています。
台鉋が使われ始めたのは室町時代、それまでは槍鉋が広く使われていました。
積善館本館が建てられた元禄4年の江戸初期には、
槍鉋と台鉋が混在して使われていたのでしょう。
天井板の模様から、当時の大工さんの仕事の様子が偲ばれます。